FC2ブログ

HARD BLOW !

高山勝成がアマのリングで歴史的勝利 

名古屋11_R


 山が動いたと言いましょうか、2019年7月6日と7日、ついに高山勝成選手がアマのリングに上がりました。

 「東京五輪に出場して金メダルを目指したい」

 高山選手が2017年にぶちあげたその目標は、当初完全な絵空事と捉えられていました。ファンも関係者もその実現可能性を真剣に受け止めた人は多くなかったでしょう。当時オリンピックボクシングを統括していたAIBA(国際ボクシング協会)はプロ選手の出場に資格制限を設けており、日本ボクシング連盟(以下日連)もプロの参加に否定的でした。山根明氏の一般的な知名度も、ほぼ皆無に近かったと思います。ファンやメデイアの中には、「高山選手の行動はワガママで自分勝手だ」というような論調すらありました。

 その当時の中出博啓トレーナーのインタビューはこちらから
          ↓
 『高校卒業→大学入学』からの『世界王者のままプロボクシング引退!』からの『東京オリンピック挑戦宣言!』 中出博啓マネージャー兼トレーナーに聞いた、展開がダイナミックすぎる高山勝成選手の今までとこれから PART1

『高校卒業→大学入学』からの『世界王者のままプロボクシング引退!』からの『東京オリンピック挑戦宣言!』 中出博啓マネージャー兼トレーナーに聞いた、展開がダイナミックすぎる高山勝成選手の今までとこれから PART2


 オリンピックの主催者であるIOCはあらゆる競技でプロ選手の参加を奨励しており、本来なら高山選手の参加意思表明は歓迎すべきものです。高山陣営は署名活動やIOCやJOCやAIBAへの陳情、スポーツ調停の申し立てなどあらゆる手段を通じて競技参加への道を探り、プロアマの間に横たわる時代遅れな厚い壁を破ろうともがいて来ましたが、日連やAIBAの反応は極めて鈍いものでした。

 このまま時間だけが過ぎていくのか?と思われたおよそ一年前、皆様の記憶にも新しい山根明氏のスキャンダルが起こります。一連の内紛は『奈良判定』などの不正が発覚したことで社会問題となるほど大きな騒動を呼び、結果的に山根氏は失脚しました。一方国際組織のAIBAも、ガフール・ラヒモフ会長の麻薬犯罪との関わり(どんな組織やねん...)や競技における判定や審判の問題などから今年5月にIOCによって五輪競技からの排除を勧告されます。高山選手の競技参加を阻害していた勢力は自滅に近い形でボクシング界から去り、あれよあれよという間に視界が開けました。

 そして7月にはもう、高山選手は予選のリングに立ちました。プロで四団体のベルトを奪取して頂点を極めた男が、30代の半ばを過ぎてもう一度違う目標の為に、地方予選から戦いを始めたのです。わりと当たり前に受け止められていますが、これはかなり奇跡的なことです。

 高山選手が出場した試合の会場は、名古屋の住宅街の中にある専門学校の体育館でした。会場の入り口には来場者の靴が溢れんばかりに乱雑に脱いであり、観客も大半は同日行われた少年の部の試合の関係者や父兄です。華やかとは言えませんが、これまでも南アフリカやフィリピン、メキシコと未知のリングに裸一貫で上がって道を切り開いてきた高山選手にはかえってふさわしい舞台にも思えます。

 個人的には 「プロアマの壁を壊して世界チャンピオンがリングに上がる歴史的な試合が無料で観覧できるのに、あんまりファンは関心ないんだなあ」と少し寂しく思いましたが、報道の関心はかなり高く、記者席は満杯でその後ろにはテレビカメラの三脚が並んでいました。

名古屋10_R

 少年の部の試合が15試合続いた後、そのまま成年一試合目の高山選手がリングに入場。リング下には中出博啓トレーナーやケビン山崎氏、山口賢一氏も集まってプロ時代さながらの臨戦態勢。緊張が高まります。

名古屋9_R

 
 自分が一番注目していたのは、実戦は三年ぶりという高山選手の試合勘でした。まして彼の年齢はもう36歳。ハードワークでスピード命のスタイルが身上の高山選手にとって、加齢という残酷な事実を突きつけられる可能性もあります。

