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HARD BLOW !

新春動画福袋 リゴンドーのジムワークat大阪天神ジム

 あけましておめでとうございます。今年はほどほど頑張ります。

 ということでお年玉企画、リゴンドー選手のジムワークの動画をアップします。試合の余韻を味わいつつ見ていただければ幸いです。




レジェンドが来た!ギレルモ・リゴンドー接近遭遇レポートin大阪天神ジム

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今回はギレルモ・リゴンドーのジムワークのレポートです。と普通に書き出していいもんなのか?さして読者がいるわけでもない当ブログでございますが、たまにゃこういうことがあってもいいでしょ!

 話は年末某日に遡ります。知人と前から見たかったバスケットボールのbjリーグの試合を勉強がてら見に行った帰り、当ブログでも馴染みの、日本ボクシング界一の自由人、山口賢一選手(大好評山口賢一選手のインタビューはこちらから)の後援会長が経営するお店にお邪魔することに。メニュー構成や常連客の振る舞いが自由すぎるお店の雰囲気にヤマケンイズムを感じつつ飲んでおりますと、話の流れで山口選手も呼びましょうということになってお店で合流。一緒に昨年ソン・ジョンオ選手のインタビューをアレンジした頂いた恩人で、今回リゴンドー招請の立役者となった国際マッチメイカーローレン・グッドマン氏も現れて、あれこれと四方山話に。

 山口選手が最近、ある元スター選手と出会った時のエピソードなどに爆笑しているうちに夜も更けたころ、ふいに山口選手から「そういえば明日ジムにリゴンドー練習に来ますよ」と言う衝撃発言が!
「えっ?こう言うたら失礼ですけどあの天神ジム(山口選手がオーナー)にですか?」
「そう」
「市場の二階のあそこに?」
「そうオモロイでしょ」
「えっ?見学行ってもいいですか?」
「いいですよ」
「記事にしたりしても?」
「ええんちゃいます」

 えええ~まさか天満にリゴンドーかい!ということでお伺いすると、ホンマに来たんですよ、シドニーとアテネで金メダルをとって、命がけでアメリカに亡命してプロになって、西岡利晃を一方的にKOしたドネアを完封したあのリゴンドーが!恐るべしヤマケン会長。

 10名くらいの軍団でドヤドヤと現れたリゴンドー一行。リゴンドーはすでにトランクスとシューズ着用で、高級ホテルのロビーをあの格好で歩いてきたのかなあ?と驚いていると、すぐにシャツを脱いでリングに上がる。一切無駄の無い上半身のフォルムに目を奪われるが、細身ながら背中の筋肉の盛り上がりも印象的。
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 縄跳びをしたあと、リングにロープを対角に張ってシャドー。ロープの結び目を狙って軽くパンチを出して行きますが、とにかく動きがスムースでしなやか。

 続いてグローブをつけるとバッグ打ちへ。軽快なラテン音楽に乗ってリズミカルに体を揺らしながらポンポンとジャブから左につなげていきます。ジャブだけでなく右のボディも印象的。常にアクションの中でパンチが出てくるのが印象的です。
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 それからいよいよ芸術的と言われているミット打ちへ。まずは卓球のラケットのようなハンドミットを狙いながらリズミカルにコンビを打ち込んでいきます。ハンドスピードは勿論ですが、即興性も印象的で、トレーナーがその場で要求する複雑なコンビネーションを次々と打ち込んで行きます。

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 トレーナーがミットをパンチミットに持ち替えると、リゴンドーはパワーパンチを披露。ソリッドで力感溢れるパンチは、精度も抜群。ジャブを交わして、低い姿勢のままカウンターを入れる練習も入念に行っていましたが、この辺は長身の天笠対策でしょうか?ミット打ち全体を通して攻防の一体ぶりが印象に残りました。

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 その後ボディバッグ打ちではさらにパワーアップして、あらゆるアングルから打ち抜くような激しいボディショットを次々と突き上げて行きますが、とにかくパンチ力が印象的。正直パワーファイターの印象はなかったのでこれは予想外でした。かつてタッチボクシング等とも揶揄されたアマチュアボクシングのエリートであるリゴンドーですが、決してテクニックだけでなくパワーもあるのだと実感できました。

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 ミットのあとはストレッチで終了。その後は見学者相手に気軽にサインや握手に応じ、気さくな一面を見せてくれました。そのカリスマ性に、一緒に見学した観戦仲間のMさん(当然男)は「もう抱かれてもええわ」と意識があらぬ方向に...。

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 公設市場の二階という場所柄色んな人が通るので、スポーツ新聞の記事などでリゴンドーと気付くギャラリーも出現致しました。

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 その翌日も天神ジムでジムワークとのことでしたが、しかし年の瀬でそうそう家も空けていられない小市民である自分。
本来その日は家の掃除をしなければならないのですが...、ですが...これが行かずにおらりょうか!家人の目を避けるようにまたも天神ジムに。アメリカに亡命した時のリゴンドーもこういう危ない橋を渡ってきたのか...(適当)。

 この日は厳戒態勢とお聞きしたていたのですがジムの中での見学を許可していただきました。ただ見学者は必ずマスク着用。いよいよ臨戦態勢と言う感じであります。

 と、そこにはリゴンドーと同じ日に試合を控えた高山勝成選手の姿が。「なかなか見る機会もないので」ということでジムワークを見学する高山選手。ミット打ちの合間の会話でリゴンドーの印象を話してくれました。

