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HARD BLOW !

全ては山口賢一から始まった 映画「破天荒ボクサー」初日レポート

久々の更新であります。コメントの反映も遅くなり申し訳ありません。

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破天荒2_R


本日は当ブログでもすっかりお馴染み、日本ボクシング界の革命児にして改革者である山口賢一氏(以下ヤマケンさん)のドキュメンタリー映画「破天荒ボクサー」の公開初日でありました。

ヤマケンさんと当ブログのお付き合いもなんだかんだで4年弱。バイタリティに溢れいつでも新しいことにチャレンジをしている彼は、常に話題を提供してくれます。

山口賢一についての過去記事はこちらから
          ↓
インタビューでは独特の感性でボクシング界を渡ってきた波乱のキャリアと様々な爆笑のエピソードを伺い
イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートPart1                         
イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートPart2 
イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートpart3
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イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートpart5 完結編

レジェンドボクサー、ギジェルモ・リゴンドーともまさかの邂逅
レジェンドが来た!ギレルモ・リゴンドー接近遭遇レポートin大阪天神ジム

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そして日本ではタブーとされていたプロボクシング自主興行
JBCだけがプロボクシングにあらず 5.3観戦記
JBCだけがボクシングにあらず 11/5 WBFアジアタイトルマッチ

まさに『ヤマケンの動くところ事件あり』であります。

現在はジムオーナー兼マネージャーとして多くの日本人ボクサーを育成しアジアに送り出しながら、プロモーターとして自前の興行もこなし、愛知県の高校でボクシング部のコーチもしつつ映画まで作ってしまったヤマケンさん。

本日公開された武田倫和監督「破天荒ボクサー」( →公式サイト)はそんなヤマケンさんの目まぐるしい日常に密着したドキュメンタリー作品であり、クライマックスは2016年のWBFタイトルマッチになっています。そこにたどり着くまでの紆余曲折や、日本のプロボクシングが抱える問題点、ファンにはなかなか窺い知れないプロボクサーの行動原理などが良く分かる作品となっています。

映画『破天荒ボクサー』予告編動画
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公開初日の劇場は補助イスと立ち見も出る盛況で、入場できなかった人も出たそうです。

破天荒3_R

上映後は舞台挨拶とトークもあり、東京五輪を目指す高山勝成選手も登場。客席から中出博啓トレーナーもマイクを握ってコメントしました。

破天荒 4_R


映画タイトルには「破天荒」とありますが、自分にとってヤマケンさんは海外に飛び出してメジャー4団体加盟を促進し、閉鎖的なクラブ制度の非合理性を行動で指摘し、プロ選手の五輪参加への道筋をつけた理論と行動のバランスのとれた実践家でもあります。そして義理堅く、細やかで人間味がある人でもあります。山口賢一の魅力が映画を通して伝わることを祈っております。

来週末は岡山に遠征する(旧徳山と長谷川が好きです)

山根明会長に退任要求!どうなる日本ボクシング連盟

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日本国内のオリンピックボクシングを統括する、日本ボクシング連盟で長らく強権を振るってきた山根明会長に対して、地方の組織から退任要求が突きつけられました。

はたして今後事態はどのように進展するのでしょうか?文書中で言及されている『不正経理』とは果たして何を意味するのでしょうか?

今後も進展があり次第、経過をお伝えして行きます。

文責 旧徳山と長谷川が好きです

トップ主導の不当判定は存在するのか?!『日本ボクシング連盟問題』再び 澤谷廣典インタビュー

(本記事中はプロボクシングと峻別する為に、日本ボクシング連盟(以下日連)が統括するオリンピックボクシングを『アマチュアボクシング』または『アマ』と表記しています)

元近畿大学ボクシング部総監督、澤谷廣典氏のインタビューの続きです。

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前回は日連会長山根明氏による、個人支配の弊害と特定コーチ(元WBAスーパーフライ級チャンピオン名城信男氏)へのパワハラ問題について生々しい体験談を伺いましたが、今回はアマチュアボクシング界で長らくくすぶる、採点・判定の問題についてです。

