HARD BLOW !

大沢宏晋復帰戦で難敵世界ランカーに完勝!6.4 大沢宏晋VSフリオ・コルテスin堺

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 ラスベガスでのオスカル・バルデス戦の痛烈な敗戦から7ヶ月。WBOのルールで世界ランキングも失った大沢宏晋選手が、再起戦でいきなり世界ランカーと対戦、という危険な選択に打って出ました。6月4日に行われたその試合をレポートいたします。

 この日の興行は50ラウンドということで長丁場かと思いきや、メイン前のA級ボクサーの3試合が全てタイ人ということで、ことのほかサクサクと進行。体格差も明らかなタイ人三連戦は、失礼ながら緊張感ゼロでございました。アンダーカードでは、新人王予選の、小柄で度胸良くインファイトをしかける岸根知也選手と、長身でテクニシャンの原優奈選手という対照的なタイプの対戦が、好試合でした。3R終盤に原選手がダウンをとられて岸根選手の2-0僅差判定勝ちという結果でしたが、パンチがヒットしているとはいえ、スリップでも良いような微妙なダウンで、まさに拮抗した内容。岸根選手の思い切り良い攻撃は見事でしたが、一方の原選手は4回戦より長いラウンドで真価を発揮してくれそうな選手と見えました。新人王のもう一試合は、一方の選手が棄権で不戦勝扱いだったようですが、場内のアナウンスは皆無!パンフレットに名前が載ってるんだから、なんか言わなきゃダメだろと思いました。

 休憩も無くテンポ良くメインとなって、まずはコルテス選手が客席から入場。ブルーと黄色のフード付きガウン。IMGP3860_R.jpg

 大沢選手はなぜかサラ・ブライトマンの『Time to say goodbye』で入場。再起戦なのに引退試合みたいです(笑)。コスチュームは金色。
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 コルテス選手はコールを受けて、観客にアピール。短躯ながら上半身の筋肉はなかなかのもの。特に背中の筋肉が目を引きます。
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 13勝11KOという戦績や、ビデオ映像で見る限りは、ドのつくファイターという印象のコルテス選手がどう出るか?注目しつつ1Rのゴングを聞くと、コルテス選手は躊躇せず接近して、ワイルドにビッグパンチを振るってきます。対する大沢選手は、大振りのパンチをブロックしつつ、お馴染みのソリッドなジャブと左右のボディフックで対抗。ただコルテス選手のプレッシャーは相当なもので、パンチも雑でなく当て勘が備わっています。

 コルテス選手は中間距離では対角線の豪快なコンビが出ますが、接近すると単調になる印象で、大沢選手はひっつけば対格差を生かしてボディうち、中間距離ではジャブと定石どおりの攻め。ただコルテス選手のパンチはかなり強く、ガードの上からでも破壊力が伝わってきます。

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 序盤から大沢選手の左右ボディフックが当たりますが、コルテス選手の前進は止まらず、時折強いパンチが大沢選手の顔面やボディをとらえます。これが芯を食ったらワンパンチKOもあり得るな、というような迫力あるパンチにどよめく場内。やはり無敗の世界ランカーという看板は伊達ではありません。ただ4Rあたりから、ボディ打ちの影響かコルテス選手のプレスがやや弱まってきます。
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ボディが効いたのか、闇雲な前進が止んで、顔面を突き出して挑発をしたりといった動きを見せ始めます。

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 中盤コルテス選手の手数が減ったことで大沢選手は距離を詰めて更に攻勢。いきなりの右やアッパーもヒットし、逆にコルテス選手の攻撃は単発気味。ただ、コルテス選手のパンチは未だにパワー充分で、一撃必倒の威力を感じさせ気が抜けません。

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 終盤大沢選手はスパーでも見せていた、近距離でのフットワークを使ったショートの連打も披露。ボクサーファイターとしての進化を見せつつ、セコンドの指示を聞いて右のビッグパンチを当てたりと冷静さも充分。9R終盤にはロープ際で激しいパンチの交換がありましたが、的確性で大沢選手が上回りコルテス選手をダウン寸前に追い詰めます。

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 最終ラウンドにはロープ際にコルテス選手を呼び込んで、右ストレートをカウンターでヒット。展開が一方的となったところでゴングと成りました。

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 健闘を称えあう二人

 判定は99-90、99-89、99-91というフルマークに近い大差3-0で大沢選手の勝利。負けたコルテス選手も試合後に勝利をアピールするような仕草は一切せず、結果を受け入れている風でした。

