HARD BLOW !

大沢宏晋選手 スパーリング短信

 遅くなりましたが先週の練習の様子を。試合まで二週間と迫った10月19日の木曜日、6Rのマススパーが行われました。

 最初の4Rはフットワークを使って手数も旺盛でしたが、後半2Rは疲れもあって失速。かなり苦しそうでありました。とはいえ、大沢選手の調整では、中間のスパーで打ち込まれるのはいつものこと。疲れのピークの中で、実戦練習で負荷をかけるというお馴染みのスタイルであります。

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ボディフック
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パートナーが変わった後半2Rはかなりバテた様子。

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動きが止まった大沢選手に中島トレーナーから「ロープに座っとったらアカンぞ!」の声が飛ぶ。

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 押されて終了。

 スパー終了後、大沢選手に少しお話を伺いました。

HB「前半はフットワーク使ってジャブも良く出てましたが、後半は押し込まれましたね」
大沢「うしろ2Rはちょっとバテましたね。プレスかけられて押し返そう思ったんですが、疲れて押し返せなかった」
HB「疲れてる中で、負荷をかけてどこまで動けるかですね。」
大沢「そうです。大事なのは試合なので。」
HB「スパーは今日で上がりですか?」
大沢「もう一回火曜(24日)にロングスパーやって上がりです。」
HB「今回は勝ち方が問われる試合になると思いますが」
大沢「圧倒的に勝たなアカン相手やと思います。」



 対戦相手のインドネシア国内チャンピオン、エリック・デストロイヤー選手は現地のテレビ番組でも特集組まれてるようで、バイトタイ人とは一味違います。映像の最後、基地の入り口で激励を受けてますが軍人さんなのかな?

 今回の試合の位置づけはもともと調整試合。短いスパンで次戦が組まれるとの話もあります。世界戦への期待を高める為にも圧勝が要求される相手です。文句のない形で買って欲しいと思います。

 デストロイヤーというリングネームが懐かしい(旧徳山と長谷川が好きです)

世界ランカー大沢宏晋が復帰第二戦へ スパーリングレポート

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 今年6月、再起戦でいきなり世界ランカーのフリオ・コルテス(エクアドル)相手に判定で完勝した大沢宏晋選手(←名前をクリックすると大沢選手についての過去記事が読めます)。昨年11月ラスベガスで、次世代スター候補のオスカル・バルデスに挑んで痛烈な苦杯を喫した試合から、たった一試合で再び世界ランカーへと復帰しました。

 10月には再起第二戦がアナウンスされましたが、なんと興行側の事情で中止。その後11月5日の日曜日に日程が変更となりました。試合会場は兵庫県三田市の三田ホテルで、13時開始の昼興行となります。
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 突然の興行中止にもかかわらず、近い日程での試合開催が可能になったことは大変な幸運でありました。

 試合まで一ヶ月をきった先週、ジムにお邪魔して追い込みのスパーリングを見学するとともに、スパー前後に色々とお話も伺ってきました。まずは復帰戦となった、フリオ・コルテス戦の感想を尋ねてみました(大沢選手の発言は赤文字

HB「コルテス選手かなりパンチがあったように見えましたが...」

大沢「ホンマにやばかったですよ!(笑)ガードの上からでも脳揺れましたからね」


HB「いきなりレコードの良い世界ランカーとやるというのはリスクが高いし、実際最後までパンチは威力ありましたね。」

大沢「復帰戦やからって、訳分からんタイ人とかじゃ応援してくれてる人に申し訳ないんでね。世界ランカーとやって、2、3ポイント差で勝つんじゃなく、誰が見ても文句なしの大差で勝てたので良かったです。」

HB「一ヶ月試合が延びるというアクシデントがありましたが、影響はありますか?」

大沢「もともと、いつ話があってもいいように体重も変動させてないですし、去年から減量やリカバリーも方法も分かってきてるので問題ないです。」

HB「ウエイトは?」

大沢「練習後で3.5キロプラスくらいですね。順調です。」

 この日のパートナーは、ジムメイトで、2015年度の新人王戦西軍代表、一階級下スーパーバンタム級の金井隆明選手。金井選手も11月5日に兵庫県市川町で芹澤天明選手との試合があるということで、お互いが最終調整であります。

