FC2ブログ

HARD BLOW !

斉藤新チャンピオンの声

tsukasa068.jpg


試合後のセレモニーが終わり、リング上で勝利者インタビューが始まりました。試合を振り返り、またファンの応援に感謝の意を表した後、「最後に一言」とふられた斉藤選手は、

「このユースタイトルというのは、日本ではまだ新しくて、よく知らない人もいるでしょうが、僕がこのタイトルの価値を高めていきたいと思ってますので、これからも応援よろしくお願いします」

言いまわし等は正確ではないと思いますが、このような主旨の発言をしました。正真正銘の世界王者を目指している以上当然かもしれませんが、やはり斉藤選手自身も「わかってるな」ということが確認できて安心する思いでした。

さてその後、控室での取材に同席させていただきました。主に専門誌の記者と思われる方が質問していましたが、スポーツ紙、地元千葉の新聞の方々等が訪れていました。この時の様子を以下再現して行きます。

◆◆◆

━試合を振り返って

斉藤司(以下S)「体も軽く、相手も良く見えて、冷静にできたのでまずまず良かったと思います」

━リング上でユースタイトルについて触れていたが

S「自分の認識では、ユースタイトルって最近急に出て来て、だから皆価値に疑問を持ってると思うんですが、それは当然だと思います」

S「ユース王者が、日本・東洋・世界…と活躍していけば、新人王や最強後楽園のように一定の評価が得られると思うので、プロボクサーとしてそういう責任を背負ってこれからやっていきたい」

S「僕がこれから勝ち進んで行って、ユースタイトルって斉藤司も獲ってたんだよ…ということで価値が上がれば嬉しいので、もっと強くならなければいけない」

━ダウンを取った右ショート等は素晴らしい切れ味だったが、練習で変わったことは?

S「今年から中村トレーナーに見てもらってます。練習は凄くキツいですが、それをこなせて教えを吸収できているのも、今まで三谷会長とやってきた10年間の土台・下積みがあってこそだと思います」

━中村トレーナーが重視している点は?

S「とにかくスピードですね。これは常に言われます。後は自分はディフェンスが悪いので、そこを注意しています」

━初の敗戦からブランクを作ったが、それはどういったことで?

S「(三谷会長の方を振り返りながら)いやー、こういうこと言っちゃっていいんですか(笑)。まあ簡単に言うと、色々なこと全てが、自分の思い描いていた環境と違ってきてしまったんです」

S「でも時間の経過とともに、自分の頭の中も切り替わって、会長ともよく話し合って(今に至ってます)」

S「今は毎日が勉強で、新しい発見があるので充実しています」

今後はこのタイトルを防衛していく予定?

三谷会長(以下M)「一応そのつもりで、11月に防衛戦を組む予定です」

M「ただ、以前から本人もやりたがってた土屋(修平・角海老宝石)君ともやりたいですね。彼もPABAに挑戦するというような話を聞いたけど、たとえばユースとPABAのタイトルを懸けてやるとか、注目の集まる試合を組みたいです」

S「とにかく強いのとやって、自分のレベルを上げていきたいですね」



nakamuraN0122.jpg

いちいち私が注釈を入れると興ざめなので控えますが、こうした受け応えを聞いても、明らかに「ああ、日々成長してるなぁ」と思うんですが、この感じ、わかっていただけるでしょうか(笑)。わかっていただけなかったら、それは私の筆力のせいですのでスミマセン。ファンの欲目かもしれませんが、リング上といい控室での話しぶりといい、非常にいいオーラを放つようになってきたと思います。

バレンタイン選手にやられた方の日の帰り、中村トレーナーは「じゃあ僕は司と帰りますんで、当日は応援よろしくお願いします」と言って、帰って行きました。その前の出稽古の日は、斉藤選手が一人帰った後、私たちファンとの食事につきあってくださったのですが、さすがにあの日はそんな雰囲気ではありません。
今日の試合後に、あの日の帰りの道中の様子を中村トレーナーに訊いたところ、帰りの電車の中では「また明日から頑張ろう」という一言だけ発したそうです。その一言でどれだけ意思の疎通が図れるのかは外野からはわかりません。確かなのは、この師弟がプロとして、ハッキリと結果を出したということです。
スポーツには、見る人に「よおし俺も頑張るぞ!」と活力を与える効果がありますが、その舞台裏で、上がったり下がったり、喜んだり落ち込んだり…といった部分を、少しとはいえ間近で見てきた選手については、余計にそれを感じますね。やっぱり単純に「斉藤君も頑張ってるんだから」「篠塚君やゴルフも…」って思いますからね、根が単純なんで(笑)。