 大沢選手の様子は、勝ったとは言えやや不服そうで、リング上のインタビューでも「不細工な試合でした」と厳しい自己評価。
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 確かに、終盤ダウンシーンを呼び込むような集中打が見られなかったことは事実で、「あそこまで追い込んだのだから」という不満も分からないではないですが、この試合は世界ランカーに返り咲くのがテーマ。コルテス選手のパンチも最終ラウンドまで死んではおらず、過剰なリスクをとらなかったのは、戦略上正しいと思います。KO率が高い無敗の世界ランカーに、フルマークに近い判定で勝った、ということをシンプルに評価するべきです。

 リスキーな再起戦でしたが、下半身強化で備わったタイトなフットワークがあらたな強みとして加わり、ベテランながら更なる進化を感じさせました。ロマンサジムのセコンドワークも隙が無く、大沢選手との一体振りが際立っておりました。

 コルテス選手のガッツが最終ラウンドまで持続したことで、大差判定ながら、だれる事もなく緊張感溢れる好試合となりました。アンダーまでのタイ人祭りとの落差が激しい分、よけい染みたな~。

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コルテス選手のセコンドから帽子を送られる大沢選手
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コルテス選手の左目はふさがっておりました

 世界ランカーに明確に打ち勝って生き残った大沢選手。陣営はさらなる上位ランカーとの対戦も示唆していますが、楽しみに次の試合を待ちたいと思います。

 しばらく見たい試合がない(旧徳山と長谷川が好きです)
 



 

世界ランカーと再起戦 大沢宏晋再びリングへ!PART3

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今回の試合用のトランクス

過去二回のレポートはこちらから
   ↓
世界ランカーと再起戦 大沢宏晋再びリングへ!
世界ランカーと再起戦 大沢宏晋再びリングへ!PART2


過去記事はこちらから

 2013年2月
 どう考えてもおかしい大沢宏晋選手のサスペンドについて
 2014年8月
 前提が崩れた大沢選手のサスペンド
 2016年10月
 生野発ベガス行き!大沢宏晋ジムワークレポート&インタビューinロマンサ雅ジム 
 大沢宏晋選手記者会見にお邪魔してきました
 いよいよベガスへのカウントダウン 大沢宏晋選手最新情報
 ベガスへ向けていよいよ追い込み 大沢宏晋選手ロングスパーレポート
 スパーリング打ち上げ!大沢宏晋ベガス渡航直前リポート
 2016年12月
 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART1
 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART2
 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART3

 いよいよ世界ランカー返り咲きをかけた復帰戦まで10日を切った、大沢宏晋選手。最終のスパーにお邪魔してきました。

 この日のスパーは5R。ベガスでのバルデス戦前はギリギリまで追い込んだ局面では動きが重く感じる場面もありましたが、今回は試合間隔も充分ということで動きも軽く相手のパンチへの反応もよいと言う印象。従来の切れるハードジャブや強い右のパンチに加えて、下半身のトレーニングでフットワークも強化され、ボクサーファイターとしてさらに完成度が上がったと感じます。接近時の右のボディアッパーや頭へのショートカウンターも大きな武器になりそうです。
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スパーする三人のシャドー
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ボディジャブ
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コーナーで右を交わして
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ボディアッパー
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強化されたフットワーク
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練習後にお話を伺いました(大沢選手の発言は赤文字

HB「疲れている状態だと思いますが、スパー全体を通じて動きも軽く、反応も速いと感じました。」

大沢「前回の試合から減量法が分かったのが大きいですね。練習後に体重計ったら3.3キロオーバーで、ウエイトも順調です。ホームで出来るというのも大きいですね。今回はちゃんとリバウンドして試合当日を迎えたいです。」

