HARD BLOW !

健保金問題 電子署名サイト

署名サイト_R

電子署名・キャンペーンサイトとしてお馴染みのchange.orgにおいて、健保金問題の究明を求める電子署名ページが設立されました。

電子署名サイトへのリンク    
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プロボクサーの納めた健保金を守ろう

change.orgは国境なき医師団や三遊亭円楽師匠も利用している電子署名サイトです。署名用紙を郵送する手間なども省けますので大変便利です。

このページは、昨晩設立されてすでに50筆近くの署名が集まっています。署名用紙と併せて皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

この記事はしばらくトップに固定しておきます。

HARD BLOW!一同

乗松優著「ボクシングと大東亜 東洋選手権と戦後アジア外交」

 最近面白いボクシング本がないなあ、とお嘆きの貴兄にお勧めの一冊でございます。
ボクシングと大東亜 表紙_R

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ボクシングと大東亜 東洋選手権と戦後アジア外交

 この本の著者は『スポーツ社会学者』の乗松優さん。ともすれば情念が先走りがちなボクシングノンフィクションの世界にあって、学者らしく冷静な筆致と実証的な調査で、戦後のアジアボクシングの歩みを鳥瞰する優れた内容となっております。と言うのも偉そうです、本当に面白いです。

 本書のメインテーマは「戦後の日比関係とプロボクシングがいかに関連していたか?」ということですが、その他にも戦後の混乱期のボクシング興行事情や日本でテレビ中継が始まった経緯、後楽園スタジアムがなぜボクシング興行に関与するようになったのか?OPBFタイトルはなぜ生まれたのか?アジア主義者や岸信介がボクシング東洋選手権にどのように関与したのか?などなど、興味深い題材が数珠繋ぎ。

 その時代の東洋選手権を戦った日本の名ボクサー達、金子繁治氏、矢尾板貞夫氏、勝又行雄氏や、当時を良く知るトレーナーのスタンレー・イトウ氏などから、著者が直接聞き出した当時の体験談も興味深いことこの上なし。大変貴重なオーラルヒストリーが満載であります。

 一族から二人の大統領を生んだベニグノ・アキノ上院議員が、ひいきのボクサーの敗戦直後にショック死したエピソードなど、掲載されている事実の面白さや、分析の鋭さ・深さにも感服。ジャーナリズムやアカデミズム界隈で話題になった理由が良く分かる歯ごたえのある良書でございました。

 ちょいちょいボクシングネタを入れてくることでおなじみ、TBSラジオの『荻上チキ セッション22』でも、荻上さんと乗松さんの対談が放送されましたがそれも大変興味深かったですねえ。こちらから聞けます。
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来週末は天草に行く(旧徳山と長谷川が好きです)

亀田興毅氏がトレーナーライセンスを取得と聞いて感じたこと

先日1月20日、国内ボクシングに復帰した亀田和毅選手(WBASバンタム級5位)の復帰戦の日程と、亀田興毅氏が申請していたトレーナーライセンスが発行されたことが発表されました。

ボクシングニュース様の記事へのリンク。
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亀田和毅3.10世界ランカー戦、兄・興毅にライセンス

和毅選手の対戦相手(IBF8位のマイク・タワッチャイ)がこれまた絶妙なチョイスで、『亀田健在なり』を感じた次第。

最近はテレビであんまりみかけない自己陶酔タイプのリングアナウンサーが、敏腕捏造ライター片岡亮氏と結託して起こした捏造事件の被害者になって大迷惑を蒙った興毅氏と和毅選手ですが、遅ればせながら国内復帰の環境が整ったことは大変よかったと思います。

ところでJBCは未だに亀田興毅氏とは旧亀田ジムの会長とマネージャーライセンス停止を巡る裁判の真っ只中であります。JBCは一方では「こんな連中にはライセンスは出せん!」という無謀な裁判を継続しつつ、その裁判の原告に現場復帰のライセンスを「どうぞ」と出してしまう、と言うもはや何を考えているのか分からない迷走振り。『病膏肓に入る』という感じであります。こういう一事を見ても、ガバナンスなき組織の『末路』が見えてきたと感じます。

