HARD BLOW !

地上波TV局に迎合した、年末の興行集中はいいかげんやめるべき

皆様あけましておめでとうございます。

というわけでいきなり本題、タイトルの通りであります。

昨年の大晦日、私は夕方ザッピングしながらストリーミングでUFCと田中恒成の世界戦を見て、夜は京都と東京の世界戦中継をこれも録画しつつザッピングで鑑賞。その前日は井上×河野と八重樫×サマートレック戦がございました。4団体加入で劇的に増えたとはいえ、ボクシングにとっては一番のビッグイベントである世界戦をなんでまた同じ国内でここまで密集して行う必要があるのでありましょうや?大森将兵選手と井上拓真選手がWBOのタパレス選手を取り合って、結局両方試合ができないなどの興行集中による弊害も出ております。ギャラがつりあがって外国人選手は喜んでるかも知れませんが不健全ですよね。

一試合あたり報道の量は減るし、注目度はそがれるし、生観戦派は重複する試合が見れないしファンにとってはあんまりメリットが無いように思います。

それとTBSの中継は、人気選手がオフシーズンの小遣い稼ぎでやってるバラエティ企画とボクシングの試合をシームレスに中継するという構成が最悪の一語でありました。殊勲の戴冠となった小國選手の試合は、中継時間の告知すらなく、放送が始まったのは日付が変わろうかという真夜中。しかも内山選手の試合と放送時間がドン被りという最悪ぶり。数少ないボクシングファンを奪い合ってなんか意味があるんでしょうか?現場目線で言えば、年末のTBSが中継する興行はテレビ中継のスケジュールに合わせる為に、毎年毎年現場は阿鼻叫喚の休憩地獄。チケット買って観戦してる客を舐めております。

しかも、そこまでやってるのに、TBSは視聴率的にも惨敗(同時間帯全国ネットキー局最低)だったそうで、一体あんな中継スタイルにしたことに何か意味があったんでしょうかね?普通に『何時から何時はボクシング』で中継しろよ...。かつて日本の陸連が、TBSが世界陸上の中継で選手を珍奇なニックネームで呼ぶことに抗議したことがございましたが、JBCもちょっとああいう中継スタイルには一言あってもいいんじゃないでしょうかね?

テレビ中継があるならなんでもいいという節操の無い態度ではろくなことにならんと思うのですが...。

というわけで今年も陰気な記事から始まりましたが、この感じでボチボチやります。よろしくお願いします。

年末は田中恒成の試合が一番良かったと感じる(旧徳山と長谷川が好きです)

WBFタイトルマッチの余波色々 西日本協会は緊急理事会を召集し引き締め&組織防衛!

さてさて試合後一ヶ月が経過しましたが、採点を巡るゴタゴタも含めて紛糾が止まない、山口賢一VS小林健太郎のWBFスーパーバンタム級タイトルマッチ。

当方も記事でお伝えしたとおり、一旦は小林選手の負傷判定勝ちが宣されたものの、本来採点に含まれるはずのストップされた9ラウンドの採点が含まれていないことが発覚し、結果はドローであるという訂正がWBFより出されました。

このことは試合レポートの記事で触れましたが(記事へのリンク→本邦初!WBFタイトルマッチリポート 山口賢一VS小林健太郎)、会場でも試合直後から「9Rでストップなのになぜに80点満点なの?」と言う疑問は出ており、私を含めてリングサイドの役員席でジャッジペーパーを見ながらそのことを質問している方が何人かいました。

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ですがその場でWBFの立会人ゴールドバーグ会長が「WBFルールではストップのラウンドは含めない」と明言したため、それが正しいかと思っていたのですが、なんとその後山口選手陣営がWBFルールを参照すると「ストップのラウンドを含める」と銘記してあることが発覚。

当ブログでも、WBFのHPに掲載されているルールブックを調べた読者の方から、「ルールと裁定に齟齬がある旨」ご指摘を頂いておりました。

問題の9Rはそこまで一点差だった川端ジャッジが山口選手優勢につけていたため、同点となり結果三者三様のドローとなるのがルール上正しいわけですが、この試合は実質的には山口選手サイドが仕切っている興行ではあるわけで、裁定がくつがえった経緯について小林選手サイドが不信感をもつのも、まあ止む無いところかな?とは感じます。とはいえルールブックどおりではあるわけで、一番の責任があるのはルールを把握していなかった立会人であろうと思います。