 当然プロのようなコールもなく、淡々と試合は始まりました。高山選手はプロの時代と変わらない上から吊られているような体軸のぶれないフットワークに、旺盛な手数で攻め立てて相手のパンチへの反応も良く上々の立ち上がり。捨てパンチを生かしたコンビネーションやフェイントからのビッグパンチなどテクニックも以前のままでした。対戦相手は中央大学の藤原幹也選手。序盤はサークリングしてパンチを当ててくる高山選手を攻めあぐねていましたが、徐々に圧力を強めて接近し打ち合いに持ち込んで捕まえにかかります。藤原選手は高山選手のストレートの軌道にも徐々に対応してパンチを返していきます。2Rでは高山選手が前進を受け損なって背中を向けて注意を受ける場面もあり、パンチを貰っても苦にせず前進してくる藤原選手が攻勢をアピール。ヒットは高山選手が多いものの、藤原選手は下がらずに手を出し続けて前進し、最後は打ち合いになって会場は両者の応援が入り乱れてやんやの歓声となりました。

名古屋8_R
名古屋7_R
名古屋5_R
名古屋6_R


 終わった時点では高山選手がとったかな?と感じましたが判定結果は割れて2-1で高山選手の勝利。負けた藤原選手は大きくのけぞって悔しさを滲ませました。3Rの中に展開があり面白い試合でした
名古屋4_R

名古屋1_R

 一者がフルマークで藤原選手という採点結果を見た瞬間、リング下にいた中出トレーナーは「えーっ一人フルマーク?」と驚きの声を上げていました。3Rでここまで採点結果が真逆になるというのは私も疑問でした。藤原選手が勝っていたという感想を持っておられる方も結構いたので、勝ち残るためには3Rという短いラウンドで圧倒的な差を見せる必要を感じました。

 試合後に中出氏に少しお話を伺うと、4月に視察したアジア選手権の採点傾向も分析したうえで、採点基準への対応の必要性を力説されていました。高山選手の仕上がりについては「アジャスト出来とったでしょ?サークリングしてパンチを当てていくのはエディジムに居たころの昔のスタイルに近いと思う」とのこと。

 試合が終わってみれば高山選手の力量はプロ時代から維持されており、さらにトーナメントの連戦に併せた調整法、採点基準に順応することで上がり目はあると感じました。ただフィジカルの強いトップ選手と当たった時に、今のサークリングして交わすスタイルでは難しいとも思います。実際試合後藤原選手は「手数は凄いけどプロ選手特有の一撃のパンチ力は感じなかった」旨のコメントをされていました。プロアマのトップ同士の対戦はまさに未知の世界であり、何とかそこまで勝ち上がって試合を見せて欲しいなと一ファンとして思います。
 
 東海予選も観戦に行きたい(旧徳山と長谷川が好きです)

世界ランカー返り咲き 再び世界を目指す大沢宏晋スパーリングレポート

47 13_R


 当ブログではすっかりおなじみの、大沢宏晋選手の試合が近づいてきました。

→ 大沢宏晋選手についての過去記事

 4月7日堺市産業振興振興センターで行われる試合の相手は、インドネシアのアーマド・ラヒザブ選手(昨年中澤奨選手に3RTKO負け)で、階級はスーパーフェザーで行われます。試合間隔を空けないための調整試合的なマッチメイクと言えるでしょう。

osawa201904.jpg

 昨年末世界ランカーをKOで下して再び世界ランク(現在WBA5位)に返り咲いた大沢選手は次戦で44戦目。ここ数年タイトルマッチで破れたベテランボクサーが試合枯れの末にキャリアを閉じていくケースが多いですが、大沢選手は何度も挫折を乗り越えて逞しく再起し、現在も若いボクサーと同じペースで積極的に試合をこなしています。

