6 雲散霧消の後
2011年12月23日以降、私はファンの会を離れ、一ファンとしてボクシング観戦をし、そしてこうして知り合うことのできた人々と意見・情報交換をしている。もっとも、ボク愛氏の活動に私が貢献できるところは少なく、足を引っ張ることの方が多い始末だが。
結局のところ、拳論の管理者であるR記者と4時起き氏の存在は、私の信に堪えるものではなかった。4時起き氏については、約束を守らず、それを他者に責任転嫁し、さらには人を根拠無く「スパイ」呼ばわりして恥じるところがなかった。
或る人が2ちゃんねるで風説や個人情報を流布した。それが誰であるか私は知らない。2ちゃんねるにあがった情報を持っている人間は限られている。が、2ちゃんねるへの書きこみは匿名である。だから私にはそういう書きこみをした人間が誰であるかは分からない。
人は警察の捜査や裁判の物証のようなものを頼りにして生きてはいない。その前にいつも判断は下されている。人に対する見方は、その人の発言・行動によって作られる。誰かがその人たちの横を通り過ぎることをその人たちは止めることはできない。
私は、一つの失敗や悪行でその人間のすべてを判断しない。ある積み重ねられたものから判断する。その人が変わらない以上、私のその人に対する見方も変わらない。それは仕方のないことだ。
2ちゃんねるに個人情報の書きこみをした人が何をしたかったのか、また現在においても何をしたいのか。誰かに何らかの影響力を持ちたかった、匿名性に守られたネットという安全地帯の中で戯れたかった、そういうことなのかもしれない。そして、上手に遊べなかったことは、ある意味で救いなのかもしれない。
今後も2ちゃんねるへの個人情報の書きこみは続くかもしれない。書きこみをした人はこう考えるかもしれない。今後2ちゃんねるへの書きこみがなくなれば認めることになる、書きこみを続けても同じかもしれないがそうでない可能性もある、どちらを取るとなれば後者だろう、と。そういう個人情報の書きこみによって、少なからぬ人が傷を負っている。書きこみをした人間は、そのことを理解しているだろう。そして、もうその書きこみは消えない。
4時起き氏は拳論コメント欄で、昨年のファンの会の雲散霧消について、弁明らしきものを行っていたようである。何人ものボクシングファンが全国から集まり、その代表に選ばれた人間が、それを放置し、その言い訳をする。なるほど。彼はそれなりの年齢に達したよい大人であり、社会的にそれなりに地位のある人間である。
個人的なことだが、そういう人間を代表に担いだ自身について言えば、私は反省はするけれども後悔はしない。ただ、あの日集まった方々にご報告が遅れたことを謝するのみである。
信じるということは、いつでもどこか賭けである。
(終)
5 12月決別
私はボク愛氏からの話を、それはそれとして受け取っていた。ただし、ボク愛氏の活動に協力する意思はあった。私としてはどちらもボクシング界のためになるならば、お手伝いしたいという気持ちであった。ただ、ファンの会がなくなったわけではないので、何らかの支障が生じることのないよう調整・確認した上で参加したいと思い、回答を保留した。
私は4時起き氏に問い合わせのメールを送った。ファンの会の今後の活動についての考えを確めるためである。ボク愛氏と会ったことについては触れなかった。12月22日13時のことだった。それに対して4時起き氏から返答があったのは12月23日午前8時過ぎであった。
そこに書かれていたのは次のようなものであった。
①第二回会合後にボク愛氏がK会長やS氏と親しく、「スパイ」であることが判明したため除名した。
②ボク愛氏を外してアピールしながら団体を運営するのは危険だと判断し、個人として動いていた。
③今は市民団体は活動していると世間に思わせておくのが得策で、来年何か動きがあったら仕切り直すと考えている。
ということだ。
①は、おそらく嘘であろう。彼が確証を示せないであろうからである。彼は何ら根拠を示していない。
②は、最も意味不明な点である。ボク愛氏を外しての団体運営がなぜ危険なのか。ボク愛氏がスパイなら、むしろ安全になったのではないのか?
