HARD BLOW !

トップ主導の不当判定は存在するのか?!『日本ボクシング連盟問題』再び 澤谷廣典インタビュー

(本記事中はプロボクシングと峻別する為に、日本ボクシング連盟(以下日連)が統括するオリンピックボクシングを『アマチュアボクシング』または『アマ』と表記しています)

元近畿大学ボクシング部総監督、澤谷廣典氏のインタビューの続きです。

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前回は日連会長山根明氏による、個人支配の弊害と特定コーチ(元WBAスーパーフライ級チャンピオン名城信男氏)へのパワハラ問題について生々しい体験談を伺いましたが、今回はアマチュアボクシング界で長らくくすぶる、採点・判定の問題についてです。

この問題は、プロアマを問わずボクシングに常についてまわる永遠のテーマであり、昨年の澤谷氏インタビューでも触れましたが、今回はより詳細な体験談をお届けします。以下に語られるのはあくまで澤谷氏の主観的な体験談であり、事実かどうかの判断は読者に委ねますが、山根氏の側近だった人物による実名での告白は大変に重いものであることをご承知おき頂きたいと思います。様々なご意見はあるかと思いますが、命がけで戦う選手のためにも、競技の運営には一点の曇りもあってはならないと考えあえて公開いたします。もとより個々の選手個人を貶めたり批判したりする目的の記事ではありません。

記事本文中の人物名は一部を除いて匿名表記とし、以下に登場人物を整理して置きます。文中の敬称は澤谷氏の実際の発言に準拠し、あったりなかったりしますが他意はございません。(澤谷氏の発言は全て赤文字です)

山根明氏…日連会長
山根昌守氏…山根明氏の実子で日連理事
A君…2015年インターハイ奈良県代表選手
B君…2015年インターハイ東京都代表選手
C氏…ボクシング名門校H高校とN大学の監督
D氏…兵庫県のT高校の監督
E君…2015年インターハイ宮崎代表選手で後に近畿大学に進学
F氏…奈良O高校の監督
G氏…宮崎N高校の監督
I君…近畿大学の選手から後に大学中退してプロ転向
J君…近畿大学の選手
K氏…元オリンピック選手の役員
L氏…芦屋大学の監督
佐々木君…2016年岩手国体岩手県代表佐々木康太選手


2015年の兵庫のインターハイで、準決勝で当ったのが山根明の息子の昌守が連盟の会長をやってる奈良県のA君、もう一人が東京のB君でした。B君が所属するH高校のC監督はボクシングの名門N大学の監督と兼任です。その試合の時期のC監督は、山根の付き人的なポジションだった自分の後輩を自分の学校のコーチにしようとして山根の逆鱗に触れて、冷や飯を食わされてる状態でした。

この試合は誰が見ても、H高校のB君の勝ちと言う内容でしたが、判定は2-1で奈良のA君の勝ちになりました。判定が出た瞬間B君の母親は会場で「どこ見てんだよ!」と叫んで激怒して、山根の腰巾着連中に場外に連れ出されて会場は異様な雰囲気になりました。その採点結果を聞いた瞬間、C監督が「ああ」とうめいて仰け反ったのを見た山根は「C監督が負けの判定聞いて不貞腐れた」と理由をつけて、のちに処分してます。

こんときの2-1判定の、B君の勝ちにつけたのが、兵庫のT高校のDという先生です。その日の晩ですわ。私と山根がホテルの部屋で一緒におるときにDが山根に呼び出されました。部屋におったのは私と山根とDの3人だけです。Dが部屋に入ってくると山根は「オイコラDよ!」と言う感じで「おれがC監督を干しとるのに、何をアイツの生徒に点を入れとるねん!今度やったらオドレ処分やぞ!わかっとるんか!」と恫喝しよった。

確かにD先生はC監督の弟分みたいな関係ではあるんですけど、その時はまともな採点しとるのに「俺が干しとるCの選手に入れるとはどういうつもりや!今度やったら処分やぞ!」と激怒して、脅し上げたわけです。

で次の決勝は準決勝ったA君と宮崎のN高校のE君。このEは決勝の時点で近畿大学に来ることは決まってました。すでに選抜も取ってるし、高校チャンピオンクラスです。そのEが試合前に挨拶に来よったから、前日のこともあるし「ええかEよ、KOせいよ。ダウンとらな勝たれへんぞ」と言うて「分かってます」と話して送り出した。そしたら、3Rたいがいドツキまわしたのに判定は2-1でまたA。ちなみにEに入れた審判は栃木の近大のOBですわ。とはいえ試合内容はEが圧倒してたと思います。

試合が終わったらAを教えてる奈良の高校の監督のF先生が私のとこ来て、Eが近大来るの知ってるから「先生すいません、完敗です」言うて頭下げはった。F先生は潔く負けを認めたわけです。それ見たら「ああF先生もつらいねんな、大変やな」と思って。でも一番かわいそうなのは負けてるのに手が上がってるA本人ですよ。負けたN高校のG監督も私のところに来て「Eをインターハイチャンピオンにして近畿大学さんにお預けしようと思ってたのにすいません。でもいくらなんでもアレはないでしょ」と言わはったわけです。それでこっちも「いや今F監督が来て『うちの完敗です』と言うて頭下げてくれたで」というて溜飲さげてもらうかしかなかったわけ。