 スパーは6R。お互い手の内は分かっている同士ですが、激しい打ち合いとなりました。

 金のグローブが大沢選手、白いグローブが金井選手です。

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 二人の選手に同時に指示を送る中島トレーナー

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 金井選手の好打

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 終盤はロープ際で激しい攻防

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 スパー後はロマンサジム名物、グローブを打ち合う攻防練習。

 今回は両選手とも近い距離での打ち合いを重視したスタイルで、手の内が分かっている相手にいかにパンチを当てるかという駆け引きが大変に面白かったです。大沢選手はスパーでは打ち込まれる場面が結構あるのですが、それはいつものこと。疲れている中での打ち合いで調子を上げていくのが調整スタイルになっています。大沢選手は単発のパンチでも相手を止めることが出来るのが強み。試合で強打をいかに当てるか?を想定した調整であることが伝わって来ます。一方の金井選手は現在連敗中ですが、一階級上の世界ランカーの大沢選手と互角の打ち合いを展開しており、こちらも好調そう。連敗を脱出して欲しいです。

 スパー後にもう一度お話を伺いました

HB「今日は3週前にしては動きも良かったし、手も良く出てましたね。」

大沢「そうですね。疲れてる中でも、動けてるし、ジャブからの組み立ても上手く行きました。」

HB「竹中選手や細野選手や天笠選手など、階級も年齢も近い世界ランカーが負けて進退に注目が集まってますが、大沢さんは『負けたら終わり』と言ってましたね?」

大沢「そうですよ。負けたら辞めます。」

HB「こちらとしてはどうしても、勝ち残ってもう一回世界戦に行って欲しい。」

大沢「自分としてもバルデスとの試合が、試合前飯が食えなくなったり、何かいつもどおりじゃなかった...。記者会見とかでも『絶対に勝ったる』という気持ちも弱かったんちゃうかと...。ラスベガスに行ったということで、どこか満足してたのかも分からん...。バルデスに負けて、そういういろんなことが分かって...。次は同じ失敗はしないです。」

HB「でもあの舞台で試合するというのは、誰でも出来る体験じゃないですからね。大沢さんは以前『自分はなんでも時間がかかる人間なんです』と仰ってましたけど。」

大沢「そうなんですよ。経験しないと分からないんですよ。」

HB「(世界戦は)スーパーバンタムでもいいと言ってましたが。」

大沢「はい。チャンスがあれば全然、なんの問題もないです。」

 今回も、バルデス戦での敗戦のインパクトの大きさを改めて感じました。

 『時間がかかる人間』と自分を分析する大沢選手ですが、だからこそ30代を過ぎた今も少しづつ強くなっていると思います。下半身の強化でパンチ力やフットワークは向上し、40戦のキャリアと日々の地道な練習でテクニックも戦術眼もジリジリと向上しているのが伝わって来ます。『時間がかかる人間』だからこそ、成長が止まっていないと思えるのです。

 選手のタイプも色々。叩き上げで成長を止めない大沢選手が、もう一度大きなチャンスを掴めるよう、微力ながらこれからも応援して行きます。


 色々書きたい小ネタがある(旧徳山と長谷川が好きです)

スポーツツーリズムを考える旅?!PART2 WBOミニマム級タイトルマッチ in 熊本県芦北町

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すっかり遅くなってしまいましたが、8月27日に行われた福原辰弥選手×山中竜也選手の試合レポートです。

この試合は奇しくも、メイウエザー×マクレガーやコット×亀海と同日という日程。正直世間的には裏番組と言っていい試合ですが、地元熊本にとっては大きなイベントであります。都市部においても、ボクシング興行を取り巻く事情は年々厳しくなっておりますが、地方都市で興行を継続して打って行く難しさは並大抵ではないでしょうか。