この問題は、プロアマを問わずボクシングに常についてまわる永遠のテーマであり、昨年の澤谷氏インタビューでも触れましたが、今回はより詳細な体験談をお届けします。以下に語られるのはあくまで澤谷氏の主観的な体験談であり、事実かどうかの判断は読者に委ねますが、山根氏の側近だった人物による実名での告白は大変に重いものであることをご承知おき頂きたいと思います。様々なご意見はあるかと思いますが、命がけで戦う選手のためにも、競技の運営には一点の曇りもあってはならないと考えあえて公開いたします。もとより個々の選手個人を貶めたり批判したりする目的の記事ではありません。

記事本文中の人物名は一部を除いて匿名表記とし、以下に登場人物を整理して置きます。文中の敬称は澤谷氏の実際の発言に準拠し、あったりなかったりしますが他意はございません。(澤谷氏の発言は全て赤文字です)

山根明氏…日連会長
山根昌守氏…山根明氏の実子で日連理事
A君…2015年インターハイ奈良県代表選手
B君…2015年インターハイ東京都代表選手
C氏…ボクシング名門校H高校とN大学の監督
D氏…兵庫県のT高校の監督
E君…2015年インターハイ宮崎代表選手で後に近畿大学に進学
F氏…奈良O高校の監督
G氏…宮崎N高校の監督
I君…近畿大学の選手から後に大学中退してプロ転向
J君…近畿大学の選手
K氏…元オリンピック選手の役員
L氏…芦屋大学の監督
佐々木君…2016年岩手国体岩手県代表佐々木康太選手


2015年の兵庫のインターハイで、準決勝で当ったのが山根明の息子の昌守が連盟の会長をやってる奈良県のA君、もう一人が東京のB君でした。B君が所属するH高校のC監督はボクシングの名門N大学の監督と兼任です。その試合の時期のC監督は、山根の付き人的なポジションだった自分の後輩を自分の学校のコーチにしようとして山根の逆鱗に触れて、冷や飯を食わされてる状態でした。

この試合は誰が見ても、H高校のB君の勝ちと言う内容でしたが、判定は2-1で奈良のA君の勝ちになりました。判定が出た瞬間B君の母親は会場で「どこ見てんだよ!」と叫んで激怒して、山根の腰巾着連中に場外に連れ出されて会場は異様な雰囲気になりました。その採点結果を聞いた瞬間、C監督が「ああ」とうめいて仰け反ったのを見た山根は「C監督が負けの判定聞いて不貞腐れた」と理由をつけて、のちに処分してます。

こんときの2-1判定の、B君の勝ちにつけたのが、兵庫のT高校のDという先生です。その日の晩ですわ。私と山根がホテルの部屋で一緒におるときにDが山根に呼び出されました。部屋におったのは私と山根とDの3人だけです。Dが部屋に入ってくると山根は「オイコラDよ!」と言う感じで「おれがC監督を干しとるのに、何をアイツの生徒に点を入れとるねん!今度やったらオドレ処分やぞ!わかっとるんか!」と恫喝しよった。

確かにD先生はC監督の弟分みたいな関係ではあるんですけど、その時はまともな採点しとるのに「俺が干しとるCの選手に入れるとはどういうつもりや!今度やったら処分やぞ!」と激怒して、脅し上げたわけです。

で次の決勝は準決勝ったA君と宮崎のN高校のE君。このEは決勝の時点で近畿大学に来ることは決まってました。すでに選抜も取ってるし、高校チャンピオンクラスです。そのEが試合前に挨拶に来よったから、前日のこともあるし「ええかEよ、KOせいよ。ダウンとらな勝たれへんぞ」と言うて「分かってます」と話して送り出した。そしたら、3Rたいがいドツキまわしたのに判定は2-1でまたA。ちなみにEに入れた審判は栃木の近大のOBですわ。とはいえ試合内容はEが圧倒してたと思います。