それで時が流れてEが大学に入って、一年からレギュラーになって最初のリーグ戦。このときは錚々たるメンバーがそろっとった。そのなかにIと言うのがおった。このIが芦屋大学との対戦で一試合でダウンを二回取ってるわけです。このときのレフェリーがインターハイの時ホテルで山根に恫喝されたD先生ですわ。この時DはIがニュートラルコーナーに戻ってへんいうて「コーナーに戻れ!戻れ!」とやって時間稼ぎしてなかなかカウントせんかった。それを見て、恫喝されたDの辛さもよお分かりました。で、その挙句二回ダウンとってるのに2-1で判定負けにされた。

結果としてIはその試合のあと「先生、俺もうアマはいいですわ。今までお世話になりましたがプロになります」と言うて来た。結局プロ転向ですわ。「言いたいことは分かっとるがな。俺らの力がないから、大人がしっかりしてへんからこうなったんや。堪忍してくれよ」というて引き止めたけど、授業料も免除して生活費も渡して手塩にかけてきた選手が、中退という形で大学を辞めてしまった…。

その日はもう一つおかしなレフェリングがあったんです。Iのあとに試合をした近大のJが芦屋大学の選手を1Rから一方的に攻めまくって相手はフラフラやったんですが、レフェリーやってた元オリンピック選手のKさんが一向にダウンをとらへん。そんときはたまたま、山根昌守が娘婿の鈴木監督のリーグ戦の初陣やったから近畿大学側の私の横に座っておったわけです。昌守にしたら近大が一方的やのにダウンとらへんから、苛立ってたんでしょうね。突然立ち上がって大声で「おい!」と審判にアピールした。そしたら本部席におった親父の山根もさすがにまずいと思ったかワーワー言い出しよった。そしたら芦屋大学のL監督がすぐにタオル投げて、そこで即ストップですわ。そのあと山根はみんなが見てる前で、レフェリーのKのことを「なんでダウンとらんねや」とボロカスに叱責してました。でも私らにしたらKたち関東の審判は、芦屋大を勝たせるために呼ばれてて、山根の意向でダウンとらへんかっただけやねんから、なんであんな怒られなアカンねやと思いました。

それからしばらくして九州の仲のいい役員と会場で会った時に、冗談めかして「魂売って芦屋大学勝たせにきてる審判とは話せんぞ」言うてかましたったら「勘弁して下さいよ~」いうて困ってるから「お前らも会長の為に芦屋勝たせなイカンから大変やな」っていうたら「さすが良く分かってますね」って言いよりましたわ。「Kさんはどないしてるの?」って聞いたら「あの人がレフェリーで呼ばれることはもうないでしょう」と。

それから、Iが中退してリーグ戦が終わったあと大阪学生選手権というのがありまして、そこでは1年生のEがリーグ戦の鬱憤晴らすような圧倒的な内容で優勝しました。ところが優勝したEに「良くやったな」と声かけたら、Eは「先生これでボクシング辞めさせてください」と言ってきたんです。こっちにしたら「お前優勝して何を言うとるねん」という話じゃないないですか。「何があったか言うてみろ」と聞いたら「正直ずっと尾を引いてたんですが、去年のインターハイの決勝での判定負けからボクシングが嫌になってました。とってもらえたので大学には来ましたけど、どうしても熱が入らないんです」と。だから私は「それやったら、気持ちが充実するまで休んでええから」というて休部扱いにして「試合出て来い」「練習出て来い」ということをせんと休ませたんです。そうやってゆっくり時間かけてEの気力が充実をするのを何ヶ月も待たなイカンようになりました。

今いうた子らはみんな、一回の不当判定で人生が変わってしもとるわけです。岩手国体での判定が新聞記事になった佐々木君なんかボクシングそのものをやめてしまったと言う風に聞いてます。今後もう二度とこういうことがあったらイカンのです。


記事

2016年10月7日 岩手日報紙の紙面より

こういうことが続くと、選手らだけやのうて役員同士、大人同士の関係もおかしなってくる。昨年のインタビューでも触れましたけど、今おもに三人の理事が審判を決めてますけど、この三人に逆らったら山根に告げ口されて処分されるというてビクビクしとるから、他の理事や審判との関係もギクシャクしてますよ。

そもそも、この三人も大半の理事も高校の教員なんですよ。教育者がそういうことをしとって平気なわけです。彼らも最初連盟に入ってきたときはそんなんではなかったはずですけど、長い年月でもう考え方が毒されてしまってる。

実際アマの大会見てるなかで、判定がおかしいと言ってる人は沢山いるでしょ?そこにメスをいれないと絶対に良くならないです。


いかかがでしょうか?私には迫真性に満ちた、当事者ならではの告白だと思います。澤谷氏が言及している岩手国体の試合は、動画サイトでも見れますが確かに不可解な判定です。



「アマではパンチ一発もダウンも採点上は一緒だから」という正当化の理屈も良く聞かれますが、そういう小理屈でおかしな判定を正当化している競技はIOCによって五輪から排除され、その結果国体から排除され、さらに一層マイナースポーツ化していくだけではないでしょうか?

外部の人間から見て明らかにおかしな運営がなされていることに危機感がないなら、アマチュアボクシングに未来はありません。憂いなく東京五輪を迎える為にも、組織の刷新は必須だと考えますが、関係者の皆様はいかがでしょうか?