③要するに活動するつもりはないということ。会合を重ねて、活動内容を具体化させていくという話はどこにいったのか。
私には4時起き氏のメールの内容が唐突で珍妙なものに思えた。いかにも急造のつじつま合わせのスパイ論。おそらく4時起き氏はボク愛氏がK氏に会っているという情報を得ていたのであろう。それを自分の都合の良いように合成している。そう感じられた。水掛け論で有耶無耶になるような話を持ちかけてきている。そうも感じられた。何とか捻り出した意味不明の屁理屈で事を誤魔化そうとしている。それは明らかだった。そして、実質的に会の活動を続けるつもりはない、そう彼は言っている。そうではないのだろうか? 会を放置したことについての代表者としての責任ある言葉は一片もなかった。そして、そのような人間に信を置くことはできないと私は判断した。
そのことを私は4時起き氏に返信し、同時に会からの脱退を申し出た。
その後4時起き氏から連絡はない。
この時のメールについては、いつでも公表する準備がある。
その後私は、ボク愛氏、ウチ猫氏、U氏、また敬愛氏とも何度かお会いし、お話をうかがうことができた。またKジムのK会長にも直接会って話をうかがうことができた。そこでJBC問題や榎氏のレフェリング問題、あるいは亀田ジムのことなど、その内実と意見をうかがうことができた。
私にとってR記者のフグ屋領収書は、4時起き氏の口にするなぜか公開されない安河内氏にまつわる20の疑惑リストとともに、全く信憑性のないものになっていた。さらに安河内氏が更迭されたこの時点では、ほとんど意味をなさないものと化していた。そうして、彼らがこれまで口にしてきた奇妙なできごと、スブド、襲撃予告メール、習志野署への電話、安河内氏が改革派職員に対して見せたというガッツポーズ、…彼らの口にしたあらゆることが完全に現実の色を失っていった。
4 その後のメール交換
7月9日の第2回会合後、3回目の会合が行われることはなかった。
第2回会合は次回の日程を決めることなく終了し解散した。4時起き氏は私がメールで送った議事録を掲示板に掲載すると言ったまま果たすことがなかった。そうして徒に時間だけが過ぎた。
7月15日に突然ファンの会の掲示板にアクセスができなくなった。パスワードが変更されたものと見て、4時起き氏にメールで問い合わせると、新しいパスワードが送られてきた。
7月25日、ボク愛さんよりメールをいただいた。その内容は、2ちゃんねる上である人物に対する誹謗中傷が繰り返されており、これはある団体サイドのなりすましによる仕業ではないかというものであった。しかし、当事者でない私には判断がつきかねることばかりであった。
この時すでにボク愛氏にとって、2ちゃんねる上での自身および身辺あるいはボクシング関係者に対する誹謗中傷が誰の仕業であるのかは明白になっていたらしい。しかし、事情を呑み込めない私は、「双方の情報についてどちらか一方に加担にするつもりもありません。まずは私自身の目と耳で確認し判断するのみです。」とお答えするのみであった。
8月に入っても4時起き氏から連絡はなく、前月と同じ状態が続いていた。
私は連絡を取らなかった。
なぜか? 理由は三つある。
一つはJBC事務局長が解任・交代によって、一応の事態収拾が図られ、ファンの会が当初想定していたデモ活動などに緊急の要がなくなっていたからである。
もう一つは、九州から参加したN氏同様私も何らかの理由でアクセス禁止の状態に置かれているのかもしれないとの懸念があったからだ。そのような状態にあることを確認することを恐れる気持ちがあった。彼がつながるボクシング関係者の意見を仄聞していたことから、下手に動かないかどうか試されているのではないかとの逡巡とないまぜになって、それはあった。ファンの会の掲示板へのアクセスは依然として可能であったので、事実としてはなかったのであるが。
そしてもう一つは、私の懈怠である。
そのような状況が3か月続いた。
何の連絡もない4時起き氏に対して不審の念はあったが、自らが代表として選出した人物に対する信頼が揺らぐことはなかった。
それでも年内に一度は連絡をとろうと考えていた。もちろん今後の活動について確認したかったからである。
そんな中であった。12月11日、ボク愛氏よりメールが届いた。その内容は「榎さんの件で活動している。意見を聞きたい」というものだった。
私自身は4時起き氏がボク愛氏を除名にした直後に個人的に信を置くことは変わらぬ由のメールを送っているので、ボク愛氏と連絡をとることに全く抵抗はなかった。
聞けば12月18日後楽園ホールでの全日本新人王決勝戦を観戦するとのことで、その日に合流し話をすることになった。
そこで聞いたことは、次のようなものであった。