天草の世界戦へ行こうと計画中の(旧徳山と長谷川が好きです)

地上波TV局に迎合した、年末の興行集中はいいかげんやめるべき

皆様あけましておめでとうございます。

というわけでいきなり本題、タイトルの通りであります。

昨年の大晦日、私は夕方ザッピングしながらストリーミングでUFCと田中恒成の世界戦を見て、夜は京都と東京の世界戦中継をこれも録画しつつザッピングで鑑賞。その前日は井上×河野と八重樫×サマートレック戦がございました。4団体加入で劇的に増えたとはいえ、ボクシングにとっては一番のビッグイベントである世界戦をなんでまた同じ国内でここまで密集して行う必要があるのでありましょうや?大森将兵選手と井上拓真選手がWBOのタパレス選手を取り合って、結局両方試合ができないなどの興行集中による弊害も出ております。ギャラがつりあがって外国人選手は喜んでるかも知れませんが不健全ですよね。

一試合あたり報道の量は減るし、注目度はそがれるし、生観戦派は重複する試合が見れないしファンにとってはあんまりメリットが無いように思います。

それとTBSの中継は、人気選手がオフシーズンの小遣い稼ぎでやってるバラエティ企画とボクシングの試合をシームレスに中継するという構成が最悪の一語でありました。殊勲の戴冠となった小國選手の試合は、中継時間の告知すらなく、放送が始まったのは日付が変わろうかという真夜中。しかも内山選手の試合と放送時間がドン被りという最悪ぶり。数少ないボクシングファンを奪い合ってなんか意味があるんでしょうか?現場目線で言えば、年末のTBSが中継する興行はテレビ中継のスケジュールに合わせる為に、毎年毎年現場は阿鼻叫喚の休憩地獄。チケット買って観戦してる客を舐めております。

しかも、そこまでやってるのに、TBSは視聴率的にも惨敗(同時間帯全国ネットキー局最低)だったそうで、一体あんな中継スタイルにしたことに何か意味があったんでしょうかね?普通に『何時から何時はボクシング』で中継しろよ...。かつて日本の陸連が、TBSが世界陸上の中継で選手を珍奇なニックネームで呼ぶことに抗議したことがございましたが、JBCもちょっとああいう中継スタイルには一言あってもいいんじゃないでしょうかね?

テレビ中継があるならなんでもいいという節操の無い態度ではろくなことにならんと思うのですが...。

というわけで今年も陰気な記事から始まりましたが、この感じでボチボチやります。よろしくお願いします。

年末は田中恒成の試合が一番良かったと感じる(旧徳山と長谷川が好きです)

2016年べストファイト

2016年私的ベストファイトを挙げてみた。試合数が4なのには特に意味がない。

第4位
セルゲイ・コバレフ vs アンドレ・ウォード
(20161119 WBO/IBF/WBA世界L.ヘビー級タイトルマッチ)
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実力者同士の無敗対決の緊張感が最高度に感じられた一戦。序盤にいきなりコバレフがダウンを奪う展開。ウォードがコバレスの予想以上の速さに戦い方を変えたその対応力。接戦は判定にもちこまれ、結果は物議を醸しているが、試合内容は極めて上質なのもの。敗けがつくことが切ない一戦だった。


第3位
ジョナタン・グスマンvs小國以載
(20161231 IBF世界Sバンタム級タイトルマッチ)
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 世界チャンピオンになるためには世界チャンピオンの体をつくる必要がある。
 小國選手の体を見て、その細身にこれが世界チャンピオンになれる体かと心配になった。しかし、ラウンドを進むごとにそれが杞憂であることがわかった。
 おそらく秘策であったろう左ボディは、グスマンの強打を封じた。的確な距離感、フットワーク、多彩な左、パンチが交錯する際に相手を見切る目の良さ、予測と反応の鋭さによるカウンター、相手の虚をつく洞察力、判断力。相手の嫌がることを続けられる戦術眼。
 そして強いメンタル。世界初挑戦のケースでは、王者の力を最大限に想定するため、最大限に緊張し、それが必要以上のスタミナロスにつながったり、ピンチに陥った際チャンピオンに対する過度の恐怖感となって増大し体の自由を奪うことがある。
 この日の小國にそれはなかった。グスマンの手を変え品を変えの戦法に対し、一瞬不意をつかれることはあっても、怯むことなく冷静に対処した。そして機を見て反撃を見せた。時には大胆と思えるほどの右の長いパンチを何度も放った。
 王者の側に小國選手を舐めていたところはたしかにあるだろう。だから彼の真価はこれから試されるだろう。
 それでも、小國選手がここまでみずからのボクシングをハイレベルなものに高めてきたことに感動させられた。そして世界チャンピオンの体をつくってきたことに、敬意を表せずにはいられない。


