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HARD BLOW !

今年も色々ありました。

皆さま、年末は如何お過ごしですか?

当方、相変わらず仕事に追われる日々でありまして、昨晩は最終便で帰国。
明日26日は亀田裁判のJBC側証人尋問と、息つく暇もありませんが、書き入れ時も先が見えた事で今年の総括でもしておこうかと、記事枠だけ作っておきたいと思います。
我々がずっと追って来た日本ボクシングコミッション事件、亀田裁判、安河内剛氏JBC本部事務局復帰などなど、実に結果としても色々あった訳ですが、ボクシングファンとしては年末の世界戦に向けて多少浮かれてもみたい。

一見として活況に見える日本ボクシングですが、来年こそは正常を取り戻しますように。

追記もしなくてはな・・と考えている B・B


<12月30日の世界戦>

東京(有明コロシアム)  フジテレビ18時

WBO世界S・フライ級タイトルマッチ
王者 井上尚弥(大橋)vs挑戦者 河野公平(ワタナベ)

IBF世界L・フライ級タイトルマッチ
王者 八重樫東(大橋)vs挑戦者 サマートレック・ゴーキャットジム(タイ)

注目試合 ミドル級10回戦 村田諒太(帝拳)vsブルーノ・サンドバル(メキシコ)


<12月31日各地の世界戦>

岐阜(岐阜メモリアルセンター) CBCテレビ15時

WBO世界L・フライ級王座決定戦
1位 モイセス・フェンテス(メキシコ)vs2位 田中恒成(畑中)


京都(島津アリーナ) TBS

WBA世界フライ級タイトルマッチ
王者 井岡一翔(井岡)vs挑戦者 スタンプ・キャットニワット(タイ)

IBF世界S・バンタム級タイトルマッチ
王者 ジョナタン・グスマン(ドミニカ共和国)vs挑戦者 小國以載(角海老宝石)

注目試合 大森将平(ウォズ)vsロッキー・フェンテス(比)


東京(大田区総合体育館)テレビ東京21時30分

WBA世界S・フェザー級タイトルマッチ
王者 ジェスレル・コラレス(パナマ)vs挑戦者 内山高志(ワタナベ)

WBA世界L・フライ級タイトルマッチ
王者 田口良一(ワタナベ)vs挑戦者 カルロス・カニサレス(ベネズエラ)


※太字は個人的に注目している試合。

リゴンドウー ― ボクシングの普遍的価値の継承者

 かつてボクシングの世界タイトルマッチはその国の国民的行事であった。世界チャンピオンは8つの階級に一人ずつ。世界チャンピオンはそれだけで世界最強の称号であり得た。
 現代において世界チャンピオンは17階級に四人ずつ、計68人いる。それゆえ世界チャンピオンはそれだけでは世界最強の称号ではない。世界最強であるためにはそれ以上の何かが求められる。
 また現代において、世界チャンピオンであることは、世界最強であることを必ずしも要求されない。より正確に言えば、「世界チャンピオン」は世界最強であることを必ずしも追求しない。それはボクシングを職業とするものとしてお金を稼ぐために、より効率的な、より安全確実な道を選ぶことができるからである。
 ボクシングの世界チャンピオンの存在価値というものが現代においては多元化している。
 世界チャンピオンであるだけでは十分ではない。もっと言えば、強いだけでは十分ではない。観客を喜ばせる試合をしなければプロとして食っていけない。そういう価値観がある。
 一方で世界チャンピオンであるだけで、そのボクサーの試合が国民的行事となり得る、そういう価値観の世界もある。そこでは「強い」というだけで、勝利するだけで、ボクサーは賞賛と敬意と富を享けることができる。
 後者は伝統的もしくは古典的(クラシカル)な価値観と言えるかもしれない。
 リゴンドーはそういう価値観を継承するボクサーである。人気を得るために観客に媚びる試合はしない。ただ相手に勝利することのみに徹する。そういう姿勢を彼には感じる。
 リゴンドーが相手を選ばず最強のボクサーと闘い続けたノニト・ドネアを破って世界の頂点に君臨していることは象徴的だ。―ドネアの燃え尽きぶりは、この世界で最強と人気の双方を手にするリスクがいかに大きいかを物語る―。稀代のカリスマであるドネアに圧勝したことで、彼は最強の称号を手にした。しかし興行価値の点ではドネアには及ぶべくもない。
 しかし彼が継承する価値観は普遍的な、本質的なものであると私は思う。
 そのリゴンドーが日本で試合をする。世界最高の選手、世界最高のボクシングを見られることを、ボクシングファンとして幸せに思う。彼にはこれまで通りの試合を見せてほしい。