まあしかし、そういった頑張る地方ジムや所属選手の足を引っ張るような意識の低い輩もいるようです。懲りない捏造ライター片岡亮氏が、ろくすっぽ取材していないのがバレバレのネガキャンで福原選手が所属する本田フィットネスジムを貶めるような表現をしてて呆れた次第。『その件は別途、伝えるとして』と書いてますが、この人過去に何か調べて続報を書いたことがあったでしょうかね?JBCの内紛や亀田兄弟に関する捏造記事から、金泰泳氏の金銭トラブル、菊池直子がカンボジアにいた!(笑)まで自分が書いたガセネタについてちゃんと総括してから、偉そうなこと書いて下さいなと思いました。それとも、また名誉毀損で訴えられたいんでしょうかね?

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なんかあったと匂わせるだけなら、誰でもできますよ片岡さん!

そういうわけで本題です。まずは交通手段の検討の為、地図を見てみると、試合のある熊本県芦北町は県の南部。新幹線でも行けるが、これだったら鹿児島空港からでも近いなあ、と思って飛行機を調べて見ると神戸空港から鹿児島便があることを発見。値段も新幹線よりかなり安かったので即予約し、鹿児島県の県境の街に安ホテルも抑えて、機中の人となりました。

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ホテルのある出水市に到着して、ぶらぶらと散策などして時間をつぶし、夜は温泉に入ってぼんやりと過ごしました。IMG_1307_R_R.jpg
味わい溢れる市の講堂

翌朝はチェックアウト時間とともに、駅に出てローカル線で芦北町に向けて出発。

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目的地のしろやまスカイドームは最寄り駅から10分ほど。会場につくと露店が出ており、取材のクルーも多く熱気に溢れています。
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会場に入ると玄関ホールでは、熊本地震復興支援の為のチャリテイサイン会の真っ最中。この日テンカウントゴングを行う高山勝成選手に、abemaTVの100万円企画で日本のライブストリーミングの歴史に衝撃を与えた亀田興毅氏、そして『ゾウ・シミンに勝った男』木村翔選手と三人のチャンピオンがそろい踏み。地方都市のファンにとっては、世界チャンピオンと生で触れあえることはとても貴重なこと。こういった工夫は大変いいことだと思いました。聞くところによると、キックやシュートボクシングの興行では、こういうイベントは結構あるらしく、ボクシング興行も工夫の余地が大きいなと感じました。


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サインの料金は1000円で、収益はリング上で来賓の芦北町長を通じて寄付されました。
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寄付金の贈呈者は平仲明信会長。この日は他にも先日引退を表明した内山高志氏も来場し、世界チャンピオンが大勢集う華やかな雰囲気となりました。
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アンダーカードでは、本田フィットネスジム所属で、国境なき医師団の外科医としてイエメンとコンゴに派遣された、『戦うドクター』池田知也選手がこの日も登場。4RTKOでタイ人選手に勝利し、5月の新人王予選の敗戦から再起しました。試合の合間会場内で、試合後の池田選手に偶然お遭いできたので、お願いして写真も撮らせて頂きました。

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池田選手が着用されているのは、国境なき医師団のベストだそうです。少しだけお話させて頂きましたが「新人王になるほうが、国境なき医師団に入るより難しいですよ!」という言葉が印象的でした。

国境なき医師団のWEBで、昨年から今年頭にかけてのコンゴでの活動についての池田選手のインタビューが読めます。
          ↓
フランス語で記載した手術記録!:池田 知也

メインに先立って、日本ボクシング界のイノベイター高山勝成選手のプロボクシング引退式も挙行されました。


とはいえ現役を退くわけではなく、オリンピックを目指して競技生活の続行を宣言していますから、ボクシングを引退するわけではありません。その辺はFightnews.comのインタビューで語られております。デビッド・フィンガー記者による高山選手のインタビューはこちらから→Takayama: I want Olympic gold now