試合が終わったらAを教えてる奈良の高校の監督のF先生が私のとこ来て、Eが近大来るの知ってるから「先生すいません、完敗です」言うて頭下げはった。F先生は潔く負けを認めたわけです。それ見たら「ああF先生もつらいねんな、大変やな」と思って。でも一番かわいそうなのは負けてるのに手が上がってるA本人ですよ。負けたN高校のG監督も私のところに来て「Eをインターハイチャンピオンにして近畿大学さんにお預けしようと思ってたのにすいません。でもいくらなんでもアレはないでしょ」と言わはったわけです。それでこっちも「いや今F監督が来て『うちの完敗です』と言うて頭下げてくれたで」というて溜飲さげてもらうかしかなかったわけ。

それで時が流れてEが大学に入って、一年からレギュラーになって最初のリーグ戦。このときは錚々たるメンバーがそろっとった。そのなかにIと言うのがおった。このIが芦屋大学との対戦で一試合でダウンを二回取ってるわけです。このときのレフェリーがインターハイの時ホテルで山根に恫喝されたD先生ですわ。この時DはIがニュートラルコーナーに戻ってへんいうて「コーナーに戻れ!戻れ!」とやって時間稼ぎしてなかなかカウントせんかった。それを見て、恫喝されたDの辛さもよお分かりました。で、その挙句二回ダウンとってるのに2-1で判定負けにされた。

結果としてIはその試合のあと「先生、俺もうアマはいいですわ。今までお世話になりましたがプロになります」と言うて来た。結局プロ転向ですわ。「言いたいことは分かっとるがな。俺らの力がないから、大人がしっかりしてへんからこうなったんや。堪忍してくれよ」というて引き止めたけど、授業料も免除して生活費も渡して手塩にかけてきた選手が、中退という形で大学を辞めてしまった…。

その日はもう一つおかしなレフェリングがあったんです。Iのあとに試合をした近大のJが芦屋大学の選手を1Rから一方的に攻めまくって相手はフラフラやったんですが、レフェリーやってた元オリンピック選手のKさんが一向にダウンをとらへん。そんときはたまたま、山根昌守が娘婿の鈴木監督のリーグ戦の初陣やったから近畿大学側の私の横に座っておったわけです。昌守にしたら近大が一方的やのにダウンとらへんから、苛立ってたんでしょうね。突然立ち上がって大声で「おい!」と審判にアピールした。そしたら本部席におった親父の山根もさすがにまずいと思ったかワーワー言い出しよった。そしたら芦屋大学のL監督がすぐにタオル投げて、そこで即ストップですわ。そのあと山根はみんなが見てる前で、レフェリーのKのことを「なんでダウンとらんねや」とボロカスに叱責してました。でも私らにしたらKたち関東の審判は、芦屋大を勝たせるために呼ばれてて、山根の意向でダウンとらへんかっただけやねんから、なんであんな怒られなアカンねやと思いました。

それからしばらくして九州の仲のいい役員と会場で会った時に、冗談めかして「魂売って芦屋大学勝たせにきてる審判とは話せんぞ」言うてかましたったら「勘弁して下さいよ~」いうて困ってるから「お前らも会長の為に芦屋勝たせなイカンから大変やな」っていうたら「さすが良く分かってますね」って言いよりましたわ。「Kさんはどないしてるの?」って聞いたら「あの人がレフェリーで呼ばれることはもうないでしょう」と。

それから、Iが中退してリーグ戦が終わったあと大阪学生選手権というのがありまして、そこでは1年生のEがリーグ戦の鬱憤晴らすような圧倒的な内容で優勝しました。ところが優勝したEに「良くやったな」と声かけたら、Eは「先生これでボクシング辞めさせてください」と言ってきたんです。こっちにしたら「お前優勝して何を言うとるねん」という話じゃないないですか。「何があったか言うてみろ」と聞いたら「正直ずっと尾を引いてたんですが、去年のインターハイの決勝での判定負けからボクシングが嫌になってました。とってもらえたので大学には来ましたけど、どうしても熱が入らないんです」と。だから私は「それやったら、気持ちが充実するまで休んでええから」というて休部扱いにして「試合出て来い」「練習出て来い」ということをせんと休ませたんです。そうやってゆっくり時間かけてEの気力が充実をするのを何ヶ月も待たなイカンようになりました。