 去る3月28日に大沢選手のロングスパーリングを見学してきたので、その様子をお伝えします。

 この日のスパーはインターバル30秒でパートナーを変えながら3人×3Rの9R。

 最初の相手はライト級の石川耕平選手。

47 11_R
47 10_R
47 12_R

 二人目はスーパーフライ級の岩崎圭祐選手

47 7_R
47 9_R
47 6_R

 最後はスーパーライト級の高橋良季選手

47 1_R
47 2_R
47 3_R
47 4_R
47 5_R

 インターバル30秒で切れ目なく9ラウンドでしたが、最終ラウンドまで足が良く動き鍵となるジャブも上下に良く出て、昨年末の試合時の好調をキープしている象でした。以前は見られた疲れで足が止まった時に強引に右で打開しようとするような場面もなく、ボクシングがもう一度若返った印象で、ジャブがテンポよく当たることで長いオーバーハンドストレートや密着時のアッパーもより効果的になったと思います。

 47 14_R

 練習後少しお話を伺いました(大沢選手のお話は赤文字
HARD BLOW!(以下HB) 「昨年末のプレシアド戦ですが、かなりパンチがあったという話ですが」
大沢「パンチは強かったですね。効いたときに距離とるのも巧くて捕まえにくい相手でしたが、そういう選手を倒しきれたのは良かったと思います」
HB「KOの場面、世界ランカーのプレシアドを誘い出して動かしておいてから狙って倒せたところが価値があったと思います」
大沢「相手を動かして、出口を塞いでいって倒すことが出来ました」
HB「構えるときに手の位置を下げたことの影響がかなり大きかったようですね」
大沢「手の位置が高いとジャブが出にくいだけじゃなく、背筋にも力が入ってて結果的に足も出なくなってたんですよ。それが解消されてスタミナの持ちも良くなりました」

 大沢選手は久保隼選手に判定負けした後、再起するに当たって過去の自分の試合のビデオ映像を何度も見返して手の位置を修正し、スランプを脱して世界ランキングに返り咲きました。プレシアド戦の直前には、相当に手ごたえを感じていたのか「『久保戦で大沢は終わった』と言った人達に、もう一度世界で戦える力があることを見せる」と宣言し、有言実行してくれました。現在WBA五位で再びの世界戦が視野に入って来ました。恐らく年齢的にも最後のチャンスとなるであろう試合は実現するのか?今年も彼のことを追いかけていこうと思っています。

 四月五月の興行集中の意味が分からない(旧徳山と長谷川が好きです)

大沢宏晋が世界7位をKOして再起 再び世界へ

大沢宏晋選手についての過去記事はこちらから 
       ↓
大沢宏晋選手過去記事へのリンク

詳しくは過去記事をご参照いただきたいですが、2012年にJBCの内部抗争に巻き込まれてライセンスを止められた大沢選手は、明らかに不当な処分にも腐ることなくキャリアを積み上げて、何度も這い上がって道を切り開いてきました。

今年四月の元世界チャンピオン久保隼選手とのサバイバルマッチに敗れて、引退も囁かれましたが試合内容が不完全燃焼だったことから再起を決意。今回早いタイミングでコロンビアの世界ランカー、ベルマー・プレシアド選手との再起戦が組まれました。

とはいえ大沢選手の年齢はもう33歳。久保戦のもどかしい試合内容から年齢的衰えを指摘する声はあります。43戦という試合数や復帰から約5年に渡ってほぼランカーやチャンピオンクラスとしか試合しかしていないことからくる目に見えないダメージの蓄積も心配です。まだ活躍を見たい、しかし果たしてまだ力は残っているのか?正直ファンの側も、試合が始まるまで確証をもてない状態であったと思います。

さらに今回の試合前には、12月11日の最終仕上げのスパーリングで腰を痛めるというアクシデントが実はあったのです。二日連続で8Rと6Rというロングスパーの予定だった大沢選手は、二日目の最初のラウンドでパンチを放った際に腰をひねって結局予定の6ラウンドを5ラウンドに短縮して最終スパーを終了。私はその日たまたま見学に行っていたので、腰の痛みから苦悶の表情でジムの床に横たわる大沢選手の様子を間近で見ていました。翌日ご本人から「少し痛めただけで回復できます」という連絡は貰っていたものの、心配なことに変わりはありません。メニューをこなした後だったことが不幸中の幸いで、調整中に怪我をした場合に比べれば影響は少ないですが、ファンの目線からすれば不安がよぎります。

