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HARD BLOW !

世界ランカー返り咲き 再び世界を目指す大沢宏晋スパーリングレポート

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 当ブログではすっかりおなじみの、大沢宏晋選手の試合が近づいてきました。

→ 大沢宏晋選手についての過去記事

 4月7日堺市産業振興振興センターで行われる試合の相手は、インドネシアのアーマド・ラヒザブ選手(昨年中澤奨選手に3RTKO負け)で、階級はスーパーフェザーで行われます。試合間隔を空けないための調整試合的なマッチメイクと言えるでしょう。

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 昨年末世界ランカーをKOで下して再び世界ランク(現在WBA5位)に返り咲いた大沢選手は次戦で44戦目。ここ数年タイトルマッチで破れたベテランボクサーが試合枯れの末にキャリアを閉じていくケースが多いですが、大沢選手は何度も挫折を乗り越えて逞しく再起し、現在も若いボクサーと同じペースで積極的に試合をこなしています。

 去る3月28日に大沢選手のロングスパーリングを見学してきたので、その様子をお伝えします。

 この日のスパーはインターバル30秒でパートナーを変えながら3人×3Rの9R。

 最初の相手はライト級の石川耕平選手。

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 二人目はスーパーフライ級の岩崎圭祐選手

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 最後はスーパーライト級の高橋良季選手

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 インターバル30秒で切れ目なく9ラウンドでしたが、最終ラウンドまで足が良く動き鍵となるジャブも上下に良く出て、昨年末の試合時の好調をキープしている象でした。以前は見られた疲れで足が止まった時に強引に右で打開しようとするような場面もなく、ボクシングがもう一度若返った印象で、ジャブがテンポよく当たることで長いオーバーハンドストレートや密着時のアッパーもより効果的になったと思います。

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 練習後少しお話を伺いました(大沢選手のお話は赤文字
HARD BLOW!(以下HB) 「昨年末のプレシアド戦ですが、かなりパンチがあったという話ですが」
大沢「パンチは強かったですね。効いたときに距離とるのも巧くて捕まえにくい相手でしたが、そういう選手を倒しきれたのは良かったと思います」
HB「KOの場面、世界ランカーのプレシアドを誘い出して動かしておいてから狙って倒せたところが価値があったと思います」
大沢「相手を動かして、出口を塞いでいって倒すことが出来ました」
HB「構えるときに手の位置を下げたことの影響がかなり大きかったようですね」
大沢「手の位置が高いとジャブが出にくいだけじゃなく、背筋にも力が入ってて結果的に足も出なくなってたんですよ。それが解消されてスタミナの持ちも良くなりました」

 大沢選手は久保隼選手に判定負けした後、再起するに当たって過去の自分の試合のビデオ映像を何度も見返して手の位置を修正し、スランプを脱して世界ランキングに返り咲きました。プレシアド戦の直前には、相当に手ごたえを感じていたのか「『久保戦で大沢は終わった』と言った人達に、もう一度世界で戦える力があることを見せる」と宣言し、有言実行してくれました。現在WBA五位で再びの世界戦が視野に入って来ました。恐らく年齢的にも最後のチャンスとなるであろう試合は実現するのか?今年も彼のことを追いかけていこうと思っています。

 四月五月の興行集中の意味が分からない(旧徳山と長谷川が好きです)

大沢宏晋が世界7位をKOして再起 再び世界へ

大沢宏晋選手についての過去記事はこちらから 
       ↓
大沢宏晋選手過去記事へのリンク

詳しくは過去記事をご参照いただきたいですが、2012年にJBCの内部抗争に巻き込まれてライセンスを止められた大沢選手は、明らかに不当な処分にも腐ることなくキャリアを積み上げて、何度も這い上がって道を切り開いてきました。

今年四月の元世界チャンピオン久保隼選手とのサバイバルマッチに敗れて、引退も囁かれましたが試合内容が不完全燃焼だったことから再起を決意。今回早いタイミングでコロンビアの世界ランカー、ベルマー・プレシアド選手との再起戦が組まれました。

とはいえ大沢選手の年齢はもう33歳。久保戦のもどかしい試合内容から年齢的衰えを指摘する声はあります。43戦という試合数や復帰から約5年に渡ってほぼランカーやチャンピオンクラスとしか試合しかしていないことからくる目に見えないダメージの蓄積も心配です。まだ活躍を見たい、しかし果たしてまだ力は残っているのか?正直ファンの側も、試合が始まるまで確証をもてない状態であったと思います。

