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HARD BLOW !

提出された抗議文

「HARD BLOW!の原点」記事で紹介した反則検証の続きです。

私たちも問題とされるその試合映像の1Rから最終ラウンドまでをすべて時間をかけて検証してきました。
当初は何故執拗にそこまで抗議するのか?という疑問や、選手自身の感情の問題が大きいのではないのか?との印象を抱いていた時期もありましたが、検証を進めて行った結果はやはり審判のレフェリングに問題ありとの結論に至りました。
映像を是非もう一度ご覧になって下さい。度重なる反則(肘打ち、後頭部への打撃)とそれを見逃している事が確認できるはずです。




正当な抗議行動を行った選手が謂われない批判を浴び、そして孤立しながらも戦って来た過程を私たちは無視出来ないと考えます。
私たちファンはこれまで、選手たちの不幸を幾度も目撃し心を痛めてきました。
ボクサーは闘犬ではないし、ボクシングは命のやり取りを見るものでもない。
どんなに言葉で繕ったとしても、選手にも人格とリングの中にも人権がある事を認めなければプロボクシングは永遠にスポーツとはならないでしょう。
今こそ、「ボクシングとは」「選手とは何か」から始めなければならない時だと思います。
また選手たち自身もその事を自覚しなければならないと思います。

まったくこれは個人的感傷ですが、「プロボクサーを目指したい」と自分の子供たちが言った時、果たして命を預けられる環境にあるのか?と多くの人が臆してしまう事でしょう。
それでも私たちはボクシングを観ているのです。

byB.B

以下、榎洋之さんが昨年、JBC試合役員に対し試合映像と共に直接提出された抗議文です。(一部氏名は伏せてあります)


◇ ガルサの肘打ち箇所、およびレフリングの疑問箇所
1Rのガルサ選手のパンチの打ち方をしっかり覚えておいて
ください。
< 1R >

 ◎終了間際
 *ガルサは榎のことをしっかり見て肘打ちしている。
 *レフリーはしっかり見れる位置にいる。
 *榎は後ろ向きなため、何をもらったかわからない。
 *肘をもらった直後、榎が振り返ってみているので、それが効い
  たことがわかる。
 ※B審判さんは、この時点で「オレだったら、ここで注意する」
  と言った。
       
< 2R >
 
 ◎0:20
 *榎の頭が右にいっているにもかかわらず、ガルサが肘を当てよ
  うとする。
 *榎が見えないところから肘
 *レフリーは見えない位置にいる。
 *これは何のパンチ?右ストレートではない。

 ◎1:10
 *榎のあごにガルサの肘
 *その直後、榎の右フック系のパンチが入る。榎は肘打ちに
  気付いていない。

 ◎1:30
 *榎の頭が下がったところに肘打ち。肘が突き出てくる。
 *これを流れで押さえつけただけとするなら、なぜ肘が前に
  出る?
       
<3R >

◎0:30
 *一番強い肘打ち。これが致命傷。
 *この時、レフリーがガルサ選手に対して、何か注意をして
  いる。「脇をしめろ?」
 *観客も気付いた人がいる。ビデオに「あ~」という声が
  入っている。
 ※この肘打ちをもらったことにより、榎はダメージを隠す
  ため本能で下がり始める。この時点で三半規管が壊れ、
  フラフラの状態。

 ◎1:20
 *レフリー、審判見えるはず。榎は見える角度ではない。
 *観客は遠いのに見える。

< 4R >

 ◎0:15
 *肘が当たってはいないが、ガルサがパンチを当てにいく
  瞬間、榎の顔をしっかり見ているのに、グローブの位置
  がとんでもないところにある。何のパンチを打とうとした?
 ※これ以後4Rは、ガルサは普通の打ち方に戻っている。
  これがガルサの本来の打ち方。クセではないことがわかる。
 ※4Rにガルサのボディーをもらったことにより榎がおかしく
  なったという意見があるが、その前にすでに、フラフラに
  なっている。(ビデオで)