斉藤選手はこの先、いよいよ相手のレベルがドンドンと上がっていくと思いますが、どこまで行けるか非常に楽しみです。彼のハートは並大抵の強心臓ではありませんし、松信トレーナーによると「これまで多くの選手を見てきたけど、司ほど練習するヤツは今まで見たことがない。(二階級世界王者の)畑山選手もここまではやっていなかった」というほどの練習の虫だそうです。
まずは遅めの夏休みをとってもらって、次の11月も大いに期待しています。

(ウチ猫)

WBCユース世界ライト級王座決定戦

tsukasa0040.jpg


このWBCのユース王座というタイトル、日本人の第一号はあの真教杉田選手であり、獲得後ほどなくして国内では認められなくなった…という歴史があったようですね。
よってその後ずっと、日本人選手にとって無縁なタイトルだったわけですが、昨年から一転、国内でもユースタイトルの試合が認められるようになり、亀田和毅、黒木優子、渡邉卓也といった選手が獲得しています。
近年は、IBFやWBOで騒いでた頃が可愛く思えるくらいに、世界王座というものの価値に疑問符がついています。同一階級に王者三人がデフォルトになっているWBAはもはや末期症状ですが、そこにWBCのシルバーやユース、ダイヤモンドに名誉王者なんてのが加わってくると、いよいよ混乱してきます。
業界の方に伺うと、こうしたタイトルは興行を活性化する意味では大いに意義がある、今はタイトルそのものが権威であるという考え自体が古臭い、ということのようですが…少しは頭を柔らかくして今どきの事情に理解を示そうと思っても、感覚的にどうしても違和感があるという面は否めません。

さあそこで今回、斉藤司選手がライト級のユース王座決定戦に出場することになりました。この王座は、前述した渡邉卓也選手が獲得し、その後返上した王座を争うものです。対戦相手が、特に目立った戦績のないタイ人選手ということで、一般のファンからは評価を得るのは難しいだろうというのが正直なところですが、そうであればこそ、万に一つもミスをしないよう緊張感を持って試合に臨む必要があるでしょう。

で、いきなり結果をお話ししますが、2回1分58秒で斉藤選手TKO勝ち。体格差もあり、スピード、パンチともに斉藤選手が圧倒しましたが、勝ったことだけを以って「バンザーイ!」というつもりはありません。立ち上がりを見て、ああこれは力の差があるな、と思いましたので、あとは斉藤選手がどれくらいの仕上がりでこの日を迎えてるか、に興味がうつりました。
この試合に向けて、斉藤選手は何度か宮田ジムに出稽古に行き、細川バレンタイン選手等とのスパーリングを重ねてきました。八千代まではそうそう足を運べない私たちも、宮田ジムまで来てるとなると、ついつい覗きに行きたくなり、何度か練習を見させてもらったのです。

私は調子のいい日と悪い日、それぞれ一回ずつ見せてもらいましたが、良かった方の日は、松信トレーナーが「これが実戦だったら止まってますね(TKO)」というくらいバレンタイン選手を圧倒してましたね。以前から非常にキレのあるパンチに定評がありますが、この日はそれに加えてパワー面でも迫力満点で、階級を上げた分の力強さが感じられました。
しかし今晩の試合で感じたのは、やはりキレのよさですね。最初のダウンを奪った右ショートストレートは非常に鋭くアゴをとらえました。また、キビキビとしたフットワークも良かったのですが、これは相対的な見え方というのもありますからね。中村トレーナーが、私たちと話していると、一日に何回も「スピードです、スピードです」と口にしますが、まだまだこれからレベルアップしていくでしょう。

そしてその翌週は立場がまったく逆の展開で、力一杯の強打ではないものの、優れた当て勘があり、また斉藤選手のタイミングを完全に読んでいたバレンタイン選手のパンチを何発も浴びてしまいました。この時は、減量を進めながら体をイジメぬくピークの時期で、かなり疲労があったようです。
スパー後、様子を見に行った中村トレーナーによると、本人は相当落ち込んでいたようですが、シャワーを浴びて帰り仕度を整えて出てきた時にはいつもの斉藤選手に戻っていて「試合までには完全に仕上げていきます!」と言ってくれましたが、そのコンディショニングが不安材料…とまではいかなくとも、懸念材料ではありました。
しかし、中村トレーナーも大ベテランなら、斉藤選手もプロのキャリアを積んできた中で、初の敗戦等も含めて様々な経験をしてますから、それは杞憂に終わりました。

こうして、まずはきっちりと結果を出した斉藤選手。陣営も私たちも、当然「次」を意識しながら見ていたわけですが、今回は控室での取材の現場にもお邪魔させていただきましたので、その時の声を次稿で紹介します。
※ちなみに、けっこうな枚数の写真を撮ったのですが、私のスキル不足により、タイムリーにアップすることができません(汗)。そのうちのっけますのでご勘弁を。

(ウチ猫)