大沢選手はしきりに「今回は調子が良い、スランプから抜けました」と言っていたのに、こんなタイミングの怪我で歯車が狂ってなければいいが…。

そんなこんなで多少不安を持って会場に行ったのですが、結論から言うと皆さんご存知のとおり心配は杞憂に終わりました。
試合5_R

試合4_R
大沢選手は序盤からジャブが良く出て、接近時の避け勘もよく、ボディで弱らせて上で仕留めるという王道の組み立てから、終盤に強打をまとめて二度ダウンを奪ってタオル投入でKOする完勝。プレシアド選手は出入りが速く当て勘もある好選手でしたが引き出しの差が出た内容だったと思います。

試合3_R

大沢選手は9Rに強烈なワンツーを当ててプレシアドをギブアップさせるとコーナーに駆け上がって、溜まっていた鬱憤を晴らすかのように喜びを爆発させました。世界7位に明確な差をつけて完勝。再び世界を狙える力を見せてくれました。

右のパンチ力がついたことで決定力に頼ってやや強引になっていたのを、ガードの位置を少し下げてジャブの出をスムースにしつつ視界も確保するスタイルにチェンジしたことでバランスが良くなり、それにプラスしてベテランらしい駆け引きと左右のパンチをバランスよく出せる引き出しの多さも加わって、更に強くなったなと感じさせる内容でした。接近時のボディ撃ちにもかなり進境が見られたと思います。

とはいえ中盤は昨年から久保戦まで続いていた密着で膠着する場面も多く、今後フェザー級のフィジカルが強い選手と当たった時は課題になるなとも感じました。中間距離を嫌って密着してくる相手を、ジャブで突き放すのか相手を引き出して足を使って得意な距離を作るのか、そこがポイントになってくると思います。

試合前大沢選手は何度も「『大沢は終わった』と言ってる人たちに、世界で戦える力があることを見せます」と言っていましたが、まさに有言実行。来年以降も更に楽しみになる試合でした。

それとメインを務めた辰吉寿以輝選手。回転の良い連打を反応良くガードの間に打ち込む小気味良いボクシングを見せての圧倒的なTKO勝ちで、自分にとっては期待を遥かに上回る素晴らしい内容。

「男子、三日会わざれば刮目して見よ」というのを地で行く成長振りで、こちらも来年以降が楽しみになりました。

来年も会場に行く楽しみができて、良い気分で会場を後にすることが出来ました。大沢選手には来年世界のチャンスがあるといいですね。

OPBFのラウンド4分インターバル2分問題を取材中の(旧徳山と長谷川が好きです)

再起戦はまたも世界ランカー 大沢宏晋スパーリングレポート&インタビュー

ポスター_R

 今年四月に元世界チャンピオンの久保隼選手に敗れた元OPBF・WBOAPフェザー級チャンピオン大沢宏晋選手。

 不当なサスペンドからラスベガスでの世界戦、再起ロードまで大沢選手についての過去記事はこちらから→過去記事一覧

 進退をかけることを広言して臨んだ試合だったことからその後の動向が注目されていましたが、来る12月22日に大阪で再起戦を戦うことが正式にアナウンスされました。対戦相手はコロンビアのベルマー・プレシアド選手。ポスターではWBA10位となっていますが、現在のランキングは9位。昨年フランクリン・マンザネラ選手(フリオ・セハに勝利)に勝ってランク入りした30歳です。

プレシアド×マンザネラの動画
    ↓


 大沢選手は世界戦でオスカル・バルデスに敗れて以降5試合目ですが、うち4戦が世界ランカーとの対戦で、そのうち三戦が中南米の選手です。年齢的にも常に後がない大沢選手にとっては試合自体がリスキーであるのは勿論、フェザー級近辺の世界ランカーを中南米から呼べばファイトマネーやエアチケットの経費などがかかり招請費用は高額となります。このような試合が連続して組めるのは「大沢の試合が見たい」という熱心なファンがいるからこそ。そしてお手ごろのアジアンボクサーを呼ぶ安易なマッチメイクだをしないからこそ、ファンも意気に感じてチケットを買っているわけです。
 
 試合間隔は充分ということで、11月の中旬の時点でかなりスパーリングを積んでいるという大沢選手。去る11月16日に堺東ミツキジムに出稽古に行くと言うことで、そちらにお邪魔してスパーの様子を見学してきました。