まずボク愛氏が11月に知人の仲介でKジムの会長と会っていたこと。そして、ネットの2ちゃんねる上で何者かによりボク愛氏及び敬愛氏への誹謗中傷が繰り返されていること、その中には個人情報を晒す悪質なものもあるということ、であった。
私の感想としては驚愕ということだけを記しておこう。
また私はボク愛氏とウチ猫氏とU氏から、ファンの会のその後の動向について、彼らの視点からの情報を得た。結論は、活動は一切行われていないということだった。
ボク愛氏としては、6月25日に日本各地から集ったボクシング界を憂える士たちの、あの日の思いと行動を無にしてはならないという思いがあったようだ。
ボク愛氏には、ファンがボクシング界(業界)に対して意見交換のできる対話・交流の場を設けるという念願が以前からあった。これは6月のファンの会の最初の会合でも彼が口にしていたことだ。彼はかつてそれを拳論に見たであろうし、それは私も同じであった。
ファンの会の有名無実化を知り、改めてファンの声を業界に届ける場を創る意思があるとボク愛氏は語った。
話はさらにある複数の人物に及んだ。ボク愛氏によると、2ちゃんねる上の誹謗中傷は、その人物によるものではないかということであった。それは、2ちゃんねる上にあがる情報を知りうる人間が極めて限られ、その中に常に「その人物」がいたという一点に尽きていた。そしてその見方はこの時期までボクシング関係者にも薄々気づかれ共有されつつあったとのことだった。そのためその人物に対してこれまで懇意にしていたボクシング関係者も、距離をとることが多くなっているとのことだった。
私はその話を聞いて頷けるところがあったが、その人物についての悪評を鵜呑みにするつもりもなかった。もちろんそのような可能性はあるだろう。その人物に胡散臭いところはあった。しかし、信を置いていたことも事実で、それは確かなものだった。その人間の趣味や性癖と、私との関わりにおいてその人間が為すこととを、私は切り離して考えている。
以下は、第2回会合の議事録である。固有名詞をランダムにイニシャル化(本名や本文との相関性はない)している以外は、誤字脱字も含めて変更していない。
◆◆◆◆
仮称「ボクシングファンの組織」第2回会合 議事録
(2011/07/09 10:30~21:00 於:某所)
1.議案の確認
①団体名称と代表の決定
②本会の目的(まとめ)
③活動について具体的提案(質問書作成、署名活動等)
④会則を設けるか(本会議への参加条件等、条件を設けた場合資格喪失等)
⑤第一回会合と同じく、Mの本会参加の動機と目的。およびあらためてのご紹介。
※実名の問題
*上記議案についての掲示板における事前の意見交換は、資料として掲示板にまとめを掲示、会合当日も別紙で配布。
*当日参加できなかったPさんからの事前に掲示板に寄せられた意見(趣旨)。
P:参加資格については妨害行為などを考慮し段階分け(運営とそれ以外)の資格、どこまで情報を流すかの定義が必要か。掲示板とメーリングリストではどちらが安心か。ファンによる業界への意見交流が出来ているサッカー界のサポーター制をモデルケースとして調べてみる必要がある。
2.議事進行
(1)⑤参加者自己紹介(確認のためもあり参加動機を再説)
Y:ジム側からの訴えができないか。
(※PCが立ち上がる前で議事録が不完全。)
T:業界に知り合いがいなかったが疑問を感じてきた。ファンの立場で言えることがある。目的はJBCの問題に絞る。
W:E問題を発端に、JBCに不信感。JBCの監視団体として団体に参加したいと思った。
N:E問題をきっかけに疑問。真実を汚された。Eと近所で核心にちかいものがある。協会を正さないとファンが納得できない。ネットの壁を越えて声を広げていきたい。
C:JBCの対応がひどすぎる。見るのをやめようと思ったが、その前にやることをやってやめようと思い参加。JBCに対してまっとうな調査をしてほしい。
N:(Zさんについて)最初は私怨にしか見えなかったが、Zさんと直接話した
我々はファンの立場として動くと伝えた。
C:業界を離れた方は1ファンとして参加してもいいのではないか、Lさんとか。今JBCとかJPBAにいる人は無理だろう。
N:Zさんの主張とは線引きが必要ではないか。
H:Zさんの暴走を止めるために掲示板を立ち上げた。出発点はボクシングが好きと言うより、人として許せない。D→JBC理事会→の順におかしい、ここを見てやってるんだぞ!とやっていきたい。
N:心情的にはわかるが、Zさんの魂を沈めるのは無理。会としては路線が違うということは明確にする。
T:拳論のリンクが外れたこと。
N:拳論と別にしていいのではないか
C:拳論との位置関係は?