さらに今回の試合前には、12月11日の最終仕上げのスパーリングで腰を痛めるというアクシデントが実はあったのです。二日連続で8Rと6Rというロングスパーの予定だった大沢選手は、二日目の最初のラウンドでパンチを放った際に腰をひねって結局予定の6ラウンドを5ラウンドに短縮して最終スパーを終了。私はその日たまたま見学に行っていたので、腰の痛みから苦悶の表情でジムの床に横たわる大沢選手の様子を間近で見ていました。翌日ご本人から「少し痛めただけで回復できます」という連絡は貰っていたものの、心配なことに変わりはありません。メニューをこなした後だったことが不幸中の幸いで、調整中に怪我をした場合に比べれば影響は少ないですが、ファンの目線からすれば不安がよぎります。

大沢選手はしきりに「今回は調子が良い、スランプから抜けました」と言っていたのに、こんなタイミングの怪我で歯車が狂ってなければいいが…。

そんなこんなで多少不安を持って会場に行ったのですが、結論から言うと皆さんご存知のとおり心配は杞憂に終わりました。
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大沢選手は序盤からジャブが良く出て、接近時の避け勘もよく、ボディで弱らせて上で仕留めるという王道の組み立てから、終盤に強打をまとめて二度ダウンを奪ってタオル投入でKOする完勝。プレシアド選手は出入りが速く当て勘もある好選手でしたが引き出しの差が出た内容だったと思います。

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大沢選手は9Rに強烈なワンツーを当ててプレシアドをギブアップさせるとコーナーに駆け上がって、溜まっていた鬱憤を晴らすかのように喜びを爆発させました。世界7位に明確な差をつけて完勝。再び世界を狙える力を見せてくれました。

右のパンチ力がついたことで決定力に頼ってやや強引になっていたのを、ガードの位置を少し下げてジャブの出をスムースにしつつ視界も確保するスタイルにチェンジしたことでバランスが良くなり、それにプラスしてベテランらしい駆け引きと左右のパンチをバランスよく出せる引き出しの多さも加わって、更に強くなったなと感じさせる内容でした。接近時のボディ撃ちにもかなり進境が見られたと思います。

とはいえ中盤は昨年から久保戦まで続いていた密着で膠着する場面も多く、今後フェザー級のフィジカルが強い選手と当たった時は課題になるなとも感じました。中間距離を嫌って密着してくる相手を、ジャブで突き放すのか相手を引き出して足を使って得意な距離を作るのか、そこがポイントになってくると思います。

試合前大沢選手は何度も「『大沢は終わった』と言ってる人たちに、世界で戦える力があることを見せます」と言っていましたが、まさに有言実行。来年以降も更に楽しみになる試合でした。

それとメインを務めた辰吉寿以輝選手。回転の良い連打を反応良くガードの間に打ち込む小気味良いボクシングを見せての圧倒的なTKO勝ちで、自分にとっては期待を遥かに上回る素晴らしい内容。

「男子、三日会わざれば刮目して見よ」というのを地で行く成長振りで、こちらも来年以降が楽しみになりました。

来年も会場に行く楽しみができて、良い気分で会場を後にすることが出来ました。大沢選手には来年世界のチャンスがあるといいですね。

OPBFのラウンド4分インターバル2分問題を取材中の(旧徳山と長谷川が好きです)

一ヶ月で三つの格闘技興行を見て感じたこと

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4月28日の久保隼×大沢宏晋戦より

四月から五月の連休にかけて、三つの格闘技興行を続けて観戦しました。今回は三つの興行を見て感じたことを書いていきたいと思います。

その前にちょっとお断りを。

最近はネット環境も2000年代と大きく変わり、観戦記や試合の感想はツイッターにあげた方が、速報性や議論のしやすさが段違いで、実際ページビューもかなり差があります。ですので、今後ブログは考えをまとめた上での評論や、一部好事家のニッチな需要を満たす(笑)インタビューやレポートなどの長文を載せる場所にしていきたいと思っています。

今後ご意見、ご感想はHARD BLOW!のツイッターまでよろしくどうぞ。直接会って文句を言いたいと言う方も大歓迎ですよ
       ↓
@hardblowblog