このことを受けて感じたのは「やはり競技を統括・運営するプロフェッショナルなコミッションが必要だな」ということでした。トラブルの原因自体は亀田大毅×リボリオ・ソリス戦後のゴタゴタと同じ、立会人がルールを把握せず間違った発表をしたことです。ルールブックをしっかり読み込んで、理解している人間がその場で訂正できていれば起こり得ないトラブルであり、JBCが関与してる興行でも同趣旨のトラブルが発生してることを見れば、JBCの関与自体の有無は本質でないと思います。

はたして再戦は組まれるのか?ですが、個人的には試合はアクションに満ち、噛み合った好試合でしたし、内容自体も拮抗していたのでもう一回見てみたいなと思っています。小林選手陣営からすれば裁定が覆ったことに不信感はあるかと思いますが、山口選手にしたところで引退をかけた試合でこのようなトラブルが起きたことは意図せざるものであり、彼自身もまた被害者です。双方のファンにとっても再戦は望むところだと思うのですが…。なりゆきを見守りたいと思います。

試合後の反響のほうでありますが、専門誌は黙殺かと思いきや、ボクシングビート誌が短信欄とコラム(執筆は編集者か?)で試合に触れており大変驚きました。文中では日本IBFにも触れられており、「JBCが統括していようがいまいがボクシングはボクシングである」というビート誌の専門誌としての矜持は感じられるものでした。ただ試合内容について論評していないのは「逃げているな」とも感じました。ビート誌は果たしてあの試合のクオリティや会場の盛り上がりをいかに評価されたのでありましょうか?日々の興行を「勝った負けた」と報じてるだけでは広報誌となんら変わりません。試合に関する批評があってこその専門誌ではないでしょうか?

ついでにジャッジ・レフェリーは元JBC所属のランカーやチャンピオンであるのに「経歴不肖な人」みたいな感じで書いてるのもミスリードなんじゃないの?と感じました。ジャッジやレフェリーについて疑問に感じたことがあれば、それぞれのジムや個人の携帯に電話すれば済む話で、専門誌のコネクションや実績があれば簡単なはずです。

立会人の誤発表によるトラブルも、先述のとおり亀田大毅VSリボリオ・ソリスで発生しており、JBCの不在やマイナー団体であるが故の問題点でもありません。

せっかく取り上げているのに残念だなと感じました。

もうひとつ、意外なところでは人気バラエティ番組でこの興行の様子が伝えられました。

関西発の人気番組として有名な「探偵ナイトスクープ」の撮影チームがアンダーカードに出場した磯道鉄平選手に密着しており(『磯道選手の8歳のご子息が試合でセコンドに付く』という内容)、興行の様子がかなり時間を割いて伝えられました。タイトルマッチすら深夜にローカルでと言うご時勢ですから、全国放送の高視聴率番組で取り上げられることは、大きな波及効果があるかと思います。番組の作り自体も、バラエティ特有の演出はあるものの、JBC非公認の興行であるがプロボクシングであるということをきちんと伝えており、シリアスなボクシングとしての迫力は充分伝わるものでした。対戦相手の小沢大将選手やクレイジーキム会長、山口選手も登場するのでボクシングファンの皆様は是非ごらんになって頂きたいと思います。ネット局では、これから放送と言うところもあるようです。(各局放送時間へのリンク

大きな声じゃ言えないですが、あの有名動画サイトで見れるような話もチラホラと…。私も久々にあの番組見てみたら新鮮でした。越前屋俵太はもう出てないの?北野誠は?