今いうた子らはみんな、一回の不当判定で人生が変わってしもとるわけです。岩手国体での判定が新聞記事になった佐々木君なんかボクシングそのものをやめてしまったと言う風に聞いてます。今後もう二度とこういうことがあったらイカンのです。


記事

2016年10月7日 岩手日報紙の紙面より

こういうことが続くと、選手らだけやのうて役員同士、大人同士の関係もおかしなってくる。昨年のインタビューでも触れましたけど、今おもに三人の理事が審判を決めてますけど、この三人に逆らったら山根に告げ口されて処分されるというてビクビクしとるから、他の理事や審判との関係もギクシャクしてますよ。

そもそも、この三人も大半の理事も高校の教員なんですよ。教育者がそういうことをしとって平気なわけです。彼らも最初連盟に入ってきたときはそんなんではなかったはずですけど、長い年月でもう考え方が毒されてしまってる。

実際アマの大会見てるなかで、判定がおかしいと言ってる人は沢山いるでしょ?そこにメスをいれないと絶対に良くならないです。


いかかがでしょうか?私には迫真性に満ちた、当事者ならではの告白だと思います。澤谷氏が言及している岩手国体の試合は、動画サイトでも見れますが確かに不可解な判定です。



「アマではパンチ一発もダウンも採点上は一緒だから」という正当化の理屈も良く聞かれますが、そういう小理屈でおかしな判定を正当化している競技はIOCによって五輪から排除され、その結果国体から排除され、さらに一層マイナースポーツ化していくだけではないでしょうか?

外部の人間から見て明らかにおかしな運営がなされていることに危機感がないなら、アマチュアボクシングに未来はありません。憂いなく東京五輪を迎える為にも、組織の刷新は必須だと考えますが、関係者の皆様はいかがでしょうか?

澤谷氏の発言中にあるように、個々の選手にとって試合での勝敗は、競技生活にとどまらず進学や進路に大きく関わる問題です。幹部や役員のパワーゲームによってそれらが歪められているとしたら大変な問題です。公平な競争条件はスポーツの根幹ではないでしょうか?

外部にいる私に出来るのはここまでです。日々研鑽を積む選手のためにも、アマチュアボクシング界内部から正常化に向けて声を上げていただきたいと切に願います。

アマチュアボクシング界の自浄作用に期待したい(旧徳山と長谷川が好きです)

公正取引委員会がプロスポーツ選手契約の違法性を指摘 IOCがAIBAへの分配金の拠出を停止 等々

 今年のボクシングも年末二興行を残して、もうおしまいですね。

 今年ボクシング界は、プロ・アマともに旧来的な人脈支配や不合理な慣行による悪弊があらわになった年であったと思います。今年は当HARD BLOW!において、澤谷 廣典氏のインタビューを掲載するとともに、日本ボクシング連盟=オリンピックボクシングの問題点を指摘する記事を沢山掲載してきました。そこで感じたことはプロアマの抱えている問題は地続きで問題の根は同じだということです。

 不透明な人脈支配や不合理な商慣行、競争条件の不公平さ、選手の地位の低さ、などなど「これじゃ競技人口は増えないわ」と思うことばかり。そんなボクシング業界に僥倖となるような一つのニュースが報じられました。

 この記事の重大さが分かっているボクシング関係者、ファンははたしてどれくらいいるでしょうか?
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 公取委、契約慣行の違法性を指摘

 年の瀬も押し迫った12月27日、公正取引委員会が芸能人やプロスポーツ選手の契約制度について、画期的な見解を表明しました。いわゆる契約していたタレントや選手に対して、移籍後に活動を制限・妨害する行為は違法だとはっきり表明したのです。