まずは4月14日の、今年初の生観戦となった久高寛之×翁長吾央と久田哲也×板垣幸司のダブル日本タイトルマッチの感想から。

沖縄にルーツをもつ者同士の決定戦となったスーパーフライ級の久高×翁長は、後がない二人のボクサーの日本タイトルへの執念がにじみ出る、なかなかに味わい深い内容でありました。

沖縄タイムスのWEBに、この試合についての素晴らしいエッセイが掲載されています。
[大弦小弦]プロボクシングの比嘉大吾選手が初めて敗れた日…

挫折を経たベテラン同士の意地のぶつかり合いを的確に描写しつつ、直近の世界戦で体重超過をして挫折を味わった比嘉大吾選手にエールを送るという人間味あふれる内容で、無味乾燥な記事ばかりのスポーツ紙や専門誌のボクシング記者は見習って欲しいと思えるようないい文章でありました。

メインの久田×板垣は、強打を狙いすぎて手数が乏しい久田に対して、板垣が軽快な出入りを生かしたボクシングで巧みにペースを握って先行する展開。終盤ようやく久田が手数をまして挽回したものの、板垣逃げ切りかと思いきや久田の僅差判定勝ち。久田は、板垣の速い出入りと軽快な連打につかまって、ここ数試合のパワーを生かして重い左で削って右の強打に結びつけるという展開を作れず課題の残る内容でありました。

日本タイトルマッチが二試合ということで集客はなかなか良かったのですが、やはりセミが終わったら帰ってしまうお客さんが結構いてメインが少し寂しい雰囲気に...。10回戦が二試合判定決着になったら時間的に居られなくなる人が出るのは分かるのですが、もうちょっとなんとかならんもんでしょうかね?

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続いて4月28日に神戸で行われた久保隼×大沢宏晋戦。

この日は前座で芦屋大学の出身の山内祐季選手と近畿大学出身の佐伯霞選手の公開プロテストが行われたのですが、なぜか「テストですので声援など送らないように」というアナウンスが。じゃ公開でやる意味なくない?と思いました。
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会場で佐伯選手のプロテストの観覧に来ていた澤谷廣典氏にもお会いしたので少し立ち話。当方はずっと追いかけている大沢選手の応援ですが、その場に居たアマ関係者の皆さんは軒並み久保選手サイドの応援でありました。
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久保選手はリングで見ると一際大きく、大沢選手とはかなり体格差があります。リングに上がると山下会長と手を合わせて相撲のような押し合い。これが今考えたらこの後の展開の複線になっていました。

1Rのゴングがなると大沢はボディストレートを伸ばしますが、久保のジャブと左ストレートが当たってヒットを稼ぐ。ラウンド終盤大沢の右もヒットするも手数は明確に久保。

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2Rには久保の左ストレートで大沢が鼻血を出しますが、ラウンド終盤大沢の右が当たって久保の腰が落ちる場面も。やはり大沢はパンチがあります。とはいえポイントは久保か?

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3Rも久保のワンツーにキレがあり、左が良く当たる。大沢は密着から右を当てるもポイントは久保。このあたりから徐々に揉み合い、密着が増えてくる。

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4Rも久保の左が当たるも単発気味。久保の単発の左が当たって密着という展開が増えて、膠着気味になってくる。
5Rに入ると大沢はポイントを意識してか、展開を変えようとプレスを強め、久保はバッテイングで流血。大沢は中間距離でのいきなりの右が有効。ここからポイント挽回できるか?と思いきや、大沢がもみ合いの中でホールディングで減点。クリンチが多いのはお互い様だし、少し唐突な感じがしました。
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6Rも中間距離で大沢の右が有効。久保は打っても打たれても前進&密着が増える。
7Rは大沢の右のビッグパンチで久保の腰が落ちる場面も。さらにホールドで久保が減点。これでポイント差は大分詰まったか?
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終盤も久保のジャブは切れているものの単発&密着が増える。もみ合いの多い展開を受けて大沢応援団からはブーイングが。
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終盤は打っても打たれても前進&密着の久保と、中間距離で右を狙う大沢という展開。見せ場となるような打ち合いがない、噛み合わない終盤を経て試合は終わりました。