< 5R >

 ◎0:23
 *流れとされていい榎のパンチ。ガルサの頭上を通っていく。
 
 ◎1:53
 *レフリーしっかり見える位置で。

< 6R >

 ◎2:05
 *榎が動いてない時、ガルサと榎が近い状態で、ガルサが明ら
  かに右肘を当てにいっている。これは何のパンチ?
 *レフリー横からしっかり見える位置で。

 ◎2:25
 *ガルサが榎の後頭部を叩く。
 *レフリーしっかり見える位置にいるのに、気付かない。

 ◎2:40
 *レフリーしっかり見てる。

< 7R >

 ◎0:25
 *榎の頭が動いてないのに、ガルサは何のパンチ?レフリー
  しっかり見える位置に。

 ◎0:50
 *明らかに肘が入っている。レフリーしっかり見える位置に
  いるのに、気付かない。とても危ない。審判も見えるはず。 

< 8R >

 ◎2:00
 *右肘をしっかり上げている。これに榎の頭が当たったら
 危ない。
 (カットした後)*レフリーしっかり見える位置に。

 ◎終了間際
 *左肘。(スローじゃないほうが分かりやすい)
 *レフリーしっかり見える位置に。
 
< 9R >
 ◎0:25
 *ガルサのグローブが上を向いている。
 *肘が当たった瞬間、音もなっているのがかわる。

 ◎ストップ前
 *ガルサが榎をしっかり見ながら、右肘を当てている。
 *レフリーもしっかり見ている。

◇試合後、こめかみの部分が特に痛かった。
 この痛さは試合後1週間経っても、最後まで残っていて、朝起き
 ると揺れていた。(試合直後の脳の検査は異常なし)
 もちろん今までパンチをもらい、試合後腫れや痛みがあったこと
 はあるが、今までとは明らかに違う痛みで初めてのことだった。
 普通ボクシングはグローブをつけ、こぶしで殴る。一時的に三半
 規管も揺れるが、グローブにはクッションがあるので、そんなに
 簡単には壊れない。肘は「肘鉄(肘鉄砲)」という言葉があるよ
 うに、鉄で殴られたような衝撃がある。 直接、三半規管を壊し、
 脳も揺れる。

◇ガルサの肘打ちは1R終了間際から始まっていて、榎は3Rから
 フラフラの状態。では、榎は3Rまでに、これほどまで早い段階
 からフラフラになるほどのガルサのパンチをもらったか。

 榎の打たれ強さは、皆さんご存じの通り。また「スタミナがない」
 と言われたこともない。徹底的に体の勉強をし、体幹トレーニン
 グも行い、筋肉量が増したことで以前より疲れにくい体を作り上
 げた。今回のスパーリングでもほとんどダメージが残るパンチは
 もらっていない。普段から節制し、プラス2,3キロをキープし、
 減量も2日ほどで終わり、減量の影響は考えられない。

◇なぜ試合中に榎自身が気付かなかったのか。
 
 1R終了間際のガルサの肘打ちで、榎は明らかに「この野郎」と
 いう表情をしている。
 肘打ちをもらう時は、榎は横を向いているか、下を向いているか
 で、ガルサのパンチ(肘打ち)の軌道を見ていない。レフリーは、
 かなり見える位置にいる。

 3R(0:30)の榎に致命的なダメージを与えた肘打ち以降、
 榎はそのダメージを隠すために必死。この直後から本能で下が
 り始める。この時点で三半規管が壊されフラフラの状態。そし
 て、当たり前だが勝つために必死。

 6/2、B審判さんにビデオを見ていただいた際にも、B審判さ
 んから「どうして自分で気付かなかったのか。」と言われた。
 そんなことを審判、レフリーである立場の方が言っていいのか。
 もちろん、榎自身、ジムトレーナーが気付き、レフリー、審判に
 アピール出来ていたら良かったと思うが、反則や危険行為を
 見極めるのもレフリー・審判の仕事ではないのか。
 戦っている選手は必死。興奮もしている。それを冷静に判断すべ
 き人がレフリー・審判なのではないか。
 ただ採点をつけるだけなら、レフリーは必要ない。