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磯道選手が普段練習してるジムが、メチャクチャ広くてきれいで設備も立派で印象的でした。JPBA加盟か非加盟かなんてことは練習環境には何の関係もないんですよね~。実際普段はJPBA非加盟ジムで練習してるプロ選手は沢山います。

試合前には全国紙の朝日新聞や大阪の地方紙大阪日日新聞が、写真入りで大きな記事も掲載しており、関西の標準的な興行やタイトルマッチよりよっぽど注目度やメデイアの露出も多かったと思います。ただ試合結果だけがスポーツ面で報じられない。BOXRECにレコードも反映されない。ここが問題になっていると思います。

この他、試合後の余波としては、何をおいても一番大きなリアクションがあったのは、JPBAの西日本協会からのものでした。試合後になんと臨時理事会を召集し「今後非加盟ジムによる興行に参加したものは厳しく処分する」「引退選手であれば復帰は認めない」という議決をし、併せてこの日の興行に観客として来ていた選手やトレーナーと言ったライセンス保持者の極く一部を槍玉に上げてジムの会長を通じて「厳重な注意」をしたと言うことをわざわざ議事録に記載したというじゃありませんか。

さらに、この興行に選手を出場させたり、オフィシャルを派遣したりといった協力をした元プロ・OBの皆さんに対しても「今後は協力するな」という抗議があったのだとか。

この話を聞いたときに私には意味が良く分かりませんでした。というのは試合会場には多くのライセンス保持者が観戦に来ていましたし、試合前に同じリングで行われていたスパーリング大会には山口選手の古巣の大阪帝拳をはじめ多くのJPBA加盟ジムの練習生が参加していたからです。会場に来ていたライセンス保持者の中から一部の人間だけをクローズアップして、理事会の場で所属先の会長を吊るし上げると言うのも不公平ですし、「あんな興行にかかわるなよ!」と言ってる理事のやってるジムが、同じ会場の同じリングで同じ主催者がやってるスパーリング大会に練習生を参加させているというのは悪い冗談であります。

この試合を巡っては試合前から、JPBA西日本協会が事情聴取を名目に山口選手を呼び出すなど興行への妨害ともとれることが行われました。そもそもJBCやJPBAがボクシング興行を独占する法的な根拠はないですし、個人的な交友の中で観戦に行くことすら制限するというのは個人の日常生活や内心の自由への干渉であり、大きなお世話としか言いようのないものです。むしろJPBAのボクシング興行と競合するものを見ることは勉強や研究として有意義だと思うのですが。

そもそもこのゴタゴタにはもともとの原因があります。

昨年山口選手はフィリピンで試合に勝ってOPBFランキングに復帰した上で、フィリピンの国営コミッションであるGABAのライセンスを取得し、輸入ボクサーと言う形で、日本国内でOPBFタイトルマッチに出場できないか?ということをJBCに打診しています。しかしJBCとしてはそれを認めず、かつての所属先である大阪帝拳ジムに許可を求めた上で移籍して他のジムに所属せよという指示を出しましたが、移籍交渉は決裂し試合自体が幻に終わりました。

その帰結として山口選手が選択したのが今回のWBFタイトルマッチだったということです。

JBC統括下の試合は移籍しないと認めない。でも移籍はさせん。でも未公認タイトルも許さん。でも選手契約が永遠に続くことにも興行の独占にも法的な根拠はないよ。JPBAの制度が嫌で一度足抜けしたら政治力使って孤立させて、プロボクシングと名のつくことはさせへんで。タクシー強盗して6年半刑務所に入っていた選手のライセンスはすぐ出るけれど、JPBA以外でプロ興行やったら永久追放やと。なんですか、これ?どこの未開社会?と言う話であります。


そもそも現在のクラブ制度の下では、選手は会長と対立したりトレーナーと合わなかったりしても移籍すらままならず、飼い殺しになるといのはJPBA側の制度の問題であります。そうした選手に対して「マネージャーも練習環境も自分で選んでプロとして試合が出来るよ」という『道』が提示されれば、JBC・JPBAから抜け出してやろうという選手が出てくるのも当然です。

JBC・JPBAが現行の不合理な制度を改革しない限り、このような動きは決して止まないと思います。JPBAに加盟せねばプロボクシングは出来ぬと言う時代ではもはやないのです。

なにより一部のクラブオーナーの権益だけが過剰に保護された今の制度では、大半の選手もトレーナーも使い捨ててで終わってしまうことになると思います。

そんなプロボクシング界でいいんでしょうかね?