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判定は2-1(97-95、96-93、94-95)で久保勝利。確かにヒットは久保が多かったですが、打っても打たれても中間距離を嫌って密着し、フィジカルを生かして押すという戦略一辺倒で、相撲のぶつかり稽古を見せられたような気分になりました。勝ちたいのは分かるのですが、一応安くないお金とって見せてるエンタテイメントとしてこれでいいの?と感じた次第。ボクシングのサバイバルマッチは、得てしてこういう膠着する展開になりがちなところはあるのですが、これは良い試合をすればファンから評価されてキャリアがつながっていくという信頼関係が無いがゆえではないでしょうか?というかお客がボクシングのファンでなく、選手個人を応援してる人ばっかりなので、勝たないと次につながらないんだよなあ。

別に大味な殴り合いが見たいと言ってるわけじゃないのです。例えば「世界ランカー同士の試合があるのか」と思って予備知識無しに見に来た人が「なかなか面白かったな。またボクシングが見たいな」と思わせるようなスポーツになってるか?ということです。

採点やレフェリングについても、北村ジャッジは10-10(減点を含まず)が4Rもあり、半分近く優劣をつけられないというのはジャッジとしてどうなの?と感じたり、川上レフェリーは自分は好きなレフェリーなのですが、最初の減点と帳尻合わせのような久保の減点に、終盤の闇雲な密着に対する注意がなかったことなど、こちらも疑問。

当方は大沢寄りで見ていてバイアスがかかってるとは思いますが、彼が負けたから言ってるわけでなくちょっといろいろモヤモヤする試合でありました。

それと専門誌やスポーツ紙の観戦記が「久保は後半も前進し、正面から打ち合って試合を制した」というトーンの記事ばかりですが、現地で観戦した身としては大いに違和感ありです。むしろ久保選手の前進は、密着してパンチを出させないようにするためじゃなかったですか?

勝つための戦略として密着するのはルールの枠内だから別に良い。ただ打ち合ったと報じるのはちょっと違いやせんですか?と思いました。

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続いてGWど真ん中の5月3日、大阪府立体育館で行われたキックボクシングの『KNOCK OUT』の興行のことを少し。

カードゲームやトレーディングカードの開発で急成長した、株式会社ブシロードが新たに手がける新興キックイベントの『KNOCK OUT』は、昨年首都圏で大ブレイクした連続興行。スキャンダルが続出し、内部統制に問題をかかえるK1や、2000年代のTV格闘技の残滓を大きく引きずるRIZINを尻目に、新たな格闘技メジャープロモーションとして着実な成長を見せています。新日本プロレスを買収してプロレス界に参入すると、あっという間に斜陽と思われていた団体を建て直し、新しいファン層を開拓したブシロードが、新規事業としてキックボクシングに参入してきたことは、個人的には大変喜ばしいことです。大企業が直接経営することで、格闘技興行にこれから果たしてどのような変化・影響が生まれるのでしょうか?

そんな『KNOCK OUT』が関西発上陸ということで、勉強もかねて観戦に行って参りました。

会場のエディオンアリーナで、東京から遠征に来た某マニアと合流。この人は、私にキックやSBの興行について色々教えてくれる知恵袋的なありがたーい先生でございます。

この日の当日券はなんと立ち見2000円。初期投資としてのお試し価格ということなのでしょうが、それにしても安い。これも業績好調な大企業が運営していて、新規事業として投資しやすいという環境があってこそ可能になることです。個人経営のボクシングジムではとても出来ません。

会場の地下の第二ホールに入ると、小さいながらもビジョンがあり、照明も効果充分。音響機器も持ち込まれており音圧充分で音質もクリア。半月前に同じ会場で見たボクシングのダブル日本タイトルマッチは、立ち見で5000円。勿論試合のクオリティは素晴らしいのですが、会場は蛍光灯で白々と明るく、音響機器も会場備え付けのもので故障していて音は割れててガビガビ。正直、殺風景&低クオリティなものでした。

関係者と観客のゾーニングもボクシングとかなり差がある。控え室に友人や取り巻きがドヤドヤと入っていけるようなつくりになっていない。会場の後ろで封筒にお金を出し入れしてチケット代の精算をやってる選手も当然居ません(笑)。実は久保×大沢の会場でのこと、私の席の真横で椅子に座っていた若いジム生のところに、井岡一翔の応援ジャージを来たジム関係者と思しきオジサンがいきなり駆け寄ってきて「オドリャー」とどやしつけたかと思うといきなりビンタをするという事件があって、客の前でやることかよ...と心底ゲンナリしたのでありました。KNOCKOUTの会場はそういうバイオレントな雰囲気は皆無でありました。

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何の予備知識も無い人はたしてどっちを見ますか?という話であります。