ファイトニュースのレポートは、日本の記事はずっとジョーさんが書いてきましたが、業界人のジョーさんにはなかなか書けない記事だと思います。

空席が目立った会場も徐々に埋まりだし、メインの頃には八分といった入り(主催者発表は2800人)。県庁所在地ですらない、大都市からも遠い地方都市で、この動員はかなり凄い事です。はっきり言って大阪や神戸、京都のタイトルマッチでこれより薄い入りの興行はなんぼでもあります。

私、試合前は福原選手の優位は動くまいと言う見解でありました。出所が見にくい変則のボディ撃ちと強靭なメンタルに加えて、タフなキャリアと地元開催の利もあり、かなりアドバンテージがございます。一方の山中選手は、いかに福原選手の変則スタイルを攻略してヒットを稼ぐか?がキモになります。

福原選手が入場すると会場はやんやの声援。熊本の報道関係者も多く訪れており、地元の期待の大きさがヒシヒシと伝わってきます。一方の山中選手は落ち着き払った雰囲気で自然態。陣営も、さすが経験豊富落ち着きが感じられます。

1Rのゴングが鳴ると、福原はオープニングに得意の左ボディをヒットしますが、山中は軽快にジャブを放って積極的に手数を出して反撃。福原は様子見か手数が少なく、ラウンド後半少し反撃するものの山中がペースを握ります。

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序盤山中は福原のスタイルには付き合わず、距離を外してヒットを重ね、福原にとっては得意のボディが当たる距離がなかなか作れずもどかしい展開が続きます。福原はスピードで上回る山中を捕まえようと、ボディを叩いて食い下がりますが、山中はあくまで打ち合いには付き合わず、ジャブと姿勢が低くなる福原に会わせたアッパーなどで巧みにヒットを重ねてポイントをピックアップ。福原のスタイルをかなり研究して試合に臨んでいるのが伝わって来ます。福原は強引に距離を詰めて、ボディを叩いて山中を失速させたいところですが、なかなか自分の距離が作れない。とはいえ山中のヒットも単発が多く両者決め手には欠ける。

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中盤に入ると福原は山中のうるさいジャブをグローブではじいて、得意の投げるような長いボディで反撃。山中がボディを封じようと密着すれば細かいボディを集める。ただこの小さいボディはジャッジに有効打と見られているかは微妙。後半に入るとボディのダメージで徐々に失速するかと思われた山中は、更にスピードアップ。速い出入りで、もう一度福原の距離勘を狂わせて試合のペースを掌握。福原は的を絞らせない山中のスピードを攻めあぐねる噛み合わない展開。終盤に入っても山中は手数はさほどではないものの、ヒット率は高く福原の強打に捕まらず集中して対応、福原陣営は印象的な見せ場を作れないままズルズルとラウンドを重ねる。セコンドは採点で勝っているという読みがあるのか?それとも対応が出来ていないのか?

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最終ラウンドはさすがに福原は打って出て、かなり強引に距離をつぶしに行きますが、最後までボディを叩ける距離は作れず。山中はプランどおりと見えるローリスクでクレバーな戦法のまま。どっちにしろ両者これと言った見せ場はなく、ポイントは僅差のはずですが…。
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健闘を称えあう二人

ポイントの読み上げが始まると、二人目で山中勝利となって真正コーナーは大喜び、客席と福原陣営は意気消沈と好対照となりました。山中陣営は戦前の分析と対策で、見事に福原を攻略。後半になってもスピードも集中力も切れなかった準備のよさも際立っていました。試合中的確な指示で、ペースを渡さなかったセコンドワークも見事。一方福原陣営は、展開を変えられず世界戦経験の少なさを露呈したように見えました。展開を変えるような指示を出せなかったセコンドワークも疑問でした。ポイントを読み間違えていたのでしょうか?体力を余して負けたように感じられて、いかにも勿体無かった。

FIGHNEWSにスコアカードが掲載されていましたが(→ファイトニュースの記事『Full Report: Yamanaka dethrones WBO 105lb champ Fukuhara』)、ジャッジ三者が一致してるラウンドは三つしかなく、採点が難しい試合であったことが伝わって来ます。とはいえ、全体を見れば山中選手のクリーンヒットが多く、判定は納得が行くものでありました。福原選手にとっては持ち味を封じられて不完全燃焼に終わったといったところでしょう。実際試合としても見所に乏しく、噛み合わないまま終わった印象でした。