※ その姿勢の点においてリゴンドーと同じものを感じさせるナルバエスの試合も楽しみである。挑戦する井上選手にとって―彼もまた実力相応の評価を得ているとは言い難い―勝っても負けても貴重なキャリアとなるだろう。

by いやまじで

長谷川穂積の最終章‐はじまりか終わりか‐



 明日4月23日、大阪城ホールで長谷川穂積が3階級制覇をかけてIBF世界Sバンタム級王者キコ・マルティネスと相見える。

 3年前にジョニー・ゴンサレスに敗れてフェザー級世界王座から陥落。その後ノンタイトル戦を重ねながら世界への道を探ってきた。
 モンティエル戦での敗北以降、キレのあるタイトな戦いぶりが見られなくなっているとの印象を持っていた。
 長谷川自身、ブルゴス戦での勝利(フェザー級戴冠)以降、精神的に抜け殻だったと言う。
 モンティエル戦以降の変化については、モーチベーションの他に、自身の戦い方そのものにも理由があるように思われる。
 モンティエル戦までの彼のボクシングは、山下会長との二人三脚、長谷川選手の能力と、山下会長の戦術・戦略の共同作業、文字通り彼ら二人の合作だった。大橋会長が長谷川選手を「山下会長のロボットのようだった」とコメントをしていたが、良い意味で相即不離が2人の間には存在した。
 それがモンティエルの勝負勘、ある線を超えた感性によって打ち砕かれた。それが長谷川をして自立したファイターへの変貌を目指させたように思えてならない。時としてセコンドの指示を無視して戦う彼の姿を見ると、そう思わざるを得ない。
 モーチベーションに関して言うなら、彼はドネアを破った直後のリゴンドーと戦いたいと言ったことがある。いろいろな意味で現実性を欠いたその話に周囲にさしたる反応はなかったが、実際彼を必死にさせる相手、自分の能力を最大限引き出せる相手と(彼が)思えるのは、リゴンドーぐらいしかいないのであろう。その意味ではやらせてみたいと私は思う。

 明日の相手はキコ・マルティネス。短躯のファイターとの印象はかつてのバーナード・ダン戦(2007年、1RKO勝利)や、後に西岡に挑戦したムンロー戦(2008、2009年、共に判定負け)を見た時のものだが、今彼の年齢が28歳と知り、当時の彼がまだかなり若かったことに驚いている。2013年8月にジョナサン・ロメロを6RKO、スペイン人として初めてSバンタム級王座に就き、同年12月にはジェフリー・マセブラを9RKOで初防衛に成功している。(マセブラは2012年にドネアとの統一戦に判定で敗れてIBF王座を失ったが、その後ヌドゥルヴを破ってマルティネスに挑戦している。)試合を見る限り、相変わらず好戦的ではあるが、戦い方が一本調子ではなくなり、出入りがかなり巧妙になっているように見える。それとヨーロッパの選手にしばしば見られるスタミナと打たれ強さが感じられる。
 ネームバリューがさほどないことから穴王者的な見方をされているかもしれないが、時の勢いも得ており、今の長谷川選手にとっては負けてもおかしくない相手と見る。
 あまり選手のコメントを気にすべきでないのは分かっているが、長谷川選手には「感動させる」試合などではなく、勝利のために最善を尽くした、死力を尽くした戦いをしてほしい。そうした試合にこそ感動はあるのだから。
 長谷川選手の「冷静な判定勝利」を予想(というか「期待」)します。 

by いやまじで

PS
 当日のメインは山中選手で、こちらも大好きなんですが、すみません、今回はどうしても長谷川選手のことが気になって、山中選手まで手が回りません。山中選手の勝利を願っていることを付け加えておきます。

※ 動画追加(20140423)

高山勝成凱旋試合への期待

 中出トレーナーが言われたように、良いも悪いもグチャグチャで基準を喪失したかに見えるボクシング界。基準が曖昧であればこそ、やる側も見る側も個々の見識が問われると思います。

 4年ぶりに日本のリングに立つ高山選手。『男子三日会わざれば刮目して見よ』なんて言いますが、どのように変っているか楽しみに待ちたいと思います。動いて打つ自在なスタイルで圧倒して欲しいと思います。