 これにより選手の移籍を制限する法的な正当性は一切なくなりました。移籍が自由化されたということです。

 井岡選手も井岡ジムを離れてどこにでも移籍できる法的な自由が担保されたのです。

 これはプロボクシング界を支えたきた、クラブ制度や従来の商習慣についても重大な影響を及ぼすことになります。

 今年はボクシング界で選手契約を巡って様々な問題が起きました。日本を代表する現役チャンピオンである井岡一翔選手が、肉親の脱税事件に巻き込まれて試合枯れした挙句「引退するのでは?」というような話がまことしやかに流れております。これは、選手の望む移籍が出来ないゆえのトラブルであります。

 駿河ジム所属だった日本ランカー青木クリスチャーノ選手が、不可解なギブアップ負けをしたあと、近親者の方が「骨折しているのに所属ジムから『キャンセルすると高額の違約金がかかる』と言われて試合を強行された」とSNS上で暴露し(現在書き込みは削除済み)これも大問題になりました。青木選手は現在角海老宝石ジムに移籍していますが、このトラブルも周辺取材してみるとかなり信憑性が高いです。

 薬師寺ジム所属のマンモス和則選手が支払い額が二万円と書かれたファイトマネーの明細書を画像つきで公開し、その金額がルールに抵触するものだったことも大きな問題になりました。更にリング上で読みえ上げられた激励賞も受け取っていないということで、新人ボクサーにたいする厳しい搾取構造が浮き彫りになりました。→マンモス和則選手のツイート

 私は今までも
・激励賞を会長にとられた
・33%以上のコミッションをとられたので抗議したら試合を組んで貰えなくなった
・会場で「○○の月間賞の賞金が入ったらからこれから飲みに行こう」と某有名ジムの会長が大声で電話してた
・チケット売ったらタイトルマッチさせてやると言われたけどウソだった
・怪我でタイトルマッチをキャンセルしたら会長に「迷惑料50万よこせ」と言われた

などなど様々なボクサーのエピソードを聞いてきましたが、こんだけデタラメしててもダメなジムの会長の権益は強く守られて来ました。ですが、これからはデタラメな経営をしているジムから選手が移籍しても、法的には何の問題もないことを、国がお墨付きを与えたということです。

 井岡一翔選手!自由に移籍していいんですよ!引退なんかしなくていいんですよ!

 公取委の見解表明によって、ちゃんと規定のファイトマネーを現金で渡しているまともなジムに選手が集まり、選手を搾取しているブラックジムからは選手が流出してまもとな業界になる契機となることを、念じて止みません。

 当HARD BLOW!でもおなじみの元日本ランカーの斉藤司選手も、所属ジムの三谷大和ジムと待遇や報酬を巡って現在裁判となっていますが、今回の公取の見解を見れば訴訟の行方は火を見るより明らかでありましょう。ただ訴訟と言う手段をとれば、選手は貴重な現役時代に空白をつくることになります。

 そのためにはJBCや協会が、違法とならないような実効性のあるルール変更をする必要があります。

 JBC・JPBAのボクシング興行に改善が見られず不合理性や違法性が浮き彫りになれば、大阪天神ジムの山口賢一会長が現在JBCの枠外でやっているプロボクシング興行の優位性がより明確になります。実際彼の興行に参加する選手は増える一方なのです。草試合とバカにしてすむ段階ではもはやありません。

 この公取の違法認定と併せて、タイ人選手の招請禁止や練習生・4回戦選手の激減、ランカー・チャンピオンの高齢化などで来年はプロボクシング興行の根幹が揺らぐ年になると思います。

 今月号のボクシングビート誌に、今年引退した内山高志氏、三浦隆司氏、金子大樹氏三者の座談会の記事が掲載されていますが、近々ジムを開業する予定の内山氏はプロ加盟しない方針をその中で語っています。同じく名王者だった西岡利晃氏もプロ加盟はしていません。知名度があり加盟条件が優遇されている元スター選手がプロ加盟を避けているのいうのは、プロボクシング業界が稼げない世界になっているということの証左であり、名門ヨネクラジムの廃業などと並んで業界の沈滞の象徴であると思います。