久々の地方ジム世界チャンピオンが敗れて、私のスポーツツーリズムも一旦終わりですが、今年二回の観戦ツアーは大変面白い体験でありました。帰路の車窓からの眺めは、不知火海の美しい夕焼けが見れて最高でありました。震災直後でありながら、地元での試合開催に拘って、私を素晴らしい土地に誘ってくれた、福原選手と本田フィットネスジムに改めて感謝したいと思います。
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これからはますます、地域密着がプロスポーツの課題になると思います。福原選手の戦った二つの世界戦は、日本中の地方ジムにとっての示唆に富んだ、時代の変化を先取りする非常に重要なイベントだったと思います。

個人的には福原選手の再起を願っている(旧徳山と長谷川が好きです)

PETER AERTS SPIRIT 2017 ローンチ・パーティー レポート+関西大会 観戦記

 先日お伝えした、育成目的のアマキック大会『PETER AERTS SPIRIT』が8月6日に大阪市内で開催され、私も観戦して参りましたのでレポートいたします。

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 過去記事はこちらから 
    ↓
 格闘技のアマチュア育成と底辺拡大を考える アマチュアキック大会『PETER AERTS SPIRIT』大成敦代表インタビュー

 まずはその前に、大会前日に行われたローンチパーティ(ローンチ=launch→『立ち上げ』のことだそうです)に実行委員会関西事務局の樫山賢一氏よりお招きを頂き、お邪魔してきたので、その様子から...。
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 パーティーにはピーター・アーツ氏も参加されて、盛況の中で行われました。東京五輪挑戦を宣言した高山勝成選手も来場しており、会場でアマ活動認可の請願署名集めも行われ、ピーター・アーツ氏も笑顔でサイン。

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現代のガリバー旅行記か?
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 この時点では瞼の手術の為の入院直前だった高山選手でしたが、出術は無事成功したようで、大変良かったです。先日、自身の後継王者である福原辰弥選手に遭いに、熊本を訪問した時の感想を尋ねると

「福原選手は、カジェロス戦で序盤ビッグパンチ貰っても慌てずに立て直したように、メンタルは素晴らしいと思います。ボディ当てるのは巧いですが、精度を上げればもっとよくなる。みぞおちでもレバーでも、もっとピンポイントで打てるようになれば、さらに強くなると思います。」

という見立てでございました。

 試合当日物凄い酷暑で、フラフラで会場に辿り着くと、エアコンが効いていて一安心。

 試合ルールは2分2ラウンドで、ヘッドギアあり、ヒジうちと顔面へのヒザ蹴りなしというールール。キッズから高校生、一般まで様々な年齢の男女選手がワンマッチで戦い、全国7ヶ所での地方大会で行われた試合の内容から、大成敦代表が選考した選手が全国大会でトーナメント戦を戦うとのこと。

 会場で関西大会実行委員会の樫山氏にお話を伺うと「力のあった選手同士でマッチメイクしている」とのことでしたが、確かに試合は拮抗した内容が多く、これは育成目的の試合では大切なことだなと感じました。

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 ピーターさんもリングサイドで全ての試合を観戦。大阪の片隅の入場無料の大会に、レジェンドがいるというのも不思議な感じであります。

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女子選手の試合もハイレベルでした

 試合の合間にはピーターさんによるセミナーも行われ、『パンチをブロックしてローキックから、両手を前に出してヒザ蹴り』という現役時代を思わせるコンビを通訳を介して直接指導。短い時間でしたが、有名選手と同じリングに上がればキッズにもきっと励みになることでありましょう。

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 ピーターさんの双子のお子さんもキックボクサーだそうで、セミナーで子供達を指導しました。
 