というわけでこの試合ますます余波を生みそうであります。再戦があるのか?も含め今後も動きがあり次第レポートしていきます。

IBF総会に行った人から話を色々聞いて面白かった(旧徳山と長谷川が好きです)

『先駆者 山口賢一』 WBFタイトルマッチの意義

WBFポスター


 先日行われた、水泳の日本選手権は大きな話題となりました。オリンピックの選考会も兼ねるこの大会は、国民的な注目の中で行われ、分けても自らの去就をかけて出場した北島康介選手の動向は、一挙手一投足に至るまでメデイアに取り上げられる事態となりました。

 北島選手は決勝で2位に入賞するも、派遣標準記録は突破出来ずオリンピック選考は落選し、レース後現役引退を表明しました。

 この、「北島をオリンピックに派遣せず」という水泳連盟の裁定に対して、結構な数の抗議電話が来たのだそうであります。水連にしたところで、コカコーラという大スポンサーがついていてメデイアの注目度も高い北島をオリンピックに派遣することは多大なメリットがあったことでありましょう。ですがそれをしなかった。そのことの背景には、実はかつての水泳界のスター、千葉すず選手の影響があるというのであります。

 文芸春秋のスポーツ雑誌ナンバーのWebに掲載された生島淳さんの筆による、以下の記事をご覧ください。
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 北島康介の落選と、千葉すずの遺産。 基準を明快に運用した水連に拍手を。

 千葉すずのシドニーオリンピック落選に絡むスイスのスポーツ仲裁裁判所を舞台にした法廷闘争の結果、水泳連盟の選考基準は明文化・明確化され、クリアになったというのであります。

 実はCSAの仲裁を受けるには莫大な訴訟費用がかかります。そうした障害を乗り越えてでも白黒をつけた千葉選手の強い意志の力は、その高い競技力の源でもなかったのか?と今となっては思います。

 私も当時の選考を巡る千葉と水連の闘争は覚えております。シドニーの前の、アトランタオリンピックで日本の水泳選手団がメダルを逃した後、謝罪めいたこと言わなかったことで批判が集中し、半ば戦犯扱いされた千葉選手。シドニーでの落選は、その時の水連との確執が背景にあることは明らかでありました。

 当時JOC会長を経て水連のトップだった古橋廣之進は、選考の不公正を指弾する千葉の行動を利己主義だと批判し、「水泳は団体競技だ」と開き直る『老害』ぶりを発揮いたしました。もちろん競泳はリレーやシンクロ以外は個人競技です。

 我侭勝手の秩序破壊者だと言われた千葉選手の行動が、15年経ってみれば実は水泳競技のレベルアップや選考の透明化・平等化という功績となって現れたのであります。

 とかく日本のスポーツ界は村社会であり、既得権者に逆らったり、明らかに不合理なものでも業界慣習を批判したり、前例を踏襲しなかったりする人は『問題児』として指弾されます。

 今じゃ偉人みたいな扱いになってる野茂英雄だって実際にメジャーで活躍するまでは、育ててもらった日本の野球界を裏切った我侭な恩知らずで、フォームも変則だから活躍できるはずはない、等々とムチャクチャに批判されました。ですが、結果的に彼が開けた、アリの一穴が日本の野球界に風穴を開け、業界の構造すら変えてしまうようなダイナミックな変化を引き起こし、競技のレベルアップにもつながりました。

 プロボクシング界は未だ不透明で閉鎖的な商習慣や選手契約が横行し、タイトルへの挑戦もテレビ局と結びついた一部の特権的なプロモーターが独占している状態です。

 そんな閉鎖的な日本のジム制度を飛び出して、オーストラリア、フィリピン、メキシコと道なき道を進んできた世界を舞台に戦って来た山口賢一選手のひとつの到達点が明日のWBFタイトルマッチです。

 「マイナータイトルじゃないか」と冷笑する事は簡単です。ですが一選手が自力でここまで到達したケースすら、日本のボクシング界には未だなかった。山口賢一は自分の意志でJBCとJPBAの外に出て、自分のやり方で自分の力で自分が戦う舞台を作った国内で初めての選手なのです。