H:拳論内でも反対があったがRさんが記事にした。こいつらが本気でやってると認知させなければならない。
(2)討議
■議題…①会の目的
H:D、JBCに話を持っていくのは偽名は難しいのではないか。個人名を出せば嫌がらせはあるだろう。Mも恐いはず。
C:名前を出したほうがインパクトがある。会の代表者は実名であるべき。
H:目標を決めないとなにも始まらない。
C:NPO法人を立ち上げるとすれば半年かかる。任意団体としてならすぐに活動できる。
H:ファンとしてJBCの処遇に納得できないので、透明性のある回答を出してもらう。
N:納得のいく回答がもらえなかった場合は。
H:ファンじゃなくてもマスコミが飛びつけばいい。そのためにも実名活動が必要。
N:ファンに信頼される団体にしたい。
H:それだと焦点がぼやけるので、問題を特化すべき、一人でもやる覚悟はある。
N:告発したい。
H:最終的にはそうなる。文科省なりにもっていくことになるだろう。署名活動は自然発生的におこるべき。
W:監視団体として長期戦の構えをとることが効果的。
H:JBCにでも協力できることもあるが、おかしいことは徹底的に糾弾する。その根底はボクシングが好きというのは当たり前。
Y:ボクシングに関わってない人が入ってきてボクシング界をよくしている部分がある。選手が声が上げる時に橋渡しができればよい。
H:JBCに市民団体から理事が入る形になれば一番いい。
◆議決:会の目的を「JBC安河内問題の追及」とすることに決定。
※ 全員賛成〔挙手〕で可決。
■議題…③具体的活動内容
N:署名活動をやりたい、質問書の草案作成を急ぎたい。
H:「JBCへの質問状」の内容として、質問1→調査委員会のメンバーの公表、質問2→告発状に対する調査結果の具体的内容の公表。
◆議決事項なし
※ 正式な議決事項はないが、上記の具体的提案有。
■議題…①代表の決定
C:社会的地位がしっかりしている方が対外的アピールに有利。会への取り組みの姿勢、度合いで選ぶ。
H:証言者が証言してくれないことが多い。実名は中途半端に出さないほうがいい。
T:相手のほころびをついていった方がいい。
※ 参考意見…匿名希望さんよりのメール:JBCに専属の公認会計士をつけること。文科省ではなく労務管理問題として厚生労働省に話をもっていってはどうか。
◆議決2:会の代表をHさんに決定
※ Hさん以外の全員賛成〔挙手〕により可決。
■議題…③団体名称
※YさんとNさんは所用により途中退席、残る4名で討議を続行。
・「ファン」という言葉で参加者を限定するおそれがないか。
・勝手に「ファン」の代表を名乗るなというファンがいる。
・「拳」という字を使うと既存の空手団体などとカブル。
・「愛する」という言葉は語感として弱い。
◆議決事項なし
※ 従来案に決定的なものがなく、有力な新案も出ず、議論を次回以降に持ち越し。
■議題…③具体的活動内容(質問書についての議論)
H:JBC(理事会)宛と林コミッショナー宛の2通送る。(告発内容と対応についてお聞かせ下さい。)
T:複数の理事に送ってはどうか?