澤谷氏の発言中にあるように、個々の選手にとって試合での勝敗は、競技生活にとどまらず進学や進路に大きく関わる問題です。幹部や役員のパワーゲームによってそれらが歪められているとしたら大変な問題です。公平な競争条件はスポーツの根幹ではないでしょうか?

外部にいる私に出来るのはここまでです。日々研鑽を積む選手のためにも、アマチュアボクシング界内部から正常化に向けて声を上げていただきたいと切に願います。

アマチュアボクシング界の自浄作用に期待したい(旧徳山と長谷川が好きです)

相撲、レスリングだけじゃない!『日本ボクシング連盟問題』再び 澤谷廣典インタビュー

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昨年一部関係者から多大な反響を頂いた、元近畿大学ボクシング部総監督・澤谷廣典氏のインタビューの続編です。

昨年8月、週刊文春誌上に澤谷氏による日本ボクシング連盟(以下日連)の山根明会長を批判する内部告発記事が掲載され、ボクシング界は激震に見舞われました。当HARD BLOW!はたまたま澤谷氏と面識があったことからお願いしてインタビュー敢行し、その模様は二回に分けて掲載いたしました。

昨年のインタビュー記事 
   ↓
インタビューPART1→日本ボクシング連盟激震の内幕 澤谷廣典氏インタビュー 
インタビューPART2→日本ボクシング連盟激震の内幕 澤谷廣典氏インタビューPART2

その後関係者からの情報提供が相次ぎ、試合用グローブの販売手法の不透明さ、世界選手権ナショナルチームの監督の不可解な人選などについて記事化させて頂きました。

公認グローブ問題関連記事→AIBA公認グローブの怪 杉スポーツの謎
世界選手権監督関連記事→AIBA世界選手権 日本代表チーム瀬部勉監督の謎


現在アマチュアボクシングを取り巻く状況は厳しさを増しています。日本国内では、国体での競技開催が毎年から隔年に格下げされるという決定が下されました。一方オリンピックでは、昨年末にIOCがAIBA(オリンピックボクシングを統括する日連の上部団体)の財政や競技運営の不透明さを問題視し、分配金の拠出を停止するとともに正式競技からの排除の可能性にまで言及しました。このまま手をこまねいていれば、国体からもオリンピックからも排除されてジリ貧になることは目に見えています。本来なら統括団体のリーダーシップが何よりも求められる局面なのですが、日連の会長である山根氏はなぜか「今は静観する」と意味不明の対応を見せています。静観してたら東京オリンピックからも国体からもボクシングはなくなってしまうと思うのですが…。

ところが、そんな待ったなしの現状も、マイナースポーツの悲しさかいまひとつ世間に周知されていません。今年に入って相撲協会の相次ぐ不祥事や理事長選挙、レスリング協会のパワハラ問題や協会長の福田富昭氏のスキャンダルが報じられ、高い注目を集めているのとは対極です。競技団体の内紛やスキャンダルが報じられることは、内部の人にとっては決していいこととは言えませんが、腐敗状態が世間に注目されることで、競技のあり方や内部統制について当事者以外を含んで様々な議論がなされることは健全なことです。バスケットボールなどは、協会の内部対立や国際団体からの除名危機を逆にチャンスに変えて、トップリーグのプロ化を達成しました。スポーツとて社会の中にあるのであり、村社会の内部で腐敗や不公正が隠蔽されることは良いことではありません。まして日連は日本中の学校現場で行われる部活動を管理する重責を担っています。本来はその運営において一転の曇りもあってはならないのです。

今回澤谷氏のインタビューのテーマは二つ。一つはレスリングと同じパワハラの問題。山根明会長がある人物を目の敵にして、特定の練習場所に出入りするのを妨害したり、不公平な処分を下したりしているという驚くべき内容です。もうひとつは、長年くすぶる不可解な判定を巡る問題。関西の一部の学校を勝たせるために審判不正が行われているという具体的な証言であります。

今回はまず、一つ目の話題であるパワハラについて。澤谷氏によるとパワハラの被害者になっているのは、なんと近畿大学でコーチを務める、元WBAスーパーフライ級世界チャンピオンの名城信男コーチ。元トッププロから大学のコーチに転進し、ボクシング部の再興に大きな貢献をしてきた名城氏がなぜに冷遇されねばならないのでしょうか?

果たして一体どのような内容なのか?澤谷氏の語ることは事実なのか?心してお読みください。(以下澤谷氏の発言は赤文字。発言中に出てくる人物名については敬称を略させて頂きます)

実際の事件があったのは一昨年(2016年)の9月の自衛隊合宿と、10月にあった岩手国体なんですけど…。

その前に伏線として、3月に近畿大学のボクシング部が東洋大学と合同で沖縄合宿に行った時のことです。現地で沖縄の地方紙が取材に来てくれて、ほんで私や名城や選手を写真入りで新聞に載せてもらった。それで「こういう記事が出ましたよ」ということで、その紙面を携帯で撮って、画像を会長(日本ボクシング連盟の山根明会長。以下記事中の『会長』は全て山根明氏のことです)に送ったんですわ。けど会長から何の返事もないんですよ。で、合宿終わって大阪に帰って報告をせなアカンから「今帰りました」と行ったら、えらい会長の機嫌が悪いんですわ。で「お前な、なんであんな写真送ってくるねん」と、こうですわ。「なんの話ですの?えらい歓迎してくれて、新聞社も来てくれて『こんなことありました』と送っただけですがな」と言うたら「名城が写っとる!」と怒ってる。そら写りますやろ、一緒に行っとるねんから(笑)。それを「俺が嫌いな名城が写っとる写真を送ってくるて、お前どういうことや!」言うて本気で怒りよるわけ。「何を言うてますねん」と悲しなるようなことを言うて来るわけです。