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 全ての試合が終わると表彰式。実行委員とピーターさんが選んだ選手に、ピーターさんから賞状とトロフィーが授与されました。2分2ラウンドということで、ポイントを取るために接近戦でパンチとミドルキックを多用する選手が多い中で、井上大斗選手の長いキックも多用した落ち着いた試合振りが個人的に印象的でしたが、みごと優秀選手賞を受賞。長いラウンドだと更に持ち味が出るのではないか、と感じましたが、

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 ピーターさんは総評として「優秀選手の選考はとても難しく、二転三転しました。今日負けた選手も勝った選手も、みんな才能があると思うので、キックを辞めずに続けてください」大意そのようなこと仰って、選手を激励しました。

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 最後に大成代表から全国大会出場選手には後日通達があることと、関西で年内にもう一度ワンマッチの大会を開催することがアナウンスされて、この日の大会は終了となりました。

 全体を通して私が感じたのは、全国大会出場という目標設定や、ピーター・アーツというビッグネームが実際に会場で試合を観戦してセミナーを行うことなど、出場する選手やジムから見ても魅力的なイベントになっているのではないか、ということでした。採点やレフェリングも公平で、ダウンやストップの判断も適切だったと思います。入場無料で観戦できることも驚きでした。

 このまま大会が大きくなって、存在が周知されていくことお祈りしております。

 『PETER AERTS SPIRIT2017』の日程は以下の通りです。

7月16日(日)九州大会 さざんぴあ博多(既に終了)
7月30日(日)中部地区予選大会 春日井市総合体育館(既に終了)
8月6日(日)関西大会 大阪府平野区民ホール(既に終了)
8月11日(金・祝)東北地区予選 夢メッセMIYAGI(既に終了)
8月13日(日)関東地区予選大会 大田区総合体育館(12時開始)
9月3日(日)沖縄地区予選大会 環境の杜ふれあい体育館(12時開始)
9月17日(日)北海道地区予選大会 K&Kボクシングジム(12時開始)

【全日本大会】11月19日(日)2017年全日本大会 夢メッセMIYAGI(12時開始)

全国大会が見たくなった(旧徳山と長谷川が好きです)

大沢宏晋復帰戦で難敵世界ランカーに完勝!6.4 大沢宏晋VSフリオ・コルテスin堺

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 ラスベガスでのオスカル・バルデス戦の痛烈な敗戦から7ヶ月。WBOのルールで世界ランキングも失った大沢宏晋選手が、再起戦でいきなり世界ランカーと対戦、という危険な選択に打って出ました。6月4日に行われたその試合をレポートいたします。

 この日の興行は50ラウンドということで長丁場かと思いきや、メイン前のA級ボクサーの3試合が全てタイ人ということで、ことのほかサクサクと進行。体格差も明らかなタイ人三連戦は、失礼ながら緊張感ゼロでございました。アンダーカードでは、新人王予選の、小柄で度胸良くインファイトをしかける岸根知也選手と、長身でテクニシャンの原優奈選手という対照的なタイプの対戦が、好試合でした。3R終盤に原選手がダウンをとられて岸根選手の2-0僅差判定勝ちという結果でしたが、パンチがヒットしているとはいえ、スリップでも良いような微妙なダウンで、まさに拮抗した内容。岸根選手の思い切り良い攻撃は見事でしたが、一方の原選手は4回戦より長いラウンドで真価を発揮してくれそうな選手と見えました。新人王のもう一試合は、一方の選手が棄権で不戦勝扱いだったようですが、場内のアナウンスは皆無!パンフレットに名前が載ってるんだから、なんか言わなきゃダメだろと思いました。