HB「エクアドル人という対戦相手の謎さも含めて、興味がつきない試合ですが。」

大沢「そういうところも含めて楽しんでもらえたらいいです。復帰戦やから安全にタイ人とかとやるじゃ、面白くないじゃないですか。」

HB「世界ランカーに復帰した後のプランというのはありますか?」

大沢「それはまだ分からないです。まずは会長とマネージャーが決めてくれたカードをこなしていくだけです。」

HB「以前ラスベガスの試合から帰ってから、しばらく精神状態がおかしかったというようなことおっしゃってたじゃないですか。」

大沢「はいはい」

HB「それは具体的にどういうことですか?」

大沢「なんというか…日常に現実感がないんですよね。」

HB「地に足がついてないというか、夢と現実の区別が無いという感じですか?」

大沢「あの試合というか、ラスベガスの体験はそれくらい大きかったんですよね。」

HB「デビューしてずっと望んでいた試合が実現して、それがラスベガスという舞台で4日か5日の間に集中して凄い勢いで押し寄せて来たわけですからね。」

大沢「自分では平常心のつもりでも、試合当日ウエイトがリバウンドできてなかったりやっぱり平常心ではなかったのかなと…。」

HB「でも、そういうことも体験したからこそ分かることですよね。やらなきゃ分からない。」

大沢「だから減量法も最近やっと分かったと言いましたけど、なんというか、自分は時間がかかる人間なんですよね。」

HB「体験することで実感する、と。」

大沢「そうですね。」

HB「でもそうやって掴むのが本来ですよね。」

ラスベガスでの敗戦を通して、大沢選手がどのように変貌するのか?試合を楽しみに待ちたいと思います。大沢選手とロマンサジムの皆様、ありがとうございました。

単純に試合が楽しみな(旧徳山と長谷川が好きです)

世界ランカーと再起戦 大沢宏晋再びリングへ!PART2

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大沢選手のナックル。盛り上がった中指の甲がパンチ力を物語っております。

前回のレポートはこちらから
   ↓
世界ランカーと再起戦 大沢宏晋再びリングへ!

過去記事はこちらから

 2013年2月
 大沢宏晋選手のサスペンドについて">どう考えてもおかしい大沢宏晋選手のサスペンドについて
 2014年8月
 前提が崩れた大沢選手のサスペンド
 2016年10月
 生野発ベガス行き!大沢宏晋ジムワークレポート&インタビューinロマンサ雅ジム 
 大沢宏晋選手記者会見にお邪魔してきました
 いよいよベガスへのカウントダウン 大沢宏晋選手最新情報
 ベガスへ向けていよいよ追い込み 大沢宏晋選手ロングスパーレポート
 スパーリング打ち上げ!大沢宏晋ベガス渡航直前リポート
 2016年12月
 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART1
 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART2
 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART3

今週もスパーリングにお邪魔して見学させて頂きました。予定されていた坂選手とのスパーはこの日は無しでありました。

今回はジムメイトのプロ選手とプロテスト直前の練習生の方と3人×3R。三人三様、相手のスタイル・出方に合わせて、カウンター主体から、足を使っての出入りのボクシング、ワンツー主体のスタイルまで即興性に満ちたスパーでありました。

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 追い込み中で疲れもあると言うことでパンチを貰う場面もありましたが、足は良く動いておりステップでパンチを外す動きも軽快。上下へのジャブや接近時の右ボディアッパーも有効でした。頭へのストレートは強烈で、大きなグローブでも相手が吹き飛ぶような威力。

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 スパー後はドラムミットを感触を確かめながら2R。

 前回・今回とスパーで目を引いたのは足の筋肉の盛り上がりぶり。ふくらはぎもすねもパンパンなのであります。
 
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 その辺について伺ってみました。(大沢選手の発言は赤文字

HB 前回に比べてふくらはぎの筋肉がすごいですけど。

大沢 坂道で自転車押すトレーニングしてつけたんですよ。

HB 足が良く動いてるから、中島トレーナーが言ってるようにラウンドが長くなっても足でパンチを外せてますよね。

大沢 そこは良くなってるんですけど、パンチをかわした後どうオフェンスにつなげるかが課題ですね。今日は疲れもあってそこがスムーズにいかなかった。

HB ベガスから帰ったあとオフェンスを強化したいということは言ってましたね。

大沢 あと二週間で攻防のつなぎを強化して試合を迎えたいです。

下半身強化をいかに攻撃力につなげるか?試合を楽しみに待ちたいと思います。

田中恒成の試合に注目が集まらなくて気の毒だと感じた(旧徳山と長谷川が好きです)



世界ランカーと再起戦 大沢宏晋再びリングへ!

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 ラスベガスでの敗戦から半年。大沢宏晋選手の再起戦が迫ってきました。

 昨年11月、トップランクが次世代のスターとして猛烈にプッシュするオスカル・バルデスに挑んで、敵地で壮烈に散った大沢選手。2万人の観客を飲み込んだラスベガスのアリーナでの体験は、果たして彼のキャリアにどのような影響を及ぼしたのでしょうか?