 まともなビジネスに刷新する為には制度の変更は不可欠であります。

 一方アマ側に目を転じてみれば、更なる大ネタが発生しました。オリンピックの元締めであるIOCがオリンピックボクシングの統括機関であるAIBAへの分配金の拠出を停止したというのです。

 ロイターが配信した記事「IOCがAIBAへの資金拠出を停止」→IOC stops payments to boxing federation AIBA

 AIBAの財政はIOCからの分配金に依存しており、支払いのストップは大問題。そもそもこのIOCの声明はボクシングがオリンピックの正式競技から外される可能性を示唆しており、問題を放置すればAIBAの存亡に関わってきます。もはや、日本国内の国体の隔年開催なんかとは次元が違う大問題です。IOCのバッハ会長は、AIBAの財務や、競技におけるレフェリング・判定、アンチドーピングの姿勢に対して疑問があることを表明し、対策についてのレポートの提出を求めています。ここでIOCを満足させるような回答が出来なければ、最悪正式競技からの転落が待っています。AIBAの対応によっては「オリンピックボクシングは東京が最後」となりかねない状況であり、そうなればさらなる競技人口の流出は避けられません。アマチュアボクシングから人材の供給を受けてきたプロボクシングにとっても、重大な懸念材料となります。

 果たしてAIBAはIOCを納得させる方針を示せるのか?注視したいと思います。

 ボクシング界は相撲協会以下の人権状態だと考える(旧徳山と長谷川が好きです)
 

AIBA世界選手権 日本代表チーム瀬部勉監督の謎

唐突ですが、世の中にはどの時代にもある種の人がいます。TPOを問わず、時空の裂け目からひょっこりと出てきて、散々周囲の人を巻き込んだ上で、正体がばれて大騒ぎになる人。そう経歴詐称の人です。

物書きの世界でもそういう人は後を絶ちません。元グリーンベレーを自称していたけれど米軍の軍歴が無かったあの人、元警視庁刑事を自称してけれど交番のお巡りさんだったあの人、キックのチャンピオンや商社の社長だったと自称してるけど全く記録がなく、捏造記事で敗訴したあの人、などなど枚挙に暇がありません。

格闘技界では、元チャンピオンを自称して地方自治体の観光大使的なポジションについたあと、経歴詐称がバレて騒動になった人もいました。ことほど左様に、日本の社会は性善説で運営されており、身体検査というのは曖昧なもんでございます。本当に経歴詐称はケシカランですね!プンプン!

というわけで、ここで話題はガラリと変わります!

オリンピック競技のナショナルチームの監督と言うのは、一般的に物凄く重い仕事であります。実績・専門知識・人格、あらゆる要素を兼ね備え「あいつがやるなら、きっとうまく行くよ」と業界内の人が安心して代表チームを託せる、そんな心技体を兼ね備えた人物こそ、ナショナルチームの監督に相応しいと言えるでしょう。

先日終了した、アマチュアボクシングの最高峰イベント、AIBAの世界選手権で日本代表チームを託されたのは瀬部勉監督でありました。東京オリンピックを控えた日本ボクシング連盟(以下日連)が、満を持して抜擢した監督ですから、当然素晴らしい実績と指導技術や戦略を持っているはずです。果たしてどのような華麗な経歴を持っておられるのでしょうか?

瀬部監督就任を伝える日連のブログ記事
         ↓
AIBA世界選手権大会について①(お知らせ)

記事中の集合写真の後列中央、黒いジャケットの方が瀬部監督です

瀬部監督のブログには氏のプロフィ-ルが掲載されています。以下に引用いたします。

華麗なる経歴


1961年3月生まれ。 1983年、大阪体育大学体育学部体育学科卒業。
幼少の頃から武道や陸上競技に携わり、中・高・大学で陸上競技選手として活躍する。

実績として 
• 1982年 日本選手権 4×100mリレー優勝
• 同年 モスクワオリンピック最終選考会出場
   100mベストタイム 10秒43(公認記録)
 (引用以上)