まあ、そういうことが(後に)尾ひれ葉ひれがついてくるわけですわ。

その約半年後、に立て続けに事件が起こったのだと澤谷氏は証言します。

その年の9月、当時近畿大学の監督やった鈴木(康弘)が自衛隊出身言うことで、自衛隊での合宿を取り付けて来よったんですわ。この辺は(鈴木監督が)自衛隊の選手やったから、うまいこと渡りをつけてくれて費用も格安で近大の選手を受け入れてくれるというようなことをやってくれた。で、バスもチャーターして、私と鈴木とコーチのFと名城、それに生徒というメンバーで行こうと。

そしたら直前になって、鈴木が来て申し訳なさそうに「先生、会長から『名城は絶対連れて行くな』って言われてるんです」って言うて来たから「はあ?なんのこっちゃい?」と。そしたら山根会長が「名城は絶対にダメや。アマチュアの資格もないのに、自衛隊と言う公の施設に入れるわけにはイカン」と言うてイチャモンつけてきたわけです。それでイチャモンつけられた以上は、うちも名城はかわいそうやけど、その時本人にそんな理由は言われへんから「9月の全日本の予選に出る学生が居残りするから、お前は残ってそれを見たってくれ」と...。そしたら当然名城にしたら「先生そんな、僕も自衛隊の練習や設備が見たいです」と、そらそうなりますやろ。「そやけどお前しかちゃんと生徒を管理できるもんがおらんから」というて、まあ名城にはウソをついたわけです。

ほんで向こう行って、4泊やったか結構長いこと居させて貰って、夜は自衛隊の幹部とボクシング班の隊員と食事に行くわけですよ。そしたらその席で自衛隊の方が「いやー先生もう参りましたよ。皆さんが来る前に急に会長から電話あって『お前名城を一歩でも自衛隊にいれたら自衛隊チームは全員処分するぞ』とこんなこと言われちゃったんですよ」と。「僕らとしたら名城君はいい子だし、幾ら来てもらってもいいんですけど、もしこれが会長の耳に入ったら我々が処分される。だから僕らも辛いですよ」と。

それを聞いたらこっちも「それは嫌な思いさせて申し訳なかったですな。こちらも鈴木が監督になった以上はこれからも自衛隊に来たいんです。名城もいつまでもこんな状態にはさせませんから」と言うて謝って。まあいうたらこれ完全な閉め出し、レスリング協会の問題と同じパワハラですわ。


澤谷氏がいう『レスリング協会の問題』とは、オリンピック四連覇を果たした伊調馨選手が、女子の強化委員長を務めていた栄和人コーチと対立し、自身が望む警視庁のレスリング部での練習を妨害されたというパワハラ事件であり、合理的な理由無しに練習場所への出入りを制限するという点で、名城氏の自衛隊練習参加を認めなかったことと、確かに良く似ています。

で、十月の岩手国体を迎えるわけです。岩手国体行くメンバーは監督の鈴木と私と名城コーチやと決めて、新幹線もホテルも取ってたわけです。そしたら移動当日の朝、新大阪に8時だか9時だか集合やったと思いますけど、朝の7時頃になって、また鈴木から困った声で電話があって「先生すいません。今会長から電話があって『お前は連盟の人手として使うからワシと一緒に来い』と言われましたので、今から先に出ます」と言うて来たから、はあ?それは何を言うとんねん?と。私も近大の責任者やからね。いくら鈴木が山根にとって孫の婿か知らんけど、近大の責任者を飛ばして監督を勝手に使いよるわけですわ。でも物事にはスジちゅうもんがあるでしょ?事前にこっちに電話してきて「急遽で悪いけど、鈴木は連盟の仕事で使うから貸してくれ」というのがあって然るべきと違います?でも今更言っても仕方ないので「もうええわ、ほんなら行けや」いうて電話切ったら、すぐ連盟の内海さん(注:日連の内海祥子常務理事)から電話かかってきて「鈴木はホテルも連盟の宿に泊まるから」となって、これで切符もホテルもキャンセルですわ。

出だしからそういうトラブルがあったけどまあなんとか現地入って、翌日僕と名城が検診・計量の立会いしとったら女子選手のSから名城に電話入ってきたんですわ。なんや困った様子やなと思たら、名城が「すいません、Sがいまミット受けるもんがおらんで困ってるみたいです」と。教え子が困って電話してきとるんやから「すぐ行ったれ」と言うて行かせて、ほんで無事ミット打ちして帰って来とるんです。ほんでその翌日ですわ、また朝早うから名城から電話があって「今会長から電話があってブチ切れされました」と。「なんでやねん?」と聞いたら「いや『アップ場でミット受けしたから、処分してまうぞ』て言われました」とこうですわ。