 「思ってたよりパワーを感じますね。それと捨てパンチが少ないですね。全部のパンチ当てに行ってます。思い切りがいい。フェイントも少ないですね。強いて言えば足の動きは色々やってますが。常に立つ位置を変えて、頭も上体も動かしてるのも印象的ですね」

 とのこと。リゴンドーの練習を世界チャンピオンの解説付きで見れるなんて贅沢だな~と思っていると、そこにグッドマン氏が現れて

「東京で取材で来た内藤大助がちょっとミットもってたけど、『パンチが強い』って驚いてたよ。『タイミングでカウンターとって倒してると思ってたけどこれは違う。自分から倒せるパンチがある。切れるパンチだ』って」

 と教えてくれました。スピードとテクニックが印象的なリゴンドーですが、パンチ力もかなり強いと思われます。

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 この日は前日に比べれば軽めのメニューで終了。動きはさらに軽快で調整に抜かりはないと感じました。また陣営のリラックスした様子も印象的でありました。戦いなれているといいますか、必要以上に入れ込んでいないと言いますか。

 その後グッドマン氏のはからいでチームリゴンドーの一員Alex Bornote氏に少しお話を聞くことが出来ました。
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ローレン・グッドマンとチームリゴンドーのアドバイザーAlex Bornote氏

HB「これから階級を上げるというようなプランはありますか?」
Alex Bornote「まずはWBCのグリーンのベルトを統一したい。それからフェザーまでなら上げてもいいかなと思ってる。でもWBCのチャンプのサンタクルスはチキンだからリゴンドーから逃げ回っててなかなか試合を受けてくれない」
HB「サンタクルズと試合しても問題ないですか?」
Alex Bornote「全然!本当は1月17日にサンタクルスと試合するはずだったんだ。でも逃げられてしまった。こっちはこの試合の後1月17日にやったっていいくらいだよ」
HB「今後日本のボクサーにチャンスを与える用意はありますか?」
Alex Bornote「今回初めて日本に来たけどすごく気に入ったよ。日本のファンはボクシングをちゃんとスポーツとして見てくれるから。勿論日本で日本人と戦うのもOKですよ」

 ということで今回の接近遭遇は終了。至近距離でリゴンドーの練習を見てますます大晦日の試合が楽しみになりました。

 一方の天笠選手はこの試合に向けてYOUTUBEで情報発信していますが、これがまた面白い。なぜか石丸元章さんのディレクション。



 階級を落としてリゴンドーに挑む彼の勇気が、磐石のスーパーチャンピオンにどこまで通用するか?注目して見たいと思います。

 それにつけても今年は山口賢一選手にはインタビューや取材ですっかりお世話になりました。来年も日本のボクシング界に一石も二石も投じていただきたい!と思っております。

 リゴンドーがラテン音楽かけながら練習する姿がグッと来た(旧徳山と長谷川が好きです)

リゴンドウー ― ボクシングの普遍的価値の継承者

 かつてボクシングの世界タイトルマッチはその国の国民的行事であった。世界チャンピオンは8つの階級に一人ずつ。世界チャンピオンはそれだけで世界最強の称号であり得た。
 現代において世界チャンピオンは17階級に四人ずつ、計68人いる。それゆえ世界チャンピオンはそれだけでは世界最強の称号ではない。世界最強であるためにはそれ以上の何かが求められる。
 また現代において、世界チャンピオンであることは、世界最強であることを必ずしも要求されない。より正確に言えば、「世界チャンピオン」は世界最強であることを必ずしも追求しない。それはボクシングを職業とするものとしてお金を稼ぐために、より効率的な、より安全確実な道を選ぶことができるからである。
 ボクシングの世界チャンピオンの存在価値というものが現代においては多元化している。
 世界チャンピオンであるだけでは十分ではない。もっと言えば、強いだけでは十分ではない。観客を喜ばせる試合をしなければプロとして食っていけない。そういう価値観がある。
 一方で世界チャンピオンであるだけで、そのボクサーの試合が国民的行事となり得る、そういう価値観の世界もある。そこでは「強い」というだけで、勝利するだけで、ボクサーは賞賛と敬意と富を享けることができる。
 後者は伝統的もしくは古典的(クラシカル)な価値観と言えるかもしれない。
 リゴンドーはそういう価値観を継承するボクサーである。人気を得るために観客に媚びる試合はしない。ただ相手に勝利することのみに徹する。そういう姿勢を彼には感じる。
 リゴンドーが相手を選ばず最強のボクサーと闘い続けたノニト・ドネアを破って世界の頂点に君臨していることは象徴的だ。―ドネアの燃え尽きぶりは、この世界で最強と人気の双方を手にするリスクがいかに大きいかを物語る―。稀代のカリスマであるドネアに圧勝したことで、彼は最強の称号を手にした。しかし興行価値の点ではドネアには及ぶべくもない。
 しかし彼が継承する価値観は普遍的な、本質的なものであると私は思う。
 そのリゴンドーが日本で試合をする。世界最高の選手、世界最高のボクシングを見られることを、ボクシングファンとして幸せに思う。彼にはこれまで通りの試合を見せてほしい。

※ その姿勢の点においてリゴンドーと同じものを感じさせるナルバエスの試合も楽しみである。挑戦する井上選手にとって―彼もまた実力相応の評価を得ているとは言い難い―勝っても負けても貴重なキャリアとなるだろう。

by いやまじで