興行の仕切りもプロフェッショナルで、映像と音響とアナウンスの連携もスムース。選手のコールはリングインの時に行い、両者がリングに上がったらすぐゴングというテンポのよい進行で中だるみもなし。照明がリングにしか当たっていないので、観客はみな集中してリングを見ています。ボクシング会場によくいる試合中に試合見ずに立ち話してる人や、ラウンド中に席を立ってウロウロする人も殆どいません。ローブローやダウンシーンがあればすぐにビジョンでリプレイが流れるところも、大変プロフェッショナルでした。要はボクシング興行が手作りなら、こっちはプロがやってるショウビジネスという空気が濃厚なのです。

試合も様々なタイプの対戦が組まれており、マニアの解説を聞きながら堪能。見事な回転ヒジでKO勝ちしたタネヨシホ選手が個人的なMVPですが、メインを任された大月晴明選手の華のある試合も最高でした。

このマニア先生が以前から私に言っていたのは『キックのファンサーヴィスと興行を盛り上げる工夫は、ボクシングよりかなり進んでる』ということでした。会場で次の興行のチケットを販売していたり、受付で試合に出ない選手がサイン会をしていたりといった工夫が普通に行われているのです。またビジョンで選手のプロフィールや試合の見所を流して観客に周知したりといったところも親切。

ボクシングファンはとかくキックや総合を馬鹿にする権威主義者が多いですが、はっきり言って経営面も含めてキックの方が進んでることはかなりあります。特に旧弊なファンがもっている、プロボクシング観戦を巡る陰気な精神主義・権威主義は害毒ですらあります。

ブシロードの参入で旧態依然の格闘技興行の世界に新風が吹き込まれて、沈滞した空気が刷新されることを強く望みます。

JリーグのV・ファーレン長崎は、ジャパネットたかたの創業者高田明氏を社長に迎えることで、破産寸前の経営危機から財務状況がV字回復し、成績も上昇。社長交代から、わずか一年でJ1昇格を果たしました。リクルートのアジア法人トップからヘッドハントされJリーグチェアマンに抜擢された村井満氏は、DAZNとの巨額放映権契約を締結し、Jリーグに一千億円もの巨額の手元資金をもたらしました。

ボクシング界もまともな投資、まともな経営者を呼び込める世界を目指せばまだまだポテンシャルはあると思います。

大沢選手の敗戦がとにかく残念だった(旧徳山と長谷川が好きです)

4/28 神戸 久保隼と世界ランカー対決!大沢宏晋打ち上げスパーレポート

大沢宏晋選手についての過去記事はこちらから→大沢宏晋

いよいよ前世界王者の久保隼選手とのサバイバルマッチが迫って来た大沢宏晋選手。昨年の再起以来、全ての試合に進退をかけて挑んでいる大沢選手ですが、小細工をせず世界ランカーを連破して着実にランキングを上げて来ました。ここで久保選手を退ければもう一度世界が見えてきます。

先週火曜4月17日に行われた、最終スパーリングにお邪魔してきました。

ジムに着くと大沢選手はアップ中。ウエイトを伺うとあと4キロ弱で極めて順調とのこと。サウスポー相手のスパーは、先週も日本ライト級8位の脇田将士選手相手にインターバル30秒で長いラウンドをこなしており質量とも充分。私が見学した二週前のスパーではダウンを奪うシーンもあり、サウスポー対策はかなり順調に見えました(そのときの記事はこちらから→4/28神戸 久保隼とのサバイバルマッチに挑む! 大沢宏晋スパーリングリポート

アップ中に雑談していて知ったのですが、なんでも大沢選手本当は左利きなんだそうです。なのになぜか構えはオーソドックス。右利きの人がわざわざ左に変えると言うのはよく聞きますが、逆は珍しい。そうなった経緯を伺うと「初心者の時に『構えてみろ』って言われて自然にやったら左手が前になったんですよ。『左利きやったら逆やん』って言われたんですけど『左を制するものは世界を制するって』聞いたことがあったんで、これでええかって」と、野生児らしい答えが返ってきました。

この日のスパーはインターバル1分で8R。前回の記事でも書きましたが、パートナーの脇田選手も4月30日にスーパーフェザー級の日本ランカー杉田聖選手とのサバイバルマッチを控える身。お互いが試合直前で減量中のキツいコンデイションの中でどこまで想定した動きが出来るか?