・私書箱設置(Hさんの会社の近くである豊島郵便局で)
◆議決事項なし
※ 上記の提案有。私書箱については4名で合意済。採決は経ていない。
■議題…④参加資格
・実名、住所、電話番号、メールアドレスを申告し(Hさんにメールで連絡)、メンバーと共有できること。
◆議決事項なし
※ 上記の提案有。4名で合意済。採決は経ていない。
3.議決事項まとめ
◆議決1:会の目的を「JBC安河内問題の追及」とすることに決定。
◆議決2:会の代表をHさんに決定.
※ 懸案事項および承認待機事項として以下の4つである。
・①団体名称
・③JBCへの質問状の作成と送付
・③私書箱設置(Hさんの会社の近くである豊島郵便局で)
・④参加資格… 実名、住所、電話番号、メールアドレスを申告(Hさんにメールで連絡)、メンバーと共有できることとする。
4.次回第3回会合予定…未定
以上
5.補足
会の目的である「JBC問題の追及」については、Cより正式な文言として下記のものを提案いたします。これをたたき台にみなさんから再度を意見交換をしていただきたく思います。)
・会の目的(案)…
本会の目的は、公益法人であり日本のプロボクシングのスポーツとしての公正性を担保する組織である日本ボクシングコミッション(JBC)に対して、安河内前事務局長の不正経理疑惑をはじめとする様々な疑惑問題について、完全な第三者による透明性ある調査と、具体的かつ詳細な結果の報告を、ボクシングを愛する者として、また一市民として、要求し行わせることである。
また、不正が発見された場合には、日本ボクシングコミッション規則第一部総則に則って適切な処分を下し、ボクシング界が失った信頼を回復することを要求し行わせることである。
※ 第1部 総則
ボクシングはスポーツであるが故にあらゆるボクシング試合はスポーツマンライクの態度をもって行われるべきである。
また、プロフェッショナル・ボクシングは、ビジネスの要素を持つことを認めるが、あくまでも正直なビジネスの倫理法則に合致すべき方法で行われることをもって方針とする。従って、JBCは不正破壊の行為に対しては、たとえ法規において合法と解釈されることがあっても、フェアープレイと誠実の精神を侵す場合は之を排斥する。(JBCホームページより)
以上。
◆◆◆◆
3 7月9日第2回会合と議事録
ボクシング・ファンの会の第2回会合は7月9日午前10時半より東京上野(於:ルノワール上野第1店)で行われた。出席者はボク愛氏、4時起き氏、ウチ猫氏、U氏、私(いやまじで)、そしてボクシングを生業としているN氏である。
この日の会合の主たる議題は、会の名称と代表の決定、そして会の目的の明確化である。実際の討議の内容は後出の議事録の通りである。
会は4時起きを代表に選出した後、所用で退席する人間もいたため一旦店を出る。16時頃であろうか。小腹も空いたということで4時起き氏の店で食事をとる。その後、4時起き氏、ウチ猫氏、U氏、私の4人で別の喫茶店に入り、会の名称について意見交換した。といってもこの頃はだいぶ時間も過ぎていたため雑談が多かった。結局名称が決まることはなく、21時頃に解散するのだが、私は自宅が同じ小田急線沿線だという4時起きと帰路を共にした。
この日10:30から12時間ほどを私は4時起き氏と過ごしたわけだが、第1回会合での発言も含めて彼が話したことで印象に残っているものを挙げておく。
・会に参加したのは榎さんを止めるため。
・会の活動は一人になってもやる。
・安河内氏問題に会の目標を絞るべき。
・会の名称に「聖」という字を入れたい。
・ネット上で悩み相談を受けたことがある。
・ネット上で悪質ないじめに遭い多大な被害を受けたことがある。
・スブドという組織につきまとわれている。
・R記者との旅行先の行動を2ちゃんねるで実況された。これもスブドではないか。
・携帯電話会社のカウンターで携帯の不調を相談していると、自分の携帯にウィルスが侵入し画面が異常な状態になる。そればかりか店のPCにまでウィルスが侵入感染して店内がパニック状態になった。これもスブドの仕業と考えられる。
