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読者投稿 「日刊、報知の井岡一翔選手 JBC 復帰報道から見えるプロボクサー契約の裏側」

 久々の更新であります。昨年も記事を掲載した某業界内部の方による井岡一翔選手の国内ジム復帰に関する分析記事です(同じ筆者による過去記事→読者投稿  『試合に負けて、勝負に勝つ。 斉藤司選手裁判、千葉地裁判決の真相』)。斉藤司選手が三谷大和ジムを訴えた裁判の判決と、公正取引委員会による聞き取り調査がボクシング界の選手契約にいかに影響を与えたのか?国内では最高の認知度を誇る現役のスター選手井岡一翔による大型移籍(正確には移籍ではないですが)によって露になった国内ボクシング界の地殻変動を分かりやすく伝える内容となっています。未だに昭和のまま頭のOSが更新されていない化石のようなクラブオーナーやファンも多々いるようでございますが、法的には既に決定的な楔が打ち込まれており、変化は待ったなしだということが良く分かります。以下の記事本文が選手、業界関係者、ファン、メディアの皆様の意識を変える一助となれば幸いです。

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 2019 年 3 月 23 日、日刊スポーツ及びスポーツ報知が井岡一翔選手の国内復帰を報じた。

記事へのリンク→井岡一翔が大貴ジムで日本復帰、世界戦4階級制覇へ【日刊スポーツ】』
 
 記事上で日刊スポーツは

 ”同日までに、日本ボクシングコミッション(JBC)に Reason 大貴ジム所属として選手ライセンス申請書を提出した。承認されれば、国内での試合が可能になる。 ”

と報じている。

 スポーツ報知は

 ”今春「Reason 大貴ジム」入り”

と紙面上に見出しを打ち、

”JBC 管轄下の「Reason 大貴ジム」入りし、再び国内ジム所属選手として日本のリングに上がることが 22 日、分かった。”

と報じている。紙面を丹念に拾えば、一つの事実に気づく。これは「移籍」ではない。提出されたのは「移籍届」ではなく、「選手ライセンス申請書」である。以前の所属先である井岡ジム(一翔選手の実父井岡一法氏が会長)側が了承しているか否かに係わらず、申請書は
井岡一翔選手側が JBC に対して提出したものである。当然、「移籍金」なるものが発生する余地はないであろう。
 井岡一翔選手は 2009 年 4 月 12 日に大阪でデビューしている。同選手と井岡ジムとのマネジメント契約は、JBC に引退届を提出したと本人が公表した 2017 年度末か、現在 JBC の三年契約自動更新の原則から類推すれば、9 年後の 2018 年 4 月には終了していると解釈するのが妥当である。

 ところで 2019 年 2 月 16 日の東京新聞によると、公正取引委員会は 2019 年 1 月 24 日に日本プロボクシング協会(JPBA)を、同年 2 月 6 日には財団法人日本ボクシングコミッション(JBC)を独禁法違反の恐れがないかを理由に聞き取り調査に入った。

記事へのリンク→ ジム移籍 トラブル絶えず ボクサー契約最長3年ルール 公取委、実態聞き取り調査(東京新聞)』


 記事上では公取委は JBC にルールに即した運用を求めている。契約終了した所属選手に対する旧所属ジムの介入は独禁法上の観点から見ても許されるものではない。一説には井岡一法会長は一翔選手の Reason 大貴ジムジム入りを了承しているとの噂もあるが、重要なのは両者が既に契約関係にないのであれば、”旧所属ジム会長の了承”そのものが全く不要でということである。
 井岡一翔選手の Reason 大貴ジム入りを阻むものは何もないであろう。同ジムは名前こそ聞き慣れないが、国内最多の興行を手掛ける Dangan のジムである。所属ジムとの契約関係はすでにないとした斉藤司選手の裁判から約 9 か月、プロボクサーとマネージャ―、ジムの契約関係は新たな局面を迎えようとしている。

(文責:U)