 JBCの腐敗職員達の手前勝手な内部抗争に利用されて不当なサスペンドを受け、世界ランカーとしての一年間を棒に振ったのが5年前。ライセンスの停止中は一度は引退も考えたという大沢選手でしたが、東北の津波被災地でのボランテイア体験などを経て再起。その後、KOのみの7連勝で世界ランキングを昇り詰め、全世界に中継されるビッグマッチに辿り着いたその道程はまさに奇跡的なものでした。詳しくは過去記事をご覧下さい。

 2013年2月
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 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART1
 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART2
 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART3

 大沢選手が復帰戦の相手に選んだのはWBAフェザー級15位のフリオ・コルテス選手。なんとびっくりエクアドル人であります。エクアドルと言えばガラパゴス諸島やバナナにサッカーくらいしかイメージはありませんが、プロボクシングもあるんですね、ということも大沢選手を通じて知ることが出来ました。

 戦績は13戦13勝11KO(BOX RECへのリンクBoxRec Julio Cortez)。レコードはかなり立派ですが、エクアドル国内でしか試合をしておらず正直謎の選手であります。


エクアドルは多民族国家ですが、コルテス選手はアフリカ系。動画を見る限りは、スピードはさほどではありませんが、かなり攻め方が強引でパンチが重そうですね。小柄ですが、体が強く馬力がある選手、と言うイメージです。エクアドルのボクシング中継は、まるで競馬中継のように終始アナウンサーが早口でまくし立ててて凄いですね。

 コルテス選手のニックーネーム『Pelea』は『喧嘩』みたいな意味だそうです。どっかで聴いた言葉だと思ったら「狂気に生き」のキーワードでしたね。
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 大沢選手とは今年に入って、久田選手や久保選手の試合の会場などでちょいちょいお会いしていたのですが、改めてロマンサジムにお邪魔して練習の模様など見学させて頂きました。

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 ジムに着くと大沢選手はアップ中。今回の調整では大阪商業大学の学生選手とスパーする機会が多く、短いラウンドで何人ものアマ選手の相手をするのは本当にキツイというお話から。(大沢選手の発言は赤文字)

「やっぱり3Rでバンバン手数出してっていう言うスタイルだと、アマの選手は凄く強いですね。テンポの中でどんどんペースとってくるんですけど、こっちは強いパンチをいかに当てるかと言うスタイルなので。」

とのこと。今週からは、先日圧勝で日本チャンピオンになった関西一のホープ坂晃典選手が、スパーリングパートナーとして出稽古にくるとのことで、そこからは試合に向けた最終調整となるようです。まずは試合に向けた展望を伺いました。

HB 「復帰戦がいきなり世界ランカーになりましたけど。」
大沢 「もうタイ人とやるのとか時間が勿体無いでしょ。」
HB「というか、知らなかったんですけどWBOって世界戦で負けたらランキング無くなるんですね。」
大沢「そうなんです。」
HB「厳しいですね。」
大沢「そういうところは、IBFとかより厳しいくらいで。まあ分かってたことなので。」
HB「ウエイトは順調ですか?」
大沢「今(試合25日前)4キロオーバーくらいでなんの問題もないです。ラスベガス終わった後は休んでたので10キロくらい増えたんですけど、ある程度スケジュール決めて2月くらいから走り出したら順調に落ちました。減量法は本当に最近、この間の試合くらいで、やっといいやり方がわかったという感じで。『38試合やって、やっとわかったんかい!』ちゅう話なんですけど(笑)。」
HB「具体的にはどういうことなんですか?」
大沢「食べるものと食べ方ですよね。例えば前は『寝る前に食べたら太る』と思い込んでたから、夜は少ししか食べなかったんですけど、夜食べても寝て朝走ったら落ちるんですよ。絶食してる方がストレスになるし力も入らないから、夜しっかり食べた方が調子もいいし動けるんですよ。」 
HB「一般的に年齢を重ねると代謝が落ちて、減量がきつくなると言われてますけど」
大沢「疲れが少しぬけにくくなったかな?とは思いますけど、肉体的な衰えは感じないですね。むしろ『もっと強くなれる』という感じですね。」
HB「それもバルデスとやったから実感できたことですよね?」
大沢「それにあれでやめたら『俺はラスベガス行くのが目的やったんか?』ってなるじゃないですか。あの試合の時は当日も2キロしかリバウンドしなかったんですよ。そういうところも、自分ではいつもどおりのつもりでも、なんかやっぱり本来じゃなかったのかな?と感じることがあって…。」
HB「それもこれも実際行って、やってみたからこそ分かることですよね。」