 スパーの相手を務めるのは11月25日に刈谷で東洋ランカーとの試合を控えて、調整の最終段階だった横川聡也選手(試合結果は見事KO勝ちで東洋ランク入り確実)。

スパー7_R
スパー9_R
スパー10_R
スパー5_R
スパー4_R
スパー1_R


試合直前の横川選手は右を狙った飛び込みのタイミングが印象的。一方大沢選手はキレのあるジャブとパワフルなボディが有効でした。

スパー3_R
スパー後は意見交換

 練習後に大沢選手にお話を伺うことが出来ました(大沢選手の発言は赤文字

HARD BLOW!(以下HB)「負けたら引退という覚悟で久保戦に臨んで結果的に敗れましたが、再起と言う決断になりました」

大沢「それ言われることは覚悟してます。自分は打ち合ってボコボコにされて負けたなら納得いくんですよ。でもあんな試合で『負けた』と言われてもという話で」

 その試合については当方もレポート記事を掲載しています。→一ヶ月で三つの格闘技興行を見て感じたこと

 ひたすら密着して距離を潰す久保選手が僅差判定勝ちしたものの、世界戦への期待値が上がるような試合内容では正直ありませんでした。勝たなければ人が離れる、戦績に傷がついたら後退するという構造は分かるのですが、プロとして「勝てばよい」という試合をしていればいいのか?という疑問を呈する内容になっています。実際勝った久保選手には勝ってもチャンスが来ていません。

HB「密着して打ち合いを避けるような試合をして勝っても結果的に期待値は上がらないですよね」

大沢「あの試合の後、自分よりむしろ周りの人が『あんなんで終わりやなんて冗談や無いで』って再起を後押ししてくれた感じですね」

HB「以前会場でお会いした時は『階級を上げるかも』という話もされていたと思うのですが...」

大沢「自分では分からなくても減量の影響で動きが悪かったのかな?と思ったりして...。ただ今回は対戦相手が見つかったので結局階級アップは無くなりました」

再起に向けて、技術・戦術の見直しの必要を感じたといいます。

大沢「『良かった時と何が違うんやろう』と昔のから自分の試合のビデオを何回も何回も見直して。それでガードの手の位置が高くなってることに気付いて、下げたらジャブが出しやすくなって視野も広くなって、調子が戻ってきたんです」

HB「元々ジャブの評価は高かったですけど、右が強くなってから右につなげる倒すボクシングになって、もう一回原点に戻ってバランスをとったと言う感じですね」

大沢「本当に原因はシンプルなことなんですけどね」

昨年からどこか手数がスムーズに出ず膠着する試合が続いていたのは確かでした。窮屈だったスタイルが、次の試合では変わっているでしょうか?

競技とは無関係のトラブルによるどん底状態から、強敵との連戦でチャンスを切り開いてきた異色のボクサー大沢選手のキャリアも、いよいよ最終盤に入って来ました。勝ってもう一度世界ランクに返り咲き、世界へのチャンスを掴むことが出来るか?

これから試合に向けてレポートを続けていこうと思います。お楽しみにお待ちください。

(ラグビーW杯のチケットは全滅だった)旧徳山と長谷川が好きです

4/28 神戸 久保隼と世界ランカー対決!大沢宏晋打ち上げスパーレポート

大沢宏晋選手についての過去記事はこちらから→大沢宏晋

いよいよ前世界王者の久保隼選手とのサバイバルマッチが迫って来た大沢宏晋選手。昨年の再起以来、全ての試合に進退をかけて挑んでいる大沢選手ですが、小細工をせず世界ランカーを連破して着実にランキングを上げて来ました。ここで久保選手を退ければもう一度世界が見えてきます。

先週火曜4月17日に行われた、最終スパーリングにお邪魔してきました。

ジムに着くと大沢選手はアップ中。ウエイトを伺うとあと4キロ弱で極めて順調とのこと。サウスポー相手のスパーは、先週も日本ライト級8位の脇田将士選手相手にインターバル30秒で長いラウンドをこなしており質量とも充分。私が見学した二週前のスパーではダウンを奪うシーンもあり、サウスポー対策はかなり順調に見えました(そのときの記事はこちらから→4/28神戸 久保隼とのサバイバルマッチに挑む! 大沢宏晋スパーリングリポート