うーむどうもボクシング出身ではなく、陸上選手だった人のようですね。ナショナルチームの監督と言うのは普通、斯界のトップを経験された方が務めるものの様な気がしますが…。元陸上選手にボクシング競技の監督が出来るものなのか…。不思議であります。まあしかし、経歴によると、日本選手権の4×100メートルリレーで優勝されたようなスポーツエリートでありますから、トレーニングやコンデイショニングについては学ぶところが多いのかもしれません。

ちなみに1982年の日本選手権のリレーの優勝チームはWikipediaによると、早稲田大学のチームで瀬部氏の出身校であるという大阪体育大学の名前はなぜか掲載されていません。当然メンバー名に瀬部氏の名前もありません。

リレー

誤情報が散見されると言うWikiでありますから、きっと何かの手違いでしょう。

もう一つ1982年に『モスクワオリンピックの最終選考会出場』とありますが、モスクワオリンピックは1980年です。本大会の後に行われたという選考会は、まさに文字通り最終の名に相応しいイベントであったのでありましょう。

さらに某セミナーの講師紹介では(リンクはこちらから)、瀬部氏は元オリンピック代表であるとの記述もありますが…

華麗すぎる経歴


JOCのホームページの検索機能で、瀬部監督をサーチしても…


検索


なぜか該当者なし!


検索結果

正式競技のナショナルチーム監督の経歴を入れ忘れるとは、JOCともあろうもんが、なんと杜撰なのでありましょう。


さらに瀬部氏の最も輝ける経歴と言える、100メートル走10秒43という素晴らしい公認記録。これは1982年当時、大阪歴代最高に匹敵する記録であり、日本歴代100傑にも入るようなズバ抜けた記録であります。日本選手権のリレーの優勝やモスクワオリンピックの二年後に選考会に参加したことと並んで、まさに大阪陸上界のレジェンドと言える実績でありましょう。ところがその記録が陸上マガジンの増刊や大阪陸上年鑑に掲載されていないではありませんか!

陸マガ表紙_R

大阪十傑_R

大阪十傑は勿論

日本歴代記録_R
日本歴代の10秒4台に名前なし!

電子計時_R

電動計時の歴代記録にも当然ナシ!

陸連、JOCに続いて年鑑や陸上マガジンにも素晴らしい実績をシカトされてしまった、まさに悲運のヒーロー瀬部監督の名誉回復を祈らずにはいられません。こんな素晴らしい人がナショナルチームを率いているなら、東京オリンピックもメダル間違いなし!ですよね。

ジャガー横田さんのご主人様としてテレビでお馴染みの木下博勝医師のブログにも、瀬部氏が登場します(瀬部氏が登場する記事)。瀬部氏は和泉市議会議員を勤める、プロレスラーのスペル・デルフィン氏とも懇意にされているようで、プロレス界には人脈がおありのようでございます。議員と言う公職にある方が、こういう華麗すぎる経歴をお持ちの方と親しく交友されるなんて、色んな意味で素晴らしいですね。
木下医師_R

なんと瀬部氏は陸上だけでなく格闘技でもチャンピオンだった模様ですが、そちらのほうも陸上同様、なぜかあらゆる記録が抹消されています!神隠しでしょうかね?

しかしこのベルトを持ってリングに上がっている瀬部氏の写真を見れば、格闘技で実績があることは明らかでありましょう。なんたってベルトがあるんですよ!ベルトが!

瀬部監督の勇姿

ベルトにはしっかりとネームも入っています。かなりかっこいいベルトなので、凄い価値のあるタイトルだと思われます。アップで見てみましょう。

ベルト

ワールドカラテチャンピオン1982...。えっ1982?!陸上の日本選手権のリレーで優勝して、既に終わってるモスクワオリンピックの選考会に出て、空手の世界チャンピオンにもなってたんですか?

山根会長の的確な人選に唸らざるを得ません。

井岡不在の興行の集客の悪さに驚いた(旧徳山と長谷川が好きです)