 1Rのガルサの肘打ちをビデオで見て、「肘が当たっているね。
 俺だったら注意する」とも言っていた。
 ガルサの肘が榎に入っていることを認めたということになる。
 反則は反則。しかるべき措置を。

◇ガルサの肘打ちが必然的に行っていることについて

 B審判さんは、「メキシコ人は肘でパンチを打つだろ」と言って
 いた。しかし、ガルサは1R、4Rは普通の打ち方をしている。
 日本人と同じように、右ストレート、フックを打っている。
 
 普通パンチを打つ時は、グローブの前を見るが、ガルサが肘を
 当てる際は、必ず肘が当たる前を見ている。ということは、肘を
 当てたこともわかっていて、その後ガルサは肘を当てて自らも痛
 いので、肘を何回も振っている。

 なぜ肘の前に目線があるのか。よくグローブと肘が偶然当たる
 時があるが、肘が当たることを想定していないので、肘がしび
 れることがある。
 そのため、ガルサは肘を当てる時、肘を見て力を入れている。
 意図的に行っているとしか思えない。

 また何のパンチ?と思えるパンチを何度も出しています。
 ストレート、フック、アッパーのパンチの軌道とは考えられ
 ないパンチを出している。それが肘打ちを狙っているパンチ。
 < 2R(0:20)4R(0:15)6R(2:05)
  7R(0:25) >

 ガルサの肘打ちを「流れ」とするなら、なぜ肘が突き出て
 くるのか。「流れ」とするなら、右ストレートでいうと、5R
 の(0:23)、榎がガルサに右ストレートを当てようとする
 が、その瞬間ガルサが素早く左に踏み、ガルサの頭が左に下が
 ったので、榎のパンチが右にいき、榎の肘がガルサに当たりそ
 うになった。
 これが「流れ」として説明がつく。パンチが流れたので、榎の
 目線はパンチの前にある。

◇レフリングの不備について

 偶然のバッティングに例えると、左ボクサーと右ボクサーが戦
 った場合、同じところに踏み込むから偶然が生まれる。また右
 ボクサー同士が戦った場合でも、踏み込むタイミング、頭の低
 さ、頭から突っ込むなどからバッティングが偶然生まれる。
 もし、故意ではなく偶然に発生したとしても、レフリーから注
 意されるべき。榎も「頭からいかないように」と注意されたこ
 とがある。 
 
 これは肘でも同じで、偶然であろうが、必然であろうが、レフ
 リーは危ない行為として注意すべき。
 今回の試合でガルサの肘打ちは17回(当たったのが14回、
 未遂が3回)、これほどまでに乱発している状況をなぜ一番近
 くで見ているレフリー、審判は気付かなかったのか。観客で気
 付いている人がいるというのに。

 ガルサの肘打ちを見れなかったことに加えて、
   
1)4Rの終了ゴングがなっているのに、それに気付かない選手を
 割って止めに入らない。「ラウンド終了ゴングがなっているよ」
 と仕草はしているが、なぜ止めにはいらないのか。
 結局、選手が気付きコーナーに戻るが、その数秒間で、榎は
 ガルサのパンチをもらっている。
 採点には響かないとしても、榎のダメージは蓄積される。
      
2)6R(2:25)ガルサが榎の後頭部を叩いたのに、レフリー
 は気付かない。しっかり見える位置にいる。

 どう考えても、今回の試合のレフリングには疑問があります。
 反則を全く見れない。とっさの判断が鈍い。

選手はプロとして闘っています。レフリーや審判もプロです。
選手はリングで人生と命をかけて戦っています。
その試合を裁くのが、レフリーと審判です。その重みとプロ
意識が低いと思います。裁く試合数が多いからと、ただこなす
だけになっていないでしょうか。
もっと1試合1試合、選手一人一人の想い、夢、人生、命が
かかっている試合を裁くのだという意識をもってください。


以上。