でも、そんなもんこっちにしたら、監督の鈴木を急に連盟にとられとるからおきてることなんですよ。名城はライセンスないから選手のエリアに入られへんのはハナから分かってることで、だから会場ではライセンスのある鈴木が選手を見るというつもりでメンバーを組んでたのに、当日の朝になって『連盟で使うから』いうてとっといてやね、何が『ミット受けしたから処分』やねんと。せめて前日に言うてるなら、他のコーチ連れて行ってますよ。その日の朝にドタキャンさせといて、選手が困って電話してきてるのに対応したら処分って、なんやそれは?と。

こんときは、さすがに腹たったから、名城と謝りにもいかんとほっといたったんですわ。そしたら大阪に帰ったら「これは由々しき問題や。処分や!処分や!」と言うて来るから「ミット受けて何が処分ですねん?」と言うたら「あいつはライセンスもないからアップ場に入ったからアカンねや」ちゅうだけで。実際会長が現場で見てるわけやないから、誰かがわざわざ言うて耳に入れてるわけですわ。

それで結局連盟から処分するという通知が二通来て、読んでみたら「名城は誰かのIDカードを借りて入ってる」と書いてある。だけど、実際はそんなん借りてないんですわ。何もつけんと入ってる。まあそこは小さい問題で、カードつけてようとつけてまいと、どっちでええことではある。でも実はその時、TジムのA(元世界チャンピオンの有名プロ選手)が他人のIDカード借りて入っとるんですわ。でもこっちは何のお咎めも無しで、名城だけが物凄く悪いことしたかのようになってる。

名城はそのときの処分で近畿大学以外での指導は一切禁止になりました。そうなるとリーグ戦や近所の大学ですら教え子につけないようになる。こんなアホな処分が未だに続いとるんです。アマ資格申請もほったらかしです。


本来ライセンスがなければ立ち入り禁止の場所に、現役のプロ選手が入ってもお咎め無しな一方で、引退してすでに何年も指導実績がある大学のコーチが選手のミットを受ければ処分というのは確かに合理的な根拠は感じられません。名城コーチへの狙い撃ちのイヤガラセではないのか?という観測が出るのも無理もないことです。

で、いざ処分が下りたら理事やってる連中が「名城君なんか処分されたんですか?」とこっちに聞いてくる。「おかしいやないか、文書には『理事が全員一致で決めた』って書いてあるのに何で理事やってるオマエらが知らんねん」と言うて処分通知を見せたら「これなんですか?ミット受けしただけでこんな処分ですか?!」「ホンマですか?!」とみんながビックリしとったわけです。

全員一致で処分を出したはずの当の理事が処分されたことを知らなかったというのは大変奇妙な話です。これが事実なら何の話し合いもなく、一部の幹部が独断で処分を決定したということです。

そもそも山根氏は、選手やコーチにはプロとの交流を禁じる一方で、自身は積極的にプロの会場で頻繁に試合観戦しておりプロとの関係が非常に近い。明らかに矛盾しています。そういう姿を評して「あの人、プロとは関係持つな言っておいて、自分が一番プロと関係してるじゃないですか」と笑いながら言っていたプロ選手もいました。澤谷氏の話はプロアマの関係に実態について踏み込んで行きます。

(アマの世界にも)プロ上がりのもんはなんぼでもおるわけです。プロ上がりでも山根が気に入ればすぐ資格だして可愛がるわけです。反対に気に入らんもんは「アイツはプロやから」というて遠ざける。

プロの選手で今山根が融通がきくのがI選手とかOジムの選手。O会長との関係がええからそこのジムの子も可愛がるわけです。あとはさっきの国体でアップ場に入ってたAがおるTジム。Aが他人のパスで中に入ったことが不問になっとるのは、僕からしたらTジムとの関係からとしか思えないんですわ。あとはHジムのT。この辺は山根が会場行って試合も見ます。一方で私がプロ時代の高山選手のパーティー行ったら「お前何を連盟の理事という立場でプロの選手のパーティー行っとるねん」と言うて来る。でも何を言うとんねん、アンタが一番プロの選手の試合行ったりパーティー行ったりしてるやんかと思うわけです。

結局自分が気に入ってないプロの選手と付き合うと「プロと関係持つな」というてきよるんですよ。

では名城コーチはなぜここまで目の敵にされるのでしょうか?澤谷氏はその背景を説明してくれました。

なんで名城がここまで目の敵というか嫌われてるかというと、結局昔おった六島ジムの枝川会長が名城が近畿大学を中退してプロになるときに「アマの選手をウチのジムに頂きます」と挨拶もなけりゃ、プロになったあとも名城の試合のチケットも持って来えへんかった、とかまあそういう小さいことなんですよ。そんなもん名城本人にはなんも関係ないでしょ?確かに枝川さんは、名城がアマの世界におるねんから、プロのタイトルマッチの会場で山根に会ったら挨拶くらい来たらエエのにな、と思ったことはあります。だから一回枝川さんが「澤谷さん、名城が山根さんに睨まれてるみたいですけど、それって俺のせいですか?」って聞いてきたから「いやいやまあ会場で山根に会ったら挨拶くらいしたってや」とは言うたことはあります。ただそれは枝川さん本人の話で、名城は関係ないでしょ。そういう小さいことで名城が毛嫌いされて、板ばさみじゃないけど一番苦労してる。