彼がどんな異常な経験をしていようと、私は気にしなかった。会の活動に真剣に取り組むことが、この時の私にとって人を見る最重要の判断基準だったからだ。その限りでここまでのところ彼に問題はなかった。私は情報というものを100%信じる(鵜呑みにするという意味で)ということはないし、そもそも彼のこういった話の真偽には関心がなかった。それは彼を信頼していたということもあるが、それよりも話の内容そのものが、私の関心の埒外にあったからだ。要は「へえ、それで?」としか言いようがないものだった。
ただし、この日、会の名称についての討議はさすがに奇妙だった。4時起き氏は、ああでもこうでもないと話を引き延ばしていた。それは、どう考えても話を先に進めたくないのだとしか思えないものだった。そもそも名称は喫緊の問題ではない。しっくりくるのが出なければ後日また持ち寄ればよいだけの話だ。それを延々と話題として引っぱるのはなぜなのか? 「やる気がないのかな?」と私はこの時初めて不信感をもった。
「一人でもやる」発言については「一人でやりたい」のではないかと思った。4時起き氏の言動を間近に見る限り、多くの人を巻き込んで活動するタイプではないと私は感じていた。彼はプロレス死亡事件の裁判にも関わっているらしいが、ほとんど一人で活動しているという。当初行動を共にしていた人たちが去っていったことについては、「いやがらせを受けてみんな心が折れ、離れていった」と彼は言った。(これはメールにも残っている)しかし、本当のところはどうなのであろうか。
6月25日以降、会の活動について拳論のコメント欄でもいろいろな噂が出ていた。また、明らかに参加者しか知らないはずの情報が、会合の直後に一つ二つ出てくることがあった。これは不思議だった。聞くところではその状況は2ちゃんねるでも同様で、その度に4時起き氏は「情報がもれているおそれがある」として掲示板のパスワードを変更する旨のメールをよこした。
また、4時起き氏は掲示板へのアクセス記録から疑いがあるとして、第1回会合にかけつけたメンバー1名を事実上アクセス禁止にしていた。
さらに不思議だったのは、第2回会合の議事録である。書記を務めたUさんが起こしたラフ(議事内容)を私が議事録としてまとめ、会専用の掲示板にupすることになっていた。私はそれを4時起き氏にメールで送った。7月11日深夜である。4時起きはそれを掲示板で発表すると私に返信した後、連絡してくることはなかった。そして、その後、議事録が掲示板に発表されることはなかった。
そして、(7月10日から14日の間のはずだが)、ファンの会の掲示板上で、突然ボク愛氏の除名が発表された。
理由としては、拳論のコメント欄に、独断で、会にとって不利益な書きこみをしたからということであった。
たしかにこの前後、拳論コメント欄上で、ボク愛氏とR記者との間に何らかの感情のもつれのようなもの(私にはそう見えた)が感じられた。しかし、それがファンの会の除名処分と直接つながるものとは思えなかった。第2回会合で、拳論とファンの会は別個の団体として活動する方針を確認していたからだ。だから拳論管理者との間に何らかの衝突や軋轢が生じたところで、会の運営に基本的に問題は生じないはずであった。
私は4時起き氏とボク愛氏とがツーカーの関係であると思っていたが、どうもそうではなかったらしい。彼らの背景となる人間関係もまったく知らなかった私は、この事態にただ茫然とするばかりだった。
4時起き氏は会の掲示板上で、ボク愛氏の除名に同意するかどうかの確認を求めてきた。私は同意する旨回答したが、より詳しい理由の説明を求めた。その他の人も、選出したばかりの代表の決断に賛意を表した。
それと同時に私は、ボク愛氏に対して、個人的に信頼と親愛の情は変わらない旨のメールを送った。会の合間にお話をするなかで、彼が東日本大震災への支援活動を行っていることや、在留外国人の世話、敬愛さんへの気遣いなど、彼のボクシングのみならぬ愛情の広さ深さに感じ入っていたからである。
※ 7月17日、旧徳氏が震災ボランティアの帰路、東京新宿に立ち寄り、ウチ猫氏、U氏、私とで小さな会合を持ち、情報交換をしている。