 大沢選手と会話していて、ラスベガスで体験した昂揚と、試合に負けた悔しさが何度も交錯する様子は大変印象的でありました。

 この日の練習はマススパーで、ロマンサジムのプロテスト直前の練習生の方3Rと出稽古に来た選手が2Rづつ3人。

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 練習生や見学者も注目する中、スパーがスタート。
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 スパーリングを通じて、フットワークとボディジャブが印象的でした。大沢選手のフットワークは目に見えて躍動感があるというのではないですが、無駄な動きが無くスムース。
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中島トレーナーは「足を使ってパンチを外す」「ボディジャブ」「当たったら連打」というシンプルな指示
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 大沢選手は軽打しか打たないと言う条件でしたが、2人目と3人目は二度のダウンでともに2R持たずストップ。
 
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 最後の相手はなんとたまたま、大沢選手の地元の先輩。体重差15キロながらプレッシャーを受け止めて押し返して圧倒。
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 試合間隔も充分と言うことで、動きも軽快でスタミナも充分でした。

 スパー後に、ボディジャブが印象的だったことを伝えると、

 「バルデスとやったときは、向こうのフックの軌道が見えなくて打てなかったんですよ。」

 とバルデスの死角からくるフックとボディ打ちのリスクについて、身振り手振りを交えて説明をしてくれたのですが、未だにバルデスの強さが鮮烈な印象になって、残像が頭を離れていないということが伝わってきました。

 最後にコルテス選手を意識してエクアドル産のバナナを差し入れとして渡すと、ビニールの上からかじってくれました。お気遣いすいません!
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 はたして世界ランカーに返り咲けるか?試合まで注目していきたいと思います。

 坂選手とのスパーも見学に行こうかと考えている(旧徳山と長谷川が好きです)

JBCだけがプロボクシングにあらず 5.3観戦記



 当HARD BLOW!ではすっかりお馴染みの、日本ボクシング界の快男子?革命児?異端児?山口賢一選手兼会長(以下ヤマケンさん)による、最新の国内興行のレポートです。

 2009年にJBCライセンスを返納した後、ビリー・ディブやオルランド・サリドと言ったスター選手と海外で戦い、選手でありながらジムを経営し、プロモーターとして興行を行い、自分以外の選手のマネジメントを行いながら、昨年は日本未公認のWBFの世界タイトルマッチを国内で開催までしてしまったヤマケンさん。

 JBCのシステム外にいるからこそ可能な自由奔放な活動をくりひろげ、最近は中国や韓国、フィリピンなど近隣アジア各国のボクシング関係者との連携で様々な選手を海外の興行に送り込んでいます。

当ブログのヤマケンさんに関する、インタビュー・試合レポートなどの過去記事は以下のリンクからご覧下さい。
                ↓

 JBC離脱の経緯からオーストラリアのビリー・ディブ戦→フィリピンのマージョン・ヤップ戦→メキシコのオルランド・サリド戦、自主興行、ジム経営、自由すぎる事件の数々などなどヤマケンさんの人物像が分かるインタビューはこちらから。

イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートPart1
イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートPart2 
イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートpart3
イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートpart4
イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートpart5 完結編

 本邦初、WBFタイトルマッチについての記事はこちらから。
日本ボクシング界の風雲児 山口賢一選手が来週大阪でWBFタイトルマッチ!
『先駆者 山口賢一』 WBFタイトルマッチの意義
本邦初!WBFタイトルマッチリポート 山口賢一VS小林健太郎

 WBFタイトルマッチ後のルールを巡るゴタゴタやボクシング界の反応、試合の様子が流れた『探偵ナイトスクープ』などについてはこちらを。
WBFタイトルマッチの余波色々 西日本協会は緊急理事会を召集し引き締め&組織防衛!

 今回の興行はヤマケンさんは出場せず、天神ジム所属のヤマケンさんの一番弟子ともいうべき石角悠起選手と、ヤマケンさんの興行ではお馴染みのWINGジム所属の中村優也選手のダブルメインとなる全6試合。

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 会場は大阪市北区の大淀区民センターという、住宅街の中にある物凄く普通の公共施設でございます。
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 会場入り口では、格闘技用品でおなじみのボディメーカーさんが物販ブースを展開しておりました。
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 ボディメーカーさんはHP上で、試合のレポートや選手のインタビューなども積極的に掲載しており、特色がありますね。この日の興行のレポートも掲載されています。→BODYMAKER×アスリート(32)中村優也