アップ中に雑談していて知ったのですが、なんでも大沢選手本当は左利きなんだそうです。なのになぜか構えはオーソドックス。右利きの人がわざわざ左に変えると言うのはよく聞きますが、逆は珍しい。そうなった経緯を伺うと「初心者の時に『構えてみろ』って言われて自然にやったら左手が前になったんですよ。『左利きやったら逆やん』って言われたんですけど『左を制するものは世界を制するって』聞いたことがあったんで、これでええかって」と、野生児らしい答えが返ってきました。

この日のスパーはインターバル1分で8R。前回の記事でも書きましたが、パートナーの脇田選手も4月30日にスーパーフェザー級の日本ランカー杉田聖選手とのサバイバルマッチを控える身。お互いが試合直前で減量中のキツいコンデイションの中でどこまで想定した動きが出来るか?

序盤は大沢選手がボディストレートから攻勢。
2018-04-17_19-34-04_456_R.jpg

2018-04-17_19-35-05_684_R.jpg

しかし脇田選手もスパーを重ねて大沢選手のスタイルに慣れてきたようで、体格を生かしてジャブで挽回。

2018-04-17_19-35-13_056_R.jpg
2018-04-17_19-36-05_000_R.jpg

細かいボディうちやアッパーを織り交ぜて、中盤は脇田選手が押し気味。

2018-04-17_19-38-42_381_R.jpg
2018-04-17_19-48-41_233_R.jpg

大沢選手はやや疲れ気味か?とはいえ打ち合いになれば階級が下なのに打ち勝つ場面が多い。

2018-04-17_19-40-56_647_R.jpg
2018-04-17_19-40-57_047_R.jpg

脇田選手も負けずに打ち返す。

2018-04-17_19-54-05_578_R.jpg

大沢サイドの中島トレーナーからは、再三前足の位置を外に置くように注意が飛ぶが、脇田選手は有利なポジションを渡さずヒットを重ねる。

2018-04-17_19-58-20_506_R.jpg
2018-04-17_19-59-05_594_R.jpg

大沢選手は後半ロープに詰めて反撃。

2018-04-17_19-59-17_840_R.jpg
2018-04-17_19-59-18_957_R.jpg
2018-04-17_19-59-19_625_R.jpg

ボディからの連打。

2018-04-17_20-02-25_377_R.jpg
2018-04-17_20-02-27_445_R.jpg

ラスト30秒は両陣営から「出し切れ」の合図が出て無酸素ラッシュで打ち合い!

2018-04-17_20-04-16_862_R.jpg
2018-04-17_20-04-35_534_R.jpg
2018-04-17_20-04-43_202_R.jpg
2018-04-17_20-04-48_620_R.jpg
2018-04-17_20-04-49_637_R.jpg
2018-04-17_20-04-52_711_R.jpg
2018-04-17_20-04-55_145_R.jpg

終了と同時に、両者バッタリと倒れこみました。

2018-04-17_20-05-03_320_R.jpg

仲良く路上でクールダウン。

2018-04-17_20-06-57_791 _R

大沢選手は「苦しい中で最後まで動けたけど、足の位置は修正が要りますね」とベテランらしく淡々と振り返り、脇田選手は「インターバルが一分になって大分余裕がありました。今日はやれましたけどやっぱり大沢さんは強い。パンチが強いのは勿論ですけど、思ったより伸びてくる。いい人と練習できて本当に勉強になります」と世界ランカー相手にいいスパーが出来て手ごたえを感じた様子でした。

大沢選手は中島トレーナーともう一度足の位置を確認。いかに前の足を外に出すか?が本番では鍵になります。ライト級の選手相手でも打ち合って捕まえてしまうパンチ力は大きな武器で、昇級初戦の久保選手には脅威となるでしょう。

2018-04-17_20-18-14_828 _R

対する久保選手と経験豊富な真正セコンドは果たしてどのような作戦をとってくるか?週末の試合を楽しみに待ちたいと思います。

連休は二回旅行に行く(旧徳山と長谷川が好きです)