序盤は大沢選手がボディストレートから攻勢。
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しかし脇田選手もスパーを重ねて大沢選手のスタイルに慣れてきたようで、体格を生かしてジャブで挽回。

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細かいボディうちやアッパーを織り交ぜて、中盤は脇田選手が押し気味。

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大沢選手はやや疲れ気味か?とはいえ打ち合いになれば階級が下なのに打ち勝つ場面が多い。

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脇田選手も負けずに打ち返す。

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大沢サイドの中島トレーナーからは、再三前足の位置を外に置くように注意が飛ぶが、脇田選手は有利なポジションを渡さずヒットを重ねる。

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大沢選手は後半ロープに詰めて反撃。

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ボディからの連打。

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ラスト30秒は両陣営から「出し切れ」の合図が出て無酸素ラッシュで打ち合い!

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終了と同時に、両者バッタリと倒れこみました。

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仲良く路上でクールダウン。

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大沢選手は「苦しい中で最後まで動けたけど、足の位置は修正が要りますね」とベテランらしく淡々と振り返り、脇田選手は「インターバルが一分になって大分余裕がありました。今日はやれましたけどやっぱり大沢さんは強い。パンチが強いのは勿論ですけど、思ったより伸びてくる。いい人と練習できて本当に勉強になります」と世界ランカー相手にいいスパーが出来て手ごたえを感じた様子でした。

大沢選手は中島トレーナーともう一度足の位置を確認。いかに前の足を外に出すか?が本番では鍵になります。ライト級の選手相手でも打ち合って捕まえてしまうパンチ力は大きな武器で、昇級初戦の久保選手には脅威となるでしょう。

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対する久保選手と経験豊富な真正セコンドは果たしてどのような作戦をとってくるか?週末の試合を楽しみに待ちたいと思います。

連休は二回旅行に行く(旧徳山と長谷川が好きです)







4/28神戸 久保隼とのサバイバルマッチに挑む! 大沢宏晋スパーリングリポート

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 当HARD BLOW!ではすっかりおなじみとなった、大沢宏晋選手の近況レポートです。

 JBCの内部抗争に巻き込まれた不当なサスペンドから再起し、連戦連勝でラスベガスでのビッグマッチにこぎつけたものの、痛烈な敗戦。しかし、腐らずすぐに再起し、昨年世界ランカーを連破してすぐに世界の舞台に復帰した大沢選手のキャリアはドラマチックな起伏に富んでいます。是非当方の過去記事を読んで、彼のボクシングロードを知って頂きたいと思っております。

 大沢宏晋選手についての過去記事はこちらから→大沢宏晋選手の過去記事

 その大沢選手の今回の試合は真正ジムの元世界チャンピオン久保隼選手との対戦と言う、関西では珍しい世界ランカー同士のサバイバルマッチ。2016年の世界挑戦失敗後、復帰4戦中3戦が世界ランカーとの対戦と言う濃すぎるマッチメークとなっています。小さなジム所属というハンデをものともせず、世界ランカーに連勝すると言う正攻法で世界への階段を這い上がる大沢選手。

 今回の試合はファンの関心も高く、カードで観客が入ることは滅多にない関西でも異例の注目度となっています。

 当方はずっと大沢選手を取り上げてきた関係上、大沢選手に肩入れしているのは当たり前なのですが、昨年の久保選手のセルメニョ→ローマンと続いた二つの世界戦は失礼ながら、世界との距離を感じさせる内容であったと思います。まして久保選手は再起戦で、尚且つフェザー級への昇級初戦。私としては大沢選手の勝利を予想せざるを得ないところであります。とはいえ大沢選手の直近二試合は正直もどかしい出来で、快勝とは言いがたい内容。久保陣営・真正ジムサイドはその辺も織り込んで『大沢組し易し』と判断しているのやも知れませんが、とはいえ再起戦でいきなりこの試合を選択する心意気はこちらもお見事。両陣営の気風のよさが印象的です。

 というわけで興味津々でロマンサジャパンボクシングクラブにお邪魔したところ、大沢選手はまだ来ておらず中島利光トレーナーとしばしお話。昨年末は試合間隔が短くて大変でしたが、今回は発表も早かったし調整はバッチリですよね?と聞いてみると「いや~実は今年に入ってアキレス腱やって走れなくて大変やったんです」と苦笑い。「二ヶ月前には完治しているので心配なし」とのことですが、相変わらず大沢選手色々あります。先ごろ連勝して日本ランキングに入った大沢選手のジムメイト金井隆明選手について伺うと「これは本当に努力の結果。25から始めてプロになって、4連敗した後日本ランキングに入るというのは凄いこと」とのとこ。