 休憩も無くテンポ良くメインとなって、まずはコルテス選手が客席から入場。ブルーと黄色のフード付きガウン。IMGP3860_R.jpg

 大沢選手はなぜかサラ・ブライトマンの『Time to say goodbye』で入場。再起戦なのに引退試合みたいです(笑)。コスチュームは金色。
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 コルテス選手はコールを受けて、観客にアピール。短躯ながら上半身の筋肉はなかなかのもの。特に背中の筋肉が目を引きます。
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 13勝11KOという戦績や、ビデオ映像で見る限りは、ドのつくファイターという印象のコルテス選手がどう出るか?注目しつつ1Rのゴングを聞くと、コルテス選手は躊躇せず接近して、ワイルドにビッグパンチを振るってきます。対する大沢選手は、大振りのパンチをブロックしつつ、お馴染みのソリッドなジャブと左右のボディフックで対抗。ただコルテス選手のプレッシャーは相当なもので、パンチも雑でなく当て勘が備わっています。

 コルテス選手は中間距離では対角線の豪快なコンビが出ますが、接近すると単調になる印象で、大沢選手はひっつけば対格差を生かしてボディうち、中間距離ではジャブと定石どおりの攻め。ただコルテス選手のパンチはかなり強く、ガードの上からでも破壊力が伝わってきます。

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 序盤から大沢選手の左右ボディフックが当たりますが、コルテス選手の前進は止まらず、時折強いパンチが大沢選手の顔面やボディをとらえます。これが芯を食ったらワンパンチKOもあり得るな、というような迫力あるパンチにどよめく場内。やはり無敗の世界ランカーという看板は伊達ではありません。ただ4Rあたりから、ボディ打ちの影響かコルテス選手のプレスがやや弱まってきます。
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ボディが効いたのか、闇雲な前進が止んで、顔面を突き出して挑発をしたりといった動きを見せ始めます。

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 中盤コルテス選手の手数が減ったことで大沢選手は距離を詰めて更に攻勢。いきなりの右やアッパーもヒットし、逆にコルテス選手の攻撃は単発気味。ただ、コルテス選手のパンチは未だにパワー充分で、一撃必倒の威力を感じさせ気が抜けません。

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 終盤大沢選手はスパーでも見せていた、近距離でのフットワークを使ったショートの連打も披露。ボクサーファイターとしての進化を見せつつ、セコンドの指示を聞いて右のビッグパンチを当てたりと冷静さも充分。9R終盤にはロープ際で激しいパンチの交換がありましたが、的確性で大沢選手が上回りコルテス選手をダウン寸前に追い詰めます。

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 最終ラウンドにはロープ際にコルテス選手を呼び込んで、右ストレートをカウンターでヒット。展開が一方的となったところでゴングと成りました。

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 健闘を称えあう二人

 判定は99-90、99-89、99-91というフルマークに近い大差3-0で大沢選手の勝利。負けたコルテス選手も試合後に勝利をアピールするような仕草は一切せず、結果を受け入れている風でした。

 大沢選手の様子は、勝ったとは言えやや不服そうで、リング上のインタビューでも「不細工な試合でした」と厳しい自己評価。
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 確かに、終盤ダウンシーンを呼び込むような集中打が見られなかったことは事実で、「あそこまで追い込んだのだから」という不満も分からないではないですが、この試合は世界ランカーに返り咲くのがテーマ。コルテス選手のパンチも最終ラウンドまで死んではおらず、過剰なリスクをとらなかったのは、戦略上正しいと思います。KO率が高い無敗の世界ランカーに、フルマークに近い判定で勝った、ということをシンプルに評価するべきです。

 リスキーな再起戦でしたが、下半身強化で備わったタイトなフットワークがあらたな強みとして加わり、ベテランながら更なる進化を感じさせました。ロマンサジムのセコンドワークも隙が無く、大沢選手との一体振りが際立っておりました。

 コルテス選手のガッツが最終ラウンドまで持続したことで、大差判定ながら、だれる事もなく緊張感溢れる好試合となりました。アンダーまでのタイ人祭りとの落差が激しい分、よけい染みたな~。

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コルテス選手のセコンドから帽子を送られる大沢選手
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コルテス選手の左目はふさがっておりました

 世界ランカーに明確に打ち勝って生き残った大沢選手。陣営はさらなる上位ランカーとの対戦も示唆していますが、楽しみに次の試合を待ちたいと思います。

 しばらく見たい試合がない(旧徳山と長谷川が好きです)