第2位
山中慎介 vs アンセルモ・モレノ
(20160916 WBC世界バンタム級タイトルマッチ)
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 あまり説明の必要はないだろう。長らくWBAのバンタム級王者として君臨したディフェンス・マスターのモレノを、ダウンの応酬の末KOで破った試合は、見る者にとってはエキサイティングであると同時にエクスタティッシュでもあった。判定では勝てないとみて打ってでたモレノという面はあるが、山中が至近距離で左を当てるという進化を見せたことがこの試合を新鮮な驚きあるものにした。



第1位
ワシル・ロマチェンコvsニコラス・ウォータース
(20161126 WBO世界Sフェザー級タイトルマッチ)
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アマチュア・スーパー・エリートのプロ入り後のボクシングはとてつもなく速くて巧いが好きにはなれないものだった。だがそれが変わったのはローマン・マルチネスを超高速逆ワンツーで失神KOさせてからだ。そこにはプロとしての武器となった彼のパンチがあった。対するニコラス・ウォータース。体重超過や不当判定(?)とごたごた続きだが、ドネアを破った元フェザー級の実力者がロマチェンコとどのような戦いを見せるのか楽しみだった。スピードとテクニックに優るロマチェンコが主導権を握るのは想定の範囲内。ドネア戦で被弾後に立て直してきた得体のしれない復元力がこの試合でどう発揮されるのか。しかし、ウォータースにできたのはなるべくパンチをもらわないようにすることだけだった。自分のパンチを当てる工夫はできなかった。ロマチェンコがそれを許さなかった。そうである以上、自分はパンチを浴び続け、自分のパンチは相手に当たらない、ただそれが続くだけだった。
プロならばギブアップすべきではないという向きもあるが、剣の達人同士が立会中に「参った」をすることはある。両者が技の限りを尽くした好試合として、そしてボクシング技術がいかに相手を征圧するかを示した試合として、最も印象に残った試合である。





特別試合1
オスカー・バルデス vs 大沢宏晋
(20161105 WBO世界フェザー級タイトルマッチ)
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すでに旧徳さんの一連の記事で書かれているので詳しく語ることはない。日本人としてベガスのビッグマッチのリングに上がったこと、そしてそこで堂々たる戦いを見せたことは、多くの日本人ボクサーに勇気を与えたであろう、それは私自身もそうであった。サッカーのクラブ・ワールド・カップ決勝で鹿島アントラーズが世界中の小さな町のクラブに与えたものと同質のものだと思う。


特別試合2
ウーゴ・ルイス vs 長谷川穂積
(20160916 WBC世界Sバンタム級タイトルマッチ)
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長谷川穂積選手はキコ・マルチネス戦で既に私の中では終わっていた。この試合を取り上げるのは、彼が勝った、あるいは、三階級を制覇したからではない。キコ戦ですっかり動けなくなっていることを露呈した彼が、その後肉体改造に取り組み、この日のような試合のできる体に仕上げてきたからだ。9Rの打ち合いで相手の動きを見切れたのも、その体の強さがあったからこそ。自らを高めることを止めなかった彼に敬意を表したい。


さて、2017年の楽しみはまずは3月のダニー・ガルシアvsキース・サーマン戦である。井上vsロマゴン? 実現すればそれだけで井上は歴史に残るボクサーになるだろう。

BY いやまじで