 千人規模の会場で行われる小さな興行で、マスメデイアもボクシング雑誌も、評論家も誰も取り上げないかも知れませんが、きっとこの興行は日本プロボクシング界の未来に向かって蒔かれた種になると自分は思っています。

 「プリンス論」読んだ直後にプリンスが亡くなって驚いた(旧徳山と長谷川が好きです)

もう一度世界へ 大沢宏晋フィリピンの戦い

大沢 ポスター

 
 当HARD BLOW!では、JBC裁判に絡んで再三取り上げて参りました大沢宏晋選手。最新の世界ランキングはWBOフェザー級4位まで上昇してきました。その彼がフィリピンのセブ島でWBOの地域タイトルマッチに挑みます。

 一部JBC職員の私利私欲による不毛な人事抗争の影響を受けて、明らかにバランスを欠いたサスペンドを受けて、キャリア絶頂期の一年間を棒に振った彼が、もう一度世界のトップランカーへと帰って来ました。

 彼の受けたサスペンドのおかしさについては、過去記事をご参照ください。

 どう考えてもおかしい大沢宏晋選手のサスペンドについて

 前提が崩れた大沢選手のサスペンド

 繰り返しになるので詳しくは書きませんが、未承認のタイトルマッチを海外で行った選手は沢山いるのに、なぜか異常に厳しい処分を受けた大沢選手。これは単に安河内剛氏と谷川俊規氏をJBCから排除する名目として、一部のJBC職員が彼の試合を利用した事件に過ぎません。

 JBCの職員が私利私欲のためにボクサーのキャリアを台無しにしかねない不当な処分を行ったのです。

 そもそも、JBCはすでに谷川氏と和解しており、懲戒解雇はおろか通常解雇すら取り消しています。 大沢選手のタイトルマッチに絡んで解雇された谷川氏と和解したということは、解雇の理由も無くなったということです。

 にもかかわらずJBCは大沢選手に対して謝罪はおろか、処分の撤回すらしていません。

 亀田選手を虚言で中傷して敗訴が確定した職員も普通に仕事に復帰しているそうですが、まっことJBCの出鱈目さは枚挙に暇がございません。

 さて本題です。

WBO5位の大沢宏晋、フィリピンで地域王座戦

 キャリアハイの状態で不当なサスペンドを受け、ランキングも一から出直しとなった彼は、それでも腐ることなく試合を続け、復帰後は全てKOで6連勝。ひとつの敗戦で輝きを失っていくボクサー、ランキングを上げてもなかなかビッグチャンスが来ずモチベーションを切らせていくボクサーも数多いる中で、もう一度世界のトップ戦線に返り咲いた彼の意志の強さは特筆するべきものがあると思います。

 彼の苦難が報われる日が来て欲しい、来ないとおかしいだろと私は思います。

 海外の試合ではありますが、スッキリと勝って更にランキングを上げ、チャンスをつかんで欲しいと切に願います。

 4月2日朗報を待ちたいと思います。

 4月はもうひとつ気になる試合がある(旧徳山と長谷川が好きです)

 

業界のタブー?

昨年末お笑い芸人が学校の校舎に忍び込んで女学生の制服を泥棒したというニュースで驚いていたら、年が明けたらハーフタレントがパブリックイメージと真逆の不倫騒動を起こし(どうでもいいですが『卒論』じゃなくて『中退届』じゃないの?と思えてなりません)、それで「へー」と驚いてたら、今度は大手芸能プロのアイドルグループが独立・解散騒動と、芸能ニュースで大ネタが相次いでおります。

当初日刊スポーツがスクープと言う形でスッパ抜いた『独立問題』ですが、出遅れた他のスポーツ紙は「独立すれば干されることは必至」「独立は芸能界ではタブー」と言った具合に軒並み事務所サイドのスピンコントロールにまんまと乗せられているような感じでございます。まあ今後の付き合い考えたら事務所サイドの肩持った方がいいんでしょうね。

あのグループの計上する売り上げは一説には年間200億円超とも試算されており、それがかれこれ15年ほど続いていると推測されますからなんだかんだで3000億!そんだけ事務所に貢献しても、独立しようとしたら「タブーを犯した」「恩知らず」「干されてもしらねーぞ」と言われるなんて、まるで江戸時代の年季奉公のようであります。

ミュージシャンや俳優が自分が仕事しやすい環境を求めて、信頼できるスタッフと独立していくのはごく自然なことだと思うのですが、なんでこうまで異常事態といわれてしまうのでありましょうか?