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金井選手の近影。一昨年の写真ですが...。

 としばらくすると大沢選手登場。練習前に少しお話を伺いました。(大沢選手の発言は赤文字

HB「またも世界ランカーとの対戦となりましたが」
大沢 この間真正ジムの世界戦でリングで挨拶してきたんですけど、久保は『新しい自分を見せる』とか言うててはぁ?ってなりましたわ。たった半年で何が変わるんですか?僕ははっきり『自分が勝ちます』と言ってきましたよ。
HB 大沢さんは試合が決まってからずっと久保に怒ってますね(笑)。
大沢 ボクシングビートの記事読みました?『胸を借りる』とか言ったりね。あっちが元チャンピオンで格上でしょ?何を言うとんねんと。あんなこと言うからボクシングと言うスポーツが舐められるんですよ。
HB 僕は正直去年の久保の二試合は評価していないですけどね。特にローマン戦はまさに完封負けで...。
大沢 久保は戦績はええですけどね、僕とはやってきた相手が違いますよ。修羅場は僕のほうがくぐってます。
HB 大沢さんの直近の二試合見て『これならいける』と思われてるフシもありますが...。
大沢 エリック・デストロイヤーとアレクサンドル・メヒア、どっちもやりにくいいい選手でしたよ。全然楽な相手じゃない。あいつらに競り勝ったことは自信になってます。

 実は試合が決まってから大沢選手と何度かやりとりはしていたのですが、モチベーションは一貫して高く対戦に向けて久保選手への敵意はグングンと上昇しており、試合に向けたこういう盛り上がりはファンとしては大歓迎したいところです。

 スパーリングパートナーとして呼ばれていたのは堺東ミツキジム所属の日本ライト級8位の脇田将士選手。二階級上で身長180センチの長身サウスポーを仮想久保に見立てたスパーであります。脇田選手も4月30日に、長らく日本ランキングを守る奈良ジムの杉田聖選手とのサバイバルマッチが控えています。両者生き残りを賭けた本気の調整中と言うことで、緊張感の高いスパーとなりました。

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脇田選手のジャブ
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ボディストレート
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当初6ラウンドの予定だったスパーですが、3R目に大沢選手の右がクリーンヒットして脇田選手サイドがダウンを要請し中断。ダメージを考慮して5Rに短縮となりました。
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とはいえ脇田選手の左のビッグパンチも何度かクリーンヒットしダウンシーン以外は良い打ち合い。
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大沢選手はボディを効かせてラッシュ
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終盤は激しいパンチの交換となりました。
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 終了後は意見交換。ダウンでラウンドが減ったことを謝罪した脇田選手は悔しがりますが、大沢選手は「練習やから、試合で上手く行ったらええねん」と感想を交えてアドバイス。お互い実りが多いスパーとなったようです。終了後お話を伺いました。

HB 距離の詰め方やボディからのコンビなど、サウスポー対策は上手く行ってるように見えましたが?
大沢 今週に入ってやっと感覚が合って来ました。先月は近大のアマのサウスポーに来てもらってたんですけど、その子が強くてやられてたんですけど(笑)。
HB アマの選手も短いラウンドなら本当に強いですよね。
大沢 いやホンマ短いラウンドじゃなくて6ラウンドやっても強いんですよ。ええ経験になりました。さすがに久保相手にジャブだけで展開作れるとは思ってないんで。入り方、距離の詰め方を色々試してね。

HB サウスポー相手となると、攻めれば必ずパンチを貰う場面が出てくると思いますが...。
大沢 それは今までの経験、やってきた相手が自信になります。久保のパンチじゃ倒れないですよ、僕は。
HB 大沢さんに勝ったオスカル・バルデスがこの間体重超過したスコット・クイッグ相手に凄い試合しましたね。
大沢 鼻の骨折ってるのにまっこうから打ち合って本当に凄かった。「俺はコイツとやったんや」と思ったらこんなところで負けられないです。

 サバイバルマッチに向けて意欲の高い大沢選手、この試合はファンの期待に応える熱戦になる予感がします。

 というわけで試合までレポートを続けたいと思います。

 久々にスパーを見て盛り上がった(旧徳山と長谷川が好きです)