こんなことで名城は未だにアマ資格が認められず、近大の監督にもなられへん。近大は鈴木がセクハラでやめてから実質的にはずっと監督不在の状況です。
名城が犯罪をしたとか暴力を振るったとか破廉恥なことをしたとか、そういう事件性はなんもないわけやから、結局話題になったレスリングの問題と同じ、気に入らんもんに対するパワハラなんですよ。

近畿大学には警察のOBや弁護士がおる法務部と言うのがちゃんとあるんですよ。やのに自分のところのコーチが、こういうレスリングと同じような理不尽な目にあって苦しんどるのに直視もせん、対応しようともせんわけです。名城は近畿大学の強化職員なんやから、本来なら大学が守ってやらなアカンわけです。日連にも弁護士がおるんやから法的に話をせなアカンのに、近畿大学の法務部も頼りない話やと思います。


名城コーチが実直な好人物であることはボクシングファンならばご存知であろうと思います。プロを引退してアマのコーチになり、すでに沢山の選手を育成してきたことは、いわばアマチュアへの恩返し・貢献といえるもので、歓迎されこそすれ批難されるようなことではないはずです。

名城は二回世界チャンピオンなったけどね、あんな腰の低い男はおらんのですよ。近大に来て貰うに当たって、私が口説いて引退させたわけやから、こっちにも責任があるんですよ。

私が去年脳梗塞で倒れた時もね、集中治療室で意識が朦朧としてる時に横から「先生、先生」って話しかけてくれて、手が上手く動かせんねんけど手を上げたらあいつが両手で手を取って「良かった~」いうて病院の床にへたりこんでね。それから意識がなくなったり戻ったりを繰り返しても、その度にずっとベッドの横におる。集中治療室やから椅子がないからずっと立ちっぱなしですわ。あんなことできる男はおりませんよ。

それだけにね、口下手やけどマジメで、二回世界チャンピオンになってる男やから。

名城も自分なりに処分といてもらおうと連盟の事務所や山根の自宅にも行って、自宅ではインターホン越しに山根本人と話して「そのうちなんとかしたる」と言うような言葉も貰ってたらしい。

ところが去年私がこうなって、山根と対立するようになってしもて、近大の現場も離れて…。でも、そうなったあとも、ことあるごとにこっちにボクシング部のことを相談してきてくれるんですよ。「俺はもう現場離れてる人間やから自分で決めろよ」って言うても「いや自分は先生にここまでしてもらったんやから」って言いよる。そんなん言われたらこっちは涙出ますよ。

だからこの男だけは、なんも落ち度がないんやから、世の中に本当のことを分かってもらって、どうしても何とかしてやらんといかんのです。


日連はブログ上で近畿大学ボクシング部監督の来訪の写真を掲載していますが(→近畿大学ボクシング部監督及び部長の表敬訪問について(報告))、これで棚上げになっている名城コーチの処分に何らかの進展はあるのでしょうか?そもそも日連のブログに沢山掲載されている山根会長を中心にした集合写真には一体何の意味があるのでしょうか?他のスポーツ団体ではまず目にしない奇妙な体裁のブログになっていると思います。

今回はここまでです。次回は長年くすぶる判定・採点問題について、さらに生々しい澤谷氏の証言をお送りします。

連休は旅行とボクシング観戦に行く(旧徳山と長谷川が好きです)

4/28 神戸 久保隼と世界ランカー対決!大沢宏晋打ち上げスパーレポート

大沢宏晋選手についての過去記事はこちらから→大沢宏晋

いよいよ前世界王者の久保隼選手とのサバイバルマッチが迫って来た大沢宏晋選手。昨年の再起以来、全ての試合に進退をかけて挑んでいる大沢選手ですが、小細工をせず世界ランカーを連破して着実にランキングを上げて来ました。ここで久保選手を退ければもう一度世界が見えてきます。

先週火曜4月17日に行われた、最終スパーリングにお邪魔してきました。

ジムに着くと大沢選手はアップ中。ウエイトを伺うとあと4キロ弱で極めて順調とのこと。サウスポー相手のスパーは、先週も日本ライト級8位の脇田将士選手相手にインターバル30秒で長いラウンドをこなしており質量とも充分。私が見学した二週前のスパーではダウンを奪うシーンもあり、サウスポー対策はかなり順調に見えました(そのときの記事はこちらから→4/28神戸 久保隼とのサバイバルマッチに挑む! 大沢宏晋スパーリングリポート

アップ中に雑談していて知ったのですが、なんでも大沢選手本当は左利きなんだそうです。なのになぜか構えはオーソドックス。右利きの人がわざわざ左に変えると言うのはよく聞きますが、逆は珍しい。そうなった経緯を伺うと「初心者の時に『構えてみろ』って言われて自然にやったら左手が前になったんですよ。『左利きやったら逆やん』って言われたんですけど『左を制するものは世界を制するって』聞いたことがあったんで、これでええかって」と、野生児らしい答えが返ってきました。

この日のスパーはインターバル1分で8R。前回の記事でも書きましたが、パートナーの脇田選手も4月30日にスーパーフェザー級の日本ランカー杉田聖選手とのサバイバルマッチを控える身。お互いが試合直前で減量中のキツいコンデイションの中でどこまで想定した動きが出来るか?