 会場内に入るとプロ興行の前に行われる、アマチュアのスパーリング大会の真っ最中。いつも思いますが、プロ興行の前にリングを使ってスパーリング大会をやると言うのは大変合理的で良いことだと思います。IMGP2361_R.jpg
 スパーリング大会の表彰式が終わると、いよいよプロの試合がスタート。IMGP2387_R.jpg
 レフェリーによるバンデージのチェック

 とここでトラブル発生。なんとメインに出場するはずだった平野拳生選手が、体調不良でギブアップと言うじゃないですか。JBCでは無敗だった平野選手の試合に注目していただけに、これにはガッカリ。中村選手の試合はエキシビジョンに差し替えになるということで、いきなり暗雲が漂います。

 第一試合は天神ジムの安井克年選手と、岐阜のチーム侍所属の岩田啓輔選手による4回戦。ミドル級契約と言うことで迫力のある試合となりましたが、リングが小さいので、いきおい打撃戦となり、さらにスリルがアップします。JBCの興行に行っても4回戦のレベルと言うのは本当に玉石混交で、「良くテストに通ったな」ちゅうような選手もいれば、強い選手同士のレベルの高い試合もありますが、この試合は技術もしっかりしており、序盤優勢だった安井選手を岩田選手が徐々に追い詰めて3ラウンドでKOした展開も含め大変面白かったです。
 自陣コーナー近くで打ち込まれた安井選手の動きが止まると、セコンドについていたヤマケンさんがレフェリーに「ダウンや」と伝えて試合が終わった場面も印象的。自分の選手のセコンドにつきながらも、プロモーターも兼ねているがゆえの安全への意識が垣間見えた一幕でした。

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 白いトランクスが勝った岩田選手。

 第二試合は中村優也選手と同じWINGジム所属の本山亮徳選手と、2000年代のボクシング界のスター選手、クレイジー・キムさんが会長を務めるNo.1チャンピオンスクール所属の近藤将行選手による4回戦。こちらもスーパーウエルター契約と言うことで、迫力ある重量級の試合が続きます。
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セコンドをつとめるキム会長
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 本山選手(白いトランクス)が2Rと4Rにダウンを奪ってTKOで圧勝。これも面白い試合でした。

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第三試合 平沢宏樹選手対イズマエル・エステバン選手の試合は三者三様のドロー。

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第四試合 猪窪利光選手対勝田邦裕選手は猪窪選手の2RTKO勝ち。

 アンダーカード二試合をはさんで、対戦相手のキャンセルを食らった中村選手は代理の選手相手の3Rのエキシビジョンマッチとなりました。試合はエキシビジョンとはいえ激しい打ち合いになり、レフェリーが何度もクールダウンを促す場面も。

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 終了後、ドタキャンとなった平野選手のマネージャーを務める男性が、リング上で観客に対して経緯説明と謝罪を行いました。

 メインはセミから繰り上げになった石角悠起選手対WINGジム所属のチェ・ヨンドウ選手のライト級7回戦。7回戦と言うのは判定でドローを減らすための工夫であります。

 試合はスピード溢れるフットワークを使うチェ選手に対して、石角選手がプレッシャーをかけて強打を狙う展開。チェ選手は小さいリングながらスピードを生かして動き回り、トリッキーな動きも織り交ぜて的を絞らせません。

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 豪快な打撃戦の多かったアンダーカードから一転、テクニカルで緊張感のある面白い試合となりました。
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 前半の探りあいを経て、後半は距離がつまりパンチが交錯する見応えのある展開。終盤はチェ選手のスピードに順応した石角選手が有効打を重ねて、3-0でなんとか僅差の判定勝ち。とはいえチェ選手のスピードと変則のスタイルも印象的で、両者の駆け引きが楽しめた好試合でありました。

 メインが中止ということでどうなることかと思いましたが、代理の試合が見事に興行を締めてくれました。

 日本でボクシングと言えば99%JBCの興行でありますが、それ以外にもプロボクシングl興行があって、プロボクサーがいるということをボクシングファンの皆様に知っていただきたいな、と思います。実際試合のレベルも、なんら遜色のないものだと感じました。

 ヤマケンさんとクレイジーキム会長はこの興行の翌日西安で行われる小澤大将選手の試合のため、中国へと旅立って行きました。日本のボクサーも彼らのように、マンネリの国内ボクシング界を脱して世界を目指してどんどん海外に出て行って欲しいなあ、と感じます。

 今後もヤマケンさん、には引き続き注目していきます。

 最近キックや総合の興行にも注目している(旧徳山と長谷川が好きです)