まして合法的に契約関係を解消したあと、政治力を使って仕事を妨害するような陰湿な行為を批判することなく、「干されて仕事がなくなるよ!どうするの?」てな具合に書いてるスポーツ紙の記者には呆れてしまいます。

日本の社会と言うのは個人に冷たく組織に甘いなあと再認識致しました。

とはいえ当事者の彼らは年収が億単位と言う、比較的恵まれた立場ではありますし、戦う手段もまだあるでしょう。

でまたもボクシング界の話であります。

『移籍はタブー』どころか「引退しようとしたら妨害された」とか、逆に「その気も無いのに引退させられた」なんて話も聞きます。
全てはジムの会長の胸先三寸です。
現役中にジムを持つのはご法度だし、マネジメントはクラブオーナーしかできないルールです。

以下は私が選手本人または選手に近い方から聞いた実例です。

A選手のケース

チャレンジャーとしてタイトル挑戦が決まっていたA選手ですが練習中に怪我をしてしまいました。やむを得ず試合をキャンセルしましたが、ジムの会長は彼に「ジムが損害を蒙ったから金を払え」と要求。キャンセルの時点で試合までは一ヶ月以上あり、損害の根拠も判然としないのですが結局彼は会長の要求する金額を支払ったそうです。ファイトマネーが入ってこない上に金までとられては信頼関係など成立しないのではないでしょうか?

B選手のケース

請われて出稽古に行った先であるランカーとの対戦をオファーされたA級ボクサーのB選手。対戦相手は注目選手ですがなかなか相手が決まらず難渋していたということで、興行のメインで20万円のファイトマネーを提案されます。早速ジムに帰って会長に報告すると対戦を了承されます。しかし後日会長から「ファイトマネーは10万円だ」と言われます。B選手は「それはおかしいでしょ!この試合は会長に関係ないところで僕が持ってきた話で金額も僕が交渉したんですよ。それがなんで半分になるんですか?」と抗議。半分の10万円を会長が抜いていることは明らかでありました。するとその会長は怒り出し「お前がそういう態度なら、もうこの話は無しだ!」と相手方に勝手に断りを入れ、試合自体が消滅してしまいました。

結構この手の話はあるんでしょうかね?

大手でも世界チャンピオンになってもバイトがやめられないとか、夜な夜な会長の奥さんが宗教の勧誘にやってくるなんてジムもあるようでございます。

クラブオーナーがマネジメントとプロモーターを兼ねる現在の日本の業界慣習ではグローバルビジネスになったボクシング界に打って出ることは出来ないのではないか?と思えてなりません。

昨年は日本ランカーが一般の方に暴行して逮捕されると言う事件も起きました。勿論本人の責任も重いですが、マネジメント側がキャリアに応じた目標設定をしなかったことで、選手のモチベーションを保てなかったことも遠因ではないのかと思えます。マネジメントする側もプロとして選手がボクシングに集中して情熱を燃やせるような環境をつくる努力を怠ってはならないのではないでしょうか?

WOZジムの大森選手にしても、リスキーなマッチメイクで試合を落としたのに、会長が「未熟。一番警戒していたパンチをもらう。ただの未熟。調子に乗っていた。てんぐになってた部分はあるやろうし」と梯子を外してしまう。そうじゃないでしょ、試合を組んだのはあなたでしょ、と。

一昨年の和気選手のトラブルの時も書きましたが、この業界なんかあったら選手のせいという安易な総括がちと多すぎやせんでしょうかね?

奇妙な因習はなくなって欲しい(旧徳山と長谷川が好きです)