序盤は大沢選手がボディストレートから攻勢。
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しかし脇田選手もスパーを重ねて大沢選手のスタイルに慣れてきたようで、体格を生かしてジャブで挽回。

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細かいボディうちやアッパーを織り交ぜて、中盤は脇田選手が押し気味。

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大沢選手はやや疲れ気味か?とはいえ打ち合いになれば階級が下なのに打ち勝つ場面が多い。

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脇田選手も負けずに打ち返す。

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大沢サイドの中島トレーナーからは、再三前足の位置を外に置くように注意が飛ぶが、脇田選手は有利なポジションを渡さずヒットを重ねる。

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大沢選手は後半ロープに詰めて反撃。

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ボディからの連打。

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ラスト30秒は両陣営から「出し切れ」の合図が出て無酸素ラッシュで打ち合い!

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終了と同時に、両者バッタリと倒れこみました。

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仲良く路上でクールダウン。

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大沢選手は「苦しい中で最後まで動けたけど、足の位置は修正が要りますね」とベテランらしく淡々と振り返り、脇田選手は「インターバルが一分になって大分余裕がありました。今日はやれましたけどやっぱり大沢さんは強い。パンチが強いのは勿論ですけど、思ったより伸びてくる。いい人と練習できて本当に勉強になります」と世界ランカー相手にいいスパーが出来て手ごたえを感じた様子でした。

大沢選手は中島トレーナーともう一度足の位置を確認。いかに前の足を外に出すか?が本番では鍵になります。ライト級の選手相手でも打ち合って捕まえてしまうパンチ力は大きな武器で、昇級初戦の久保選手には脅威となるでしょう。

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対する久保選手と経験豊富な真正セコンドは果たしてどのような作戦をとってくるか?週末の試合を楽しみに待ちたいと思います。

連休は二回旅行に行く(旧徳山と長谷川が好きです)







4/28神戸 久保隼とのサバイバルマッチに挑む! 大沢宏晋スパーリングリポート

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 当HARD BLOW!ではすっかりおなじみとなった、大沢宏晋選手の近況レポートです。

 JBCの内部抗争に巻き込まれた不当なサスペンドから再起し、連戦連勝でラスベガスでのビッグマッチにこぎつけたものの、痛烈な敗戦。しかし、腐らずすぐに再起し、昨年世界ランカーを連破してすぐに世界の舞台に復帰した大沢選手のキャリアはドラマチックな起伏に富んでいます。是非当方の過去記事を読んで、彼のボクシングロードを知って頂きたいと思っております。

 大沢宏晋選手についての過去記事はこちらから→大沢宏晋選手の過去記事

 その大沢選手の今回の試合は真正ジムの元世界チャンピオン久保隼選手との対戦と言う、関西では珍しい世界ランカー同士のサバイバルマッチ。2016年の世界挑戦失敗後、復帰4戦中3戦が世界ランカーとの対戦と言う濃すぎるマッチメークとなっています。小さなジム所属というハンデをものともせず、世界ランカーに連勝すると言う正攻法で世界への階段を這い上がる大沢選手。

 今回の試合はファンの関心も高く、カードで観客が入ることは滅多にない関西でも異例の注目度となっています。

 当方はずっと大沢選手を取り上げてきた関係上、大沢選手に肩入れしているのは当たり前なのですが、昨年の久保選手のセルメニョ→ローマンと続いた二つの世界戦は失礼ながら、世界との距離を感じさせる内容であったと思います。まして久保選手は再起戦で、尚且つフェザー級への昇級初戦。私としては大沢選手の勝利を予想せざるを得ないところであります。とはいえ大沢選手の直近二試合は正直もどかしい出来で、快勝とは言いがたい内容。久保陣営・真正ジムサイドはその辺も織り込んで『大沢組し易し』と判断しているのやも知れませんが、とはいえ再起戦でいきなりこの試合を選択する心意気はこちらもお見事。両陣営の気風のよさが印象的です。

 というわけで興味津々でロマンサジャパンボクシングクラブにお邪魔したところ、大沢選手はまだ来ておらず中島利光トレーナーとしばしお話。昨年末は試合間隔が短くて大変でしたが、今回は発表も早かったし調整はバッチリですよね?と聞いてみると「いや~実は今年に入ってアキレス腱やって走れなくて大変やったんです」と苦笑い。「二ヶ月前には完治しているので心配なし」とのことですが、相変わらず大沢選手色々あります。先ごろ連勝して日本ランキングに入った大沢選手のジムメイト金井隆明選手について伺うと「これは本当に努力の結果。25から始めてプロになって、4連敗した後日本ランキングに入るというのは凄いこと」とのとこ。

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金井選手の近影。一昨年の写真ですが...。

 としばらくすると大沢選手登場。練習前に少しお話を伺いました。(大沢選手の発言は赤文字

HB「またも世界ランカーとの対戦となりましたが」
大沢 この間真正ジムの世界戦でリングで挨拶してきたんですけど、久保は『新しい自分を見せる』とか言うててはぁ?ってなりましたわ。たった半年で何が変わるんですか?僕ははっきり『自分が勝ちます』と言ってきましたよ。
HB 大沢さんは試合が決まってからずっと久保に怒ってますね(笑)。
大沢 ボクシングビートの記事読みました?『胸を借りる』とか言ったりね。あっちが元チャンピオンで格上でしょ?何を言うとんねんと。あんなこと言うからボクシングと言うスポーツが舐められるんですよ。
HB 僕は正直去年の久保の二試合は評価していないですけどね。特にローマン戦はまさに完封負けで...。
大沢 久保は戦績はええですけどね、僕とはやってきた相手が違いますよ。修羅場は僕のほうがくぐってます。
HB 大沢さんの直近の二試合見て『これならいける』と思われてるフシもありますが...。
大沢 エリック・デストロイヤーとアレクサンドル・メヒア、どっちもやりにくいいい選手でしたよ。全然楽な相手じゃない。あいつらに競り勝ったことは自信になってます。

 実は試合が決まってから大沢選手と何度かやりとりはしていたのですが、モチベーションは一貫して高く対戦に向けて久保選手への敵意はグングンと上昇しており、試合に向けたこういう盛り上がりはファンとしては大歓迎したいところです。

 スパーリングパートナーとして呼ばれていたのは堺東ミツキジム所属の日本ライト級8位の脇田将士選手。二階級上で身長180センチの長身サウスポーを仮想久保に見立てたスパーであります。脇田選手も4月30日に、長らく日本ランキングを守る奈良ジムの杉田聖選手とのサバイバルマッチが控えています。両者生き残りを賭けた本気の調整中と言うことで、緊張感の高いスパーとなりました。

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脇田選手のジャブ
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ボディストレート
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当初6ラウンドの予定だったスパーですが、3R目に大沢選手の右がクリーンヒットして脇田選手サイドがダウンを要請し中断。ダメージを考慮して5Rに短縮となりました。
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とはいえ脇田選手の左のビッグパンチも何度かクリーンヒットしダウンシーン以外は良い打ち合い。
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大沢選手はボディを効かせてラッシュ
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終盤は激しいパンチの交換となりました。
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 終了後は意見交換。ダウンでラウンドが減ったことを謝罪した脇田選手は悔しがりますが、大沢選手は「練習やから、試合で上手く行ったらええねん」と感想を交えてアドバイス。お互い実りが多いスパーとなったようです。終了後お話を伺いました。

HB 距離の詰め方やボディからのコンビなど、サウスポー対策は上手く行ってるように見えましたが?
大沢 今週に入ってやっと感覚が合って来ました。先月は近大のアマのサウスポーに来てもらってたんですけど、その子が強くてやられてたんですけど(笑)。
HB アマの選手も短いラウンドなら本当に強いですよね。
大沢 いやホンマ短いラウンドじゃなくて6ラウンドやっても強いんですよ。ええ経験になりました。さすがに久保相手にジャブだけで展開作れるとは思ってないんで。入り方、距離の詰め方を色々試してね。

HB サウスポー相手となると、攻めれば必ずパンチを貰う場面が出てくると思いますが...。
大沢 それは今までの経験、やってきた相手が自信になります。久保のパンチじゃ倒れないですよ、僕は。
HB 大沢さんに勝ったオスカル・バルデスがこの間体重超過したスコット・クイッグ相手に凄い試合しましたね。
大沢 鼻の骨折ってるのにまっこうから打ち合って本当に凄かった。「俺はコイツとやったんや」と思ったらこんなところで負けられないです。

 サバイバルマッチに向けて意欲の高い大沢選手、この試合はファンの期待に応える熱戦になる予感がします。

 というわけで試合までレポートを続けたいと思います。

 久々にスパーを見て盛り上がった(旧徳山と長谷川が好きです)
 

色々はっきりさせておきましょう

再戦を主導してきたのは、帝拳の本田会長です。山中選手には再戦か引退かと言う選択肢しか提示されていなかった。

ネリのドーピング違反を不問にしたのはWBCです。タイトルも剥奪しませんでした。

再戦に当たって何の規制もしなかったのはJBCです。

大和トレーナーの何の問題もないタオル投入を非難した本田会長の姿勢を容認したのはメデイアです。再戦に当たってもドーピングを「悪役ネリのキャラクターの一部」くらいの煽りネタとして消費して、真摯な検証はありませんでした。

35歳の山中は一昨年辺りから目に見えて打たれ脆くなってきています。パンチの貰い方も若い頃に比べれば良くない。一方減量苦の無かった若いネリは、明日はバッチリリバウンドして来るでしょう。なんなら更に巧妙なドーピングをしているかも知れません。


明日事故があれば誰の責任ですか?

2010年代の日本のプロボクシングを支えてきたスターがなんでキャリアの最後にこんなリングに引き出されないといかんのですが?

帝拳の浜田代表は大和トレーナーのタオル投入を批判して「(事故があれば)責任は俺がとる」と言いました。でも事故に責任なんかとれないでしょ。

現行のクラブ制度の下では、選手に自由に試合を選ぶ権利はありません。世界チャンピオンですらそうです。山中選手ですらこんな酷い試合をしなきゃならんわけです。

この試合を組みたかったのは誰ですか?この試合を見たかったのは誰ですか?

責任があるのはそいつらでしょう。

もし試合が無事に終わっても、もし山中選手が勝ったとしても。なんも解決してません。

なんでこんな試合が組まれたのか分からない(旧